10月11日~12日 八ヶ岳 大同心・小同心クライミング

令和5年10月12日 横岳山頂にて

山行報告書

 

目的 マルチピッチの経験を積む、ロープワーク技術の実践
登攀技術の向上
山域 八ヶ岳横岳  大同心南稜、小同心クラック
日程 令和5年10月11日(水)~令和5年10月12日(木)
メンバー 3年 三橋壌二(主将)
OB  L賀来素直ヘッドコーチ
計2名

行動報告

10月11日(水) 移動・入山日 晴れ 13℃

08:45 東京駅八重洲地下駐車場(賀来ヘッドコーチと合流、賀来コーチ車両にて移動)~11:30赤岳山荘11:50~13:25赤岳鉱泉BC

 計画通りに東京駅八重洲地下駐車場で賀来ヘッドコーチと合流し、賀来ヘッドコーチ車両で八ヶ岳山荘へ向かう。八ヶ岳山荘で駐車予定であったが、林道が整備されていたため赤岳山荘まで車で行くことにした。11:30に赤岳山荘へ到着、平日とは思えないほどの混み具合であり、駐車できるスペースがほとんどなかった。11:50に赤岳山荘を出発する。ところどころで紅葉が始まっており、秋の訪れを感じる。13:25に赤岳鉱泉へ到着、テントを設営する。
本日の夕食は賀来ヘッドコーチ特製ルーロー飯であり、肉に味が染み込んでいてとても美味しい。
夕食後は、明日に備えて18:30には就寝した。

10月12日(日) アタック・下山日 曇りのち晴れ 0℃(行動開始時)

04:00赤岳鉱泉BC~05:05大同心直下07:15~07:30大同心南稜取り付き点07:40~09:30大同心ドーム手前バンド~09:55小同心クラック取付き点10:00~11:15小同心クラック終了点11:30~11:55横岳山頂~14:00赤岳鉱泉BC14:35~16:05赤岳山荘

 03:00に起床し、賀来ヘッドコーチ特製の混ぜご飯をいただく。こちらもとても美味しく、登攀に向けて気合が入る。04:00に出発、かなり霧が濃い。出発後、硫黄岳への登山道へ少し進んだところで大同心沢との分岐標があるため、そこで大同心沢方面へ進んでいく。大同心直下に到着すると、視界は10mほどしか効かない。霧が晴れることを願ってツェルトを被って待っていると、07:00頃に霧が晴れたので大同心南稜取付き点へ向かう。

以下、大同心南稜、小同心クラックともに、全ピッチ賀来ヘッドコーチがリード。

大同心南稜
・1P/Ⅲ-
取付きからボルトに沿って直上していき、10mほど登ったところで左上していく。ホールドは総じて持ちやすいが、脆い岩質であるため荷重をかける前に動かないか確認する必要がある。
・2P/Ⅲ+
1P目と比べて傾斜が強くなり、ほとんど垂壁になる。2Pもホールドが持ちやすいが気温が低いためか、凍っているホールドが所々にある。トサカ状の岩の下で切る。
・3P/Ⅱ
トサカ状の岩を超えてから、急峻なリッジをトラバースしていく。この時、朝露で草が湿っていたため、滑らないように慎重に通過する必要がある。大同心ドーム下の終了点まで