2016年度 2月合宿報告書
日本大学山岳部
目的 | 春山合宿に向けたデポ 塩見岳の登頂 |
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山域 | 南アルプス 塩見岳 |
日程 | 平成29年2月16日(木)~2月19日(日) 移動1日、実働3日 |
メンバー | 4年 CL水越健輔、SL加藤 純 3年 岡本碩士、高根澤亮太 2年 髙橋佑太 1年 近藤 歩、白土朝香、新保裕也、田邊カレン、福島端流、守屋勇希 計11名 |
2月16日(木)移動日
新宿14:05(5人),15:05( 6人)~17:49,18:49松川IC~20:30鳥倉冬期ゲート前
松川ICから鳥倉冬期ゲート前までタクシーで移動する。ゲート付近にはうっすらと雪が積もっている程度である。テントを張って就寝する。
2月17日(金)入山 くもり後雪 5℃
鳥倉冬期ゲート前05:40~11:00鳥倉登山口~12:50標高2000m付近CS
出発の準備をしていると8名ほどのパーティが我々を追い抜いていった。他大学のワンダーフォーゲル部のようだ。後に続いて我々も出発するが、指定した時間を10分ほど遅れての出発となった。ゲートを過ぎると積雪は30cm程度になる。しばらくすると、守屋が遅れ始め、膝が痛いとの報告を受けたため、荷物を分けて進む。登山口までひたすら林道を歩いていくが、なかなかペースが上がらない。登山口に到着するも、予定をかなりオーバーしており、天幕できそうな箇所を探しながら登っていく。ルートが北向きになり、しばらくしたところの標高2000m付近に天幕する。このころには雪がしんしんと降る天候となった。守屋の膝も心配であるが、他にも疲労のせいか元気の無い者が何人かいる。テント内の生活技術が成っていない者も少なくない。先行きが不安な入山日となった。
2月18日(土)くもり 1℃
標高2000m付近CS06:30~17:15三伏峠小屋
30分ほど遅れて出発する。出発後ほどなくして昨日の他大のワンダーフォーゲル部のパーティが下山してきた。尾根上で天幕していたようで、三伏峠までのトレースは自分たちで作って行く。昨日のトレースのお礼をして分かれ、進んでいく。夏道は2248m過ぎのコルから、尾根の北斜面のトラバースとなる。途中、雪崩を警戒して尾根上に上がり忠実に尾根を辿っていく。ラッセルは膝上ほどだが、体力不足なのかどこか体調が悪いのか今日もまた隊のペースは上がらない。三伏峠まで1時間ほどというところで、白土の体調が悪くなり吐き気と寒気を訴えている。ツェルトで包み温かいココアを飲ませてしばらく休憩する。三伏峠までわずかであること、携帯の電波が入ることを考え、水越、岡本が白土の様子見をし、その間に他は先に進んでもらう。40分ほど休憩してから、白土を自力で歩かせゆっくり進んでいく。すっかり暗くなってしまった三伏峠に到着し、冬季小屋内にテントを張らせて頂く。全員のコンディションや未熟な歩行能力、生活技術等を考え、明日は下山を決定する。
2月19日(日)下山 晴れ −2℃
三伏峠小屋07:00~11:00登山口~15:00鳥倉冬期ゲート前
白土の体調は多少良くなったようだが、かなり辛そうに見える。登ってきたトレースを辿りゆっくり下山を開始する。登山口まで問題なく下り、あとは林道歩きというところで田邊の体調が悪くなる。脱水のようで、水を飲ませしばらく休憩していると少しずつ良くなっているようだった。鳥倉冬期ゲート前に到着するが、道路が凍結しておりタクシーが入って来られないため、ゲートから先まで30分ほど歩いたところで、タクシーに乗り込む。温泉に入ったあとには白土、田邊とも元気な様子を取り戻しつつあり一安心した。
総括
今合宿は惨敗であったと言わざるを得ない。出発遅れ、食事の失敗、体力不足、個人のコンディショニングの問題、反省をあげれば切りがない。こういった反省の根底にあるものは、合宿に向かう姿勢、山に向かう姿勢であり、それが全く成っていない。
もちろん出来ている者もいるが、我々は部として活動しているのであるから、個人の問題としてではなく部の問題として受け止める必要があると考えている。今回のような結果となり、下山後にヘラヘラしているようでは、我々ができる登山などたかが知れているというものである。
何はともあれ一番の目的である春山合宿のためのデポは完了した。あとは今年度の春山合宿、戸台から田代の縦走を完遂するだけである。我々にとって未知の日数になるであろうこの縦走を、根性と情熱を持って乗り越えよう。