2014年度春山合宿報告書
日本大学山岳部
目的 | 剱岳登頂 リーダーシップ・メンバーシップの向上 |
---|---|
山域 | 劒岳 早月尾根 |
期間 | 2015年3月8日(日)~3月11日(水) |
メンバー | 4年 CL山浦祥吾 3年 SL賀来素直、M宝迫哲史 2年 加藤純、井上理、水越健輔、桧山泰平 1年 高根澤亮太 |
行動
3月8日(日)移動日
新宿(高速夜行バス)23:00〜富山駅06:00
1年岡本が出発当日になって体調を崩したため、不参加とする。食料、装備を調整して部室を出発する。2年加藤が新宿のバスターミナルへ向かう途中に忘れ物に気がつき、一人で部室へ戻ってしまいバスの時刻に間に合わなくなってしまう。山浦主将が加藤と新宿に残り後発隊とし、他のメンバーはそのままバスで富山へ向かう。後発隊は新幹線で追いかけることにするが、先に向かったメンバーとは4時間程の差が生じてしまうことになる。
3月9日(月)入山日 晴れ +7℃
富山駅06:40~上市駅07:20~青少年研修センター08:25~11:40馬場島12:20~14:40松尾平CS①(後発隊17:30合流)
後発とは今日中の合流を決め、賀来、宝迫、井上、水越、桧山、高根澤を先発隊として富山駅から電車で上市駅へ、上市駅からタクシーに乗り青少年研修センターへ到着、出発する。馬場島までは雪上車の轍がしっかりと存在しているため、歩きやすい。先を急ぎたいが井上のペースが上がらない。後発隊との連絡を取り合いながら馬場島に到着、県警の方にヤマタンとお茶をいただく。今は早月小屋までしっかりとトレースが付いているが、明日以降の悪天で消えるだろうとのことだった。井上が気分の悪さを訴えたため、馬場島で井上の装備を分け出発する。
馬場島からの急登はトレースのおかげでスムーズに通過できた。時折照りつけるように日が射してくる。途中で訓練を終えて降りてきた県警の方々とすれ違った。トレースのあるうちに1600m地点のCSまで進みたかったが、ペースを考えても間に合わないため、松尾平の1100mの地点で天幕を決定する。設営を終了し、馬場島まで到着していた後発隊を宝迫、水越が迎えに行く。井上はとにかく休ませる。37.3℃の微熱があった。夜には大粒の雨が降り始め、だんだんとドカ雪になった。
3月10日(火)松尾平CS①~馬場島 風雪 +0℃
松尾平CS①14:45~馬場島18:00
前夜から雪が降り続け、朝起きるとさらに20cm以上積もっている。井上は頭痛と倦怠感を訴えているため、行動せずに様子を見ることにする。雪は止まず、日が出てから除雪をする。昼頃になっても井上の体調が回復しないので、下山させることにする。馬場島までは賀来、高根澤が付き添い、加藤と一緒に下山してもらうことになった。賀来と高根澤は本日中に馬場島からCSへ戻り明日再出発する、という予定で行動を開始した。馬場島へのトレースは完全に消えており、吹雪いているため見通しもない。腰程度のラッセルの中、ルートをロスしないように注意して下るが、かなり時間がかかる。今日中にCSまで戻るのは無理そうだ。日が落ちて薄暗い中、何とか馬場島に到着した。
県警の方に迎えていただき、話をする。明日、井上と加藤は県警の雪上車に乗せていただき、おろしていただくことになった。また、休業中の馬場島荘を一部開けて頂き、泊まらせていただくことになった。CSのメンバーと連絡を取り、翌日はCSのメンバーと馬場島で合流することを決定した。
(報告者:賀来素直)
3月11日(水)松尾平CS➀〜馬場島〜松尾平CS➀(デポ回収)〜馬場島〜伊折〜青少年研修センター 曇り -8℃
松尾平CS➀ 04:20〜07:10馬場島08:10〜10:00松尾平CS➀(デポ回収)10:30〜12:00馬場島13:00〜15:45青少年研修センター
賀来、井上、加藤、高根澤は馬場島で一泊。山浦主将、宝迫、水越、檜山の四名は松尾平で一泊した。体調不良の井上が出発する8:00までに、馬場島へ降りることを前日に決めていた。装備も全て馬場島まで降ろす予定であったが、賀来、高根澤の個人装備と6人分の食糧等、全ての装備を4人で降ろすことが難しかったため、一部をCS地点にデポする。馬場島までのトレースは所々、前日の賀来達のものが残っているが、あまり充分ではない。日の出前なので、特にルートファインディングにも注意しながらの行動となる。途中、本来歩くべき道より北寄りに歩いていることが分かり、修正する。馬場島で賀来達と合流後、今後について話し合う。井上は、まだ体調不良を訴えており、あまり元気はない。井上と付き添いの加藤は、県警の雪上車に乗り、08:00に馬場島を出発。それと同時に、山浦主将、賀来、宝迫、水越、檜山の5名で、デポの回収に向かう。高根澤は馬場島で待機。トレースはしっかりと残っているので、問題なく回収。回収後、度重なるアクシデントと今後の予想される悪天が重なることを考慮し、前進は困難と判断されたため、本日中の下山を決め、伊折まで下山した。
(報告者:宝迫哲史)
総括
冬合宿のリベンジということで反省を活かし臨んだ春山合宿であったが、敗因を挙げれば根本的な山へ向かう姿勢とメンバーシップの欠如した、情けないアクシデントを連発してしまうという事態となった。この敗退を無駄にしないためにも現状を受け止め、各々が大いに反省し、自分たちの実力を見極めて高みへと進んで行きたい。本合宿の反省会では来年度の役職引継ぎを行い、主将賀来、副将宝迫、総務水越として新体制でスタートすることとなった。新1年生を迎え、海外遠征を見据えて成長し続けて行くためにもより強固なメンバーシップと経験値を築き、ひとつひとつの活動を大切にしていきたい。
主将:山浦祥吾