前半定着合宿 剱沢BC集合 8月7日
2014年度夏山合宿報告書
日本大学山岳部
目的 | 生活技術・登攀技術の向上、体力強化、リーダーシップ・メンバーシップの向上 |
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山域 | 北アルプス 劒岳・後立山縦走 |
期間 | 平成26年8月1日(金)~8月18日(木) 前半定着 移動日1日、実働8日、予備日1日 後半縦走 移動日2日、実働11日、予備日4日 |
前半定着メンバー
4年 CL山浦祥吾
3年 SL賀来素直、M宝迫哲史
2年 井上理、加藤純、篠崎さやか、桧山泰平、水越健輔
1年 岡本碩士、高根沢亮太、中田航平、森正樹
計12名
OB 大谷直弘(監督)、鈴木快美、須田貴志、飯田祐一郎(コーチ)
行動
早月尾根(8/1〜8/3):山浦、井上、加藤
8月1日(金)移動日 東京駅〜富山駅
東京駅23:10〜06:30富山駅
8月2日(土)入山日 富山駅〜馬場島〜1970m地点C1 晴れのち雨
馬場島08:40~09:40展望台09:50~11:301600m地点11:40〜13:001920m地点(ツェルト待機)14:00〜14:301970m地点C1
馬場島から北方稜線がよく見える。C1まで特に危険な箇所は無い。突発的な大雨が降り始めたので、ツェルトに入って長めの一本をとる。雨がやみ、歩き出すも加藤が遅れだし、雨雲が次々と流れてくるのがわかる。早月小屋の天場が一杯だという情報もあったため1970m地点で天幕する。1970m地点は冬も使えるだろう。
8月3日(日)1970m地点C1~早月小屋~劒岳~劔沢BC 曇り
1970m地点C104:00〜04:30早月小屋05:00~06:002450m地点06:10~07:152700m地点07:25~09:05劒岳09:30〜12:30劔沢BC
2L、900円の水を早月小屋で買い、先に進む。早月小屋から2,300m標高をあげるとやせ尾根や岩場となってくる。2700m付近は冬も天幕が出来そうだ。エボシ岩まで広い斜面が続き、雪崩が起きるだろう。獅子頭は池ノ谷側を巻いた。頂上を踏み、すぐに下山する。カニのヨコバイは大渋滞中であった。二人とも至らない点も多いが、コミュニュケーションを積極的にとり、たくましい雰囲気を持つようになった。
定着(8/4〜8/9)
8月4日(月)全隊合流日 雨時々曇り
入山日 富山駅~立山駅~室堂~雷鳥沢~剣御前小舎~剣沢BC
雷鳥沢入山時:室堂10:20~13:30劔御前13:40~14:30劔沢BC
今日は雷鳥沢より9名が入山する予定の日である。変わりに2年井上は用事のため、雷鳥沢より下山する。
室堂では早月尾根から登って下山してきた2年井上とすれ違う。体操して出発する。夏季の雷鳥沢は人が多い。雨が降りそうでなかなか降らない。雷鳥沢の登りに雪渓を通過、途中で剣沢から様子を見に来た山浦主将と合流する。別山乗越に着くと風が強めである。剣沢のテン場は今年も相当な混雑であった。先発の早月尾根メンバーと合流し、幕営。(報告:賀来)
8月5日(火)雪上訓練 BC〜内蔵助カール(雪上訓練)〜BC 曇り時々雨
BC05:00〜07:10内蔵助カール〜雪上訓練(07:30〜12:30)〜内蔵助カール12:50〜13:30別山〜雪上訓練(13:50〜15:00)〜15:30劔沢BC
朝からガスが濃いが、内蔵助まで進み雪上訓練を行う事にした。直登直下降、ダイアモンド、滑落停止、FIX訓練を一通り行う。帰り際、別山から懸垂下降の訓練を賀来+一年以外のメンバーで行い、帰幕した。今後も天候は悪化しそうなので、翌日劔岳に臨む事にする。
8月6日 (水) 劒岳 劔沢BC〜前劔〜劒岳〜前劔〜劔沢BC〜雪上訓練〜劔沢BC 風雨
