6月24日 大天井岳頂上(左から岡本、田邊、新保)
山行報告書
日本大学山岳部
目的 | 表銀座の縦走を楽しむ |
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山域 | 北アルプス 表銀座、常念岳 |
日程 | 平成29年6月22日(木)~平成29年6月25日(日) 移動日1日、実働3日 |
メンバー | 4年 L岡本碩士 2年 新保裕也、田邉カレン 計3名 |
6月22日(木)曇り
新宿駅(バス)22:25~01:43松本駅
新宿から定刻通りバスで出発し、時間通りに松本に到着する。松本は東京と比べると若干涼しかった。時間も遅いので早々に寝る。
6月23日(金)曇り時々晴れ
松本駅(電車)08:16~08:44穂高駅(タクシー)~09:35中房温泉09:52~12:09合戦小屋~13:16燕山荘CS1 13:50~14:19燕岳~14:45燕山荘CS1
起床後各自で朝食を済ませ、予定していた電車で穂高駅へ向かう。車窓からはこれから縦走する稜線が綺麗に見える。最終日の天気が不安だが雄大な景色に胸が高まる。穂高駅からはタクシーで中房温泉に向かう。道中カモシカやニホンザルと遭遇し、タクシーの運転手がガイドをしてくださる。そして中房温泉から登山が始まる。北アルプス三大急登と言うだけあり辛い樹林帯の登りが始まる。時折射す日が汗を噴き出させる。また合戦尾根は虫が大変多く、虫よけスプレーを持ってくるべきであったと後悔する。
そして富士見ベンチ過ぎ付近から所々残雪を見かけるようになる。合戦小屋に到着すると多くの人が休憩していた。どうやら翌日から小屋でスイカを販売するようで、我々は小屋にあったスイカのレプリカで気分だけ味わった。合戦小屋からは傾斜も残雪も多くなってくる。合戦沢ノ頭からは燕岳が綺麗に見え、また燕山荘が見え始める。そこからは暑さに苦しめられつつも順調に燕山荘に到着する。テント場はまだ雪渓に埋まっており雪上にテントを張る。早々にテント設営を終わらせ、燕岳にアタックしに行く。アルプスの女王とも言われる燕岳、白い奇岩群によるその美しい景色の中を歩く。
山頂からは東鎌尾根、北鎌尾根、西鎌尾根が一望できる。ただ少し雲が多いのが残念だ。山頂で少しゆっくりした後、燕山荘に戻る。この日の夕食は参加部員が2年生以上ということもあり、過去最高の出来であった。夕食後、移動のバスでの疲れが出たため日が完全に暮れる前には就寝した。
6月24日(土)曇り時々晴れ 4℃
燕山荘CS1 05:51~大下りの頭06:45~08:55大天井岳~10:25東大天井岳~11:05横通岳~11:43常念小屋CS2
雪上にテントを張っているせいか朝は気温以上に冷え込んでいるように感じた。天気は良くもなく悪くもなくといったところだ。天候が崩れないことを願いながら撤収を済ませ出発する。大天井岳方面へ向かう他の登山者はほとんどいないようだ。表銀座の稜線を我々だけで独り占めして進む。大下りの頭を下った先から徐々に稜線が細くなってくる。中途半端に雪が残っている箇所が多く、注意しながら進む。切通岩を過ぎるときつい大天井岳の登りが始まる。
大天荘へのトラバース道はまだまだ雪渓が残っており、通行止めとなっているので大天井岳を直登する。分岐からしばらくはガレ場やザレ場が続き、慎重に進む。山頂の少し前あたりから道は安定してくる。そして分岐からわずか1時間弱で山頂に到着する。山頂からは常念岳から槍、穂高、双六岳と北アルプス南部の山々が一望できた。風もほとんどなく、順調に進んでいるので皆でしばらく景色を楽しみながらおやつを食べる。合宿とは違ったこの雰囲気も個人山行ならではだ。
しばらく休憩した後、再び足を進める。大天荘は7月1日から開業ということだったが準備のため人はいるようだ。ただトイレ等の設備は使えない。大天井岳からの稜線はこれまでと打って変わってなだらかで広い稜線が続く。まるで朗らかな散歩道だ。東天井岳付近から涸沢カールが見え始める。およそ1週間前まではあそこにいたのかと皆で初夏合宿を思い出す。穂高の山々もこの付近から見ると迫力満点だ。しかし奥穂高岳に雲がかかっているのが悔やまれる。皆が疲れ始めたころに常念小屋が見え、元気を出す。
まもなく常念小屋に着き、早速テントを設営する。常念小屋は綺麗で大きく、景色も最高だ。一の沢から登ってくる登山者が多く、小屋は賑わっていた。テント設営後は各々昼寝をするなどしてのんびり過ごした。15時頃から雲行きが怪しくなり始め、常念岳の山頂はガスに覆われた。天気が不安なので明日は予定より30分早く出発することにする。就寝後、深夜から雨が降り始めた。
6月25日(日)雨 9℃
常念小屋CS2 04:32~05:44常念岳~08:21蝶槍~9:18蝶ヶ岳ヒュッテ9:48~9:52蝶ヶ岳~10:27長塀山~12:13徳澤~13:43上高地
朝から小雨が降っていたが、涸沢カールが見えるなど視界は割と良好だ。天気が崩れてしまったことに気持ちを落とされながらも、気を取り直して出発する。標高が上がるにつれ徐々に視界も悪くなり、皆黙々と進む。思ったほどきつい坂ではないが始めの方のガレ場はルーファイに気を付けるべきだろう。山頂に到着後も少し風が吹いていたため直に写真を撮り、岩陰で小休憩を挟む。雨に濡れ皆寡黙になる。常念岳過ぎはゴツゴツとした地形の中を進む。Peak2512過ぎのコルから樹林帯の中に入る。雨の中の樹林帯は滑りやすく、深い泥に気を付けながら進む。ただひたすら長い樹林帯に皆疲れが見え始める。
そしてやっとの思いで蝶槍に到着する。本来なら壮大な穂高連峰を楽しめる絶景ポイントなのだが、何も見えず残念である。その後、道中雷鳥に和まされながら蝶ヶ岳ヒュッテに到着する。汗や雨で濡れ非常に寒いため、蝶ヶ岳ヒュッテの自炊場で火を焚き少しの間暖まる。暖かい小屋の自炊場に後ろ髪を引かれつつも徳澤に向けて出発する。下り始めて間もなく樹林帯に入る。長塀尾根の樹林帯の中はかなり多くの雪が残っており、赤布も多く迷うことなく順調に進めた。長塀山付近に着くころには寒さもなくなり、皆少し元気になっていた。長塀尾根の末端は急登になっており、急登になってから1時間ほど下ると徳沢に着いた。そこからは見慣れた景色の中を早く温泉に入りたいという一心で下山した。上高地に到着後、念願の温泉に入り帰京した。
今回は梅雨の中、半分以上を好天の中行動できたことは非常に運が良かった。2年生も楽しんでくれたようで何よりである。残念ながら最終日は天気が崩れたが、楽しい縦走歩きができて非常に満足である。今後は1年生も含めた山行も行いたい。
(報告者:岡本碩士)