12月24日~30日【冬合宿】北アルプス 早月尾根

12月27日  早月小屋を目指してラッセルは続く

2014年 冬山合宿報告書

日本大学山岳部

目的 計画の遂行
山域 劒岳 早月尾根
期間 2014年12月24日(水)~30日(火)
メンバー 4年 CL山浦祥吾
3年 SL賀来素直、M宝迫哲史
2年 加藤純、井上理、水越健輔
1年 岡本碩士、高根沢亮太

行動

12月24日(水)移動日

新宿(高速バス)23:00~06:00富山駅

大谷監督、古野理事長に見送られ新宿を出発した。

12月25日(木)入山日 富山駅〜上市駅〜馬場島〜900mCS 雪 1.4℃

富山駅06:40~07:09上市駅07:15~08:15青少年研修センター08:30~12:30馬場島13:15~14:50 900mCS

富山は雨が降っていた。電車、タクシーを利用し研修センターまで移動する。センターに移動すると雪に変わった。今季第一陣ということで報道機関から取材を受ける。出発から膝下のラッセルで始まり、馬場島に向かう。この様子だと早月小屋へは+1日、が頭をよぎる。馬場島でヤマタンを受け取り、急登のラッセルを交代しながら進む。時間をみて900m地点で幕営する。積雪は2m強、終日粉雪が舞っていた。

12月26日(金)900mCS〜1600mCS 雪 0℃

900mCS05:20~14:40 1600mCS

1年の岡本が撤収にと間取り時間がかかる。終始、赤布、赤旗を付けて歩く。天候は27、28日が晴れそうだった。計画の立て直しを考えながらラッセルする。全員体調は良さそうだ。今日は胸ラッセルの栄光に浴する事が出来た一日だった。夜、テルモスの紛失が発覚。

12月27日(土)1600mCS〜早月小屋2200mAC 晴れ −5℃

1600mCS 06:00~15:00早月小屋AC

食当が寝坊したらしい。さらに賀来のメットが若干破損したと報告を受ける。修復したものの、アタック日は山浦のものと交換する。物は修復出来るが、時間は取り戻せない事をどう教えればいいのかわからなかった。昨晩紛失したテルモスを30分程探したが見つからず1時間遅れで出発する。2、3時間ラッセルをしていると後ろから別パーティに追いつかれる。交代で進み、雪で埋もれた早月小屋に到着する。県警と1パーティは辛うじて埋没していなかった側面の窓から入っていった。空は晴れ渡り赤谷、小窓、劔尾根が綺麗だった。この時、29日以降は風雪予報、勝負は明日28日か年越し寒波以降だろうと予想していた。丸一日晴れたので雪崩の心配も少ない。明日はルートの工作を行いながら全員でアタックする事にした。

12月28日(日)早月小屋AC〜2800m付近〜早月小屋AC 晴れ −12℃

早月小屋AC 05:30~13:00エボシ岩上部〜16:50早月小屋AC

先に2パーティがアタックに向かった。ザイル箇所までラッセルを頂く。時間がかかるが2400m辺りの20m程の直登を賀来がFIX。先の方で渋滞しているだろうと思ったが、それ以上に回収に時間がかかり1年だけ引き上げてやれば良く、失敗だった。そこから冬山が初めての岡本と山浦でザイルを繋いで歩く。2450m付近はなだらかでキャンプ設営が出来る。2614m峰をトラバースで1ピッチFIX、ここで1パーティが「雪が多すぎる」と言って引き返す。さらに少し歩いた2650mの岩場で山浦が1ピッチFIX。ピークから少し降りたコルからもう1パーティが引き返す。このコルにも幕営で来そうだが、風が強い。エボシ岩を直登で1ピッチFIXを水越が張る。上部はクラストしており完全にアイスコンディションなので山浦が付き添う。

全員が通過するまでFIX終了点から山浦が100mほど高度を上げ、偵察に行く。偵察の間も雪面にしっかりと蹴り込まないとアイゼンが入らない状態が続く。2850m付近から上を見上げると、別山尾根分岐ポールと劔のピークがはっきりと確認できた。突っ込みたい衝動に駆られる。しかし、時間はもうすぐ13時を回ろうとしていた。FIX箇所を見下ろしてもまだ全員が通過しておらず、ユマーリングしても下級生には厳しいだろう。予備日は十分ある。また、ACを上げない限り全員での登頂は厳しいルートコンディションとタイムに感じた。結果、撤退を決める。判断に迷うところだが帰幕し、明日は隊員の疲労を考え停滞とした。また、夜、賀来の右手薬指の凍傷が発覚する。痛み止めを飲ませ人肌のお湯で温め続けさせる。夜19時頃、早月尾根から誰か下山してくる音がした。

12月29日(月)停滞 風雪 −2℃

朝、山浦が二度も登山研でお世話になった上田講師がテントにいらっしゃる。2800m付近からのトレースのお礼に来られた。黒部を横断して来られたそうだ。昨晩の音は上田講師のパーティで、昨日撤退した事を少し後悔した。また、寒波が後ろへずれ込み、30日の疑似好天が31日の午前中まで延びそこまで冬型が緩みそうだ。30日もしくは31日をチャンスとし、明日は山浦、宝迫、水越の3名で頂上へ向けて出発すると話し合い、東京連絡所に連絡する。賀来の凍傷は温め続けたせいか少し良くなったが水泡形成は免れそうになかった。寝ながら考えた。東京連絡所に連絡したものの今後の天候と凍傷を組み合わせると全員での登頂は難しいかもしれない。賀来に二人を付けて下山させても、帰り道はラッセルが待っている。全員での一気下山体制をいつ整えられるかわからず、これ以上は自分のエゴな気がしてしまった。30日のみをアタックとし最後にする事にした。

12月30日(火)早月小屋AC〜2400m付近〜早月小屋AC〜馬場島 風雪 −3℃

早月小屋AC 03:00~05:00 2400m付近引き返し05:00〜06:00早月小屋AC 07:00〜12:00馬場島12:30〜15:00青少年研修センター

出発時は落ち着いていたが、上部へ行くに連れ風雪が増す。3人で話し合い、ここでACに引き返し今日中の撤収を決める。天場に戻ると賀来の指には水泡が出来ていた。強い風雪の中、他2パーティと交代ラッセルをして馬場島に到着する。研修センターまで歩き、タクシーで上市総合病院へ直行する。診察をして頂き抗生物質を処方される。大事には至らなそうで安心した。

今合宿、総合力で完全に敗れた。あらゆる力を試された試練と憧れの山、冬劔。楽しい時間だった。

(報告者:山浦祥吾)

↑樹林帯ラッセル

↑早月小屋手前のラッセル

↑2650m岩場

↑2650m岩場をFIX通過

↑エボシ岩へのFIX通過

↑1年高根澤

↑早月小屋AC風防ブロック内部

 

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