BC5:00~5:30剣山荘05:40~6:10一服剣06:20~07:10前剣07:20~08:00カニのタテバイ〜下山開始08:30〜BC11:00
朝一、桧山に熱(39.2℃)があるようなので、山浦、桧山以外で劔岳にアタックする事にする。
悪天が予想されていたので雨具を着用、出発する。周囲はガス、霧雨である。一服剣手前で風雨が強くなり、ハーネス・メットを装着する。悪天でペースが上がりにくい。前剣を過ぎて鎖場に取り付くが、1年生をはじめとして通過に予想以上に時間がかかりすぎたために、このまま風雨にさらされるのは良くないと考え、撤退を決定する。(報告:賀来)
劒岳終了後、アメリカ大陸付近で雪上訓練を行う。大雨の中、確保訓練を入念に行い帰幕する。桧山の熱は下がったようだが、食事をあまりとっていなかった。
8月7日(木)劒岳 劔沢BC〜前劔〜劒岳〜前劔〜劔沢BC 曇りのち雨
BC04:00〜06:00前劔06:10〜08:30劒岳08:45〜10:00前劔〜12:30BC
体調の優れない桧山をテント残し、再度、劔岳に向かう。ルートに関して特筆する事はない。序盤からガンガン歩かせ、天候、行動時間、下級生と上級生の立ち位置関係を終始3年に注意して終わる。天場に戻ると大谷監督、鈴木OG 、飯田コーチが既に到着していて差し入れを頂いた。
8月8日(金)分散 源次郎尾根〜劒岳〜別山尾根 雨
源次郎尾根:山浦、賀来、宝迫、水越、高根沢、飯田コーチ
BC04:00〜05:00取り付き(尾根末端)05:10~10:00一峰10:10~11:00二峰11:10〜11:45懸垂下降終了点〜12:30本峰12:45〜15:00BC
取り付きは明瞭、急登10分程で5m壁に到着する。ここに謎の伸びる紐があるが、使うと登りづらい。ザイルを出したが、Ⅲくらい。また、15分程木登りをすると5m壁2段が現れる。1段目と2段目は少し距離があるが30mザイルがあれば十分だろう。ここもザイルを出したが、Ⅲくらい。ここから一峰までは木登り要素が多い。また、8時頃から雨がBCに着くまで大降りとなった。一峰手前で60m近いスラブ壁が登場する。念のため山浦がFIXを張る。一峰から大雨に加えて強風となる。コルで一本とり、二峰へ向かう。ガスって何も見えないのでログを調整する。二峰から懸垂地点までのリッジが少し怖いので簡単にザイルを出す。懸垂地点に到着、日大の先輩が打ったとされる鉄杭は健在、バックアップをとり25m懸垂を開始する。本峰までひたすら登り終了した。
また、大雨の中、須田OBがBCに到着し、スイカを丸ごと一個頂いた。
8月9日(土)奥大日岳往復 劔沢BC〜奥大日岳〜劔沢BC 曇り後雨
劔沢BC04:00〜04:50劔御前小屋05:00〜06:55奥大日岳07:10〜09:00劔御前小屋〜09:45劔沢BC~雷鳥沢12:15
劔沢は朝から強く霧がかかっており、暗い中では視界が悪い。劔御前小屋到着後に、日が昇り始め、それと同時に霧が晴れてくる。室堂平だけでなく、富山の街も望む事が出来た。劔御前小屋からの道のりは、尾根上の綺麗に整備された登山道を歩く。天気はまだ保ちこたえてくれており、歩いていて気持ちが良い。合宿中、雲に隠れてあまり見ることが出来ていない劔岳も姿を現し、一年生は興奮していた。奥大日岳頂上を目前に、雨が降り始める。天気は残念ながら悪くなってしまったが、頂上で記念撮影をし、下山を開始する。新室堂乗越から劔御前小屋までの一時間ほどの登りでは、台風の影響で雨に加えて強い風が吹き始める。この台風による悪天候により本日中に撤収することが決まり、劔沢BC到着後、すぐに撤収に取りかかった。
全員で雷鳥沢に移動し、山浦、森とOBの方々が帰京した。
(報告者:宝迫)
後半縦走メンバー
3年 L賀来素直、M宝迫哲史
2年 加藤純、篠崎さやか、桧山泰平、水越健輔
2年 岡本碩士、高根沢亮太、中田航平
計10名
縦走(8/10〜8/16)
8月10日(日) 雷鳥沢キャンプ場~室堂バスターミナル~立山(ステビバ)風雨
雷鳥沢キャンプ場6:00~6:50室堂バスターミナル13:00~14:10立山駅
昨晩も風が強かったが、朝になってもそれは続いている。 室堂バスターミナルの営業にあわせて出発する。室堂で発送をすませ、みくりが池温泉で入浴する。大きくはないが、良い湯である。室堂から立山駅に移動、ステビバする。夕方、生暖かい強い風が吹いてきた。
8月11日(月) 移動日 立山駅~国立登山研修所 雨
桧山が足指に痛みを訴えていたため、宝迫に富山駅の病院まで付き添ってもらう。縦走に影響はないようだ。登山研修所に予約していた12時まで立山駅周辺で時間をつぶす。研修所では、懸垂下降訓練を集中的に行うことが出来た。台所と風呂を使わせてもらい、就寝する。
8月12日(火) 移動日 国立登山研修所〜富山駅 曇
国立登山研修所5:00~富山駅7:50~上高地15:30(山研)
鉄道、車両を乗り継いで上高地に移動する。山研の管理人内野さんに挨拶し、事前に送っていた後半縦走の食料をいただいてパッキングする。
8月13日(水) 休養日 曇
後半縦走準備の確認をしたり、乾かし物をしたり、カッパ橋周辺を散策するなど、各自思い思いに過ごす。定着中、中田が下痢気味だったがずいぶん良くなった。
8月14日(木) 入山日 上高地~横尾~槍沢ロッジ~ババ平~大曲~殺生ヒュッテCS1
水越-篠崎-高根澤-加藤-中田-宝迫-岡本-桧山-賀来 曇のち雨
上高地(山研)4:00~7:10横尾~9:15槍沢ロッジ~14:50殺生ヒュッテCS1
午後になるにつれ天候が悪化すると見られたため、山研を計画より1時間早く出発する。縦走初日のザックを背負っていることもあり、横尾過ぎからペースが落ちる。声を掛け合いながら登る。ババ平で強い雨が降り始め、ガスり始める。登山道は明瞭であるが、視界は50mほどである。ここから隊員に疲れが見え始める。休憩を細かくとり、声を掛け合いながら登る。1年生はがんばって歩いている。大曲過ぎで雪渓上を通過する。殺生ヒュッテで槍ヶ岳山荘のテン場が一杯と聞き、殺生ヒュッテで幕営を決定する。
8月15日(金) 殺生ヒュッテCS1~槍ヶ岳山荘~千丈乗越~槍ヶ岳山荘 風雨
殺生ヒュッテCS1 4:00~5:05槍ヶ岳山荘~6:30千丈乗越~8:30槍ヶ岳山荘CS2
悪天が予想され、槍ヶ岳ピストンは行わないと決定、出発する。槍ヶ岳山荘までガスが濃い。千丈乗越まで向かうが、突き上げる風がかなり強い。1年生をはじめとして隊員の半分以上は風でふらふらとしている。千丈乗越を超えればどうかと思ったが、吹き降ろす風に変わっただけだった。テルモスを飲ませ、これからの天候悪化、鎖場通過を考慮し引き返すことを決定した。すぐに風に雨が加わり、顔に当たって痛い。風雨の中で槍ヶ岳山荘に幕営した。
8月16日(土) 停滞 風雨 雷
朝から風雨が強く、大雨・雷警報が発令される。停滞決定する。昼頃雷がゴロゴロなる。風が時折テントを変形する。
8月17日(日) 停滞 風雨 雷
前線が居座り、風雨は止まない。雷も鳴る。小屋に話を聞くと、増水で新穂高温泉への下山は不可とわかる。今後の行動について話し合い、天気が収まる明日を使って槍沢からの下山を決定する。
8月18日(月) 槍ヶ岳山荘CS2~殺生ヒュッテ~大曲~槍沢ロッジ~横尾~上高地 曇
槍ヶ岳山荘CS2 6:00 ~10:50横尾~14:40上高地
朝、起きると小雨である。連日の大雨による崩落、増水、ガスを警戒して、6時発とする。大曲に来る頃に晴れ始める。幸い道の崩落、増水はなく、槍沢を通過する。上高地に着く頃には暑いほどだった。
※後半縦走補足
本来の計画は、上高地から日本海へと縦走するというものでしたが、悪天につかまり、東京連絡所との話し合いにより敗退する結果となりました。
(報告者:賀来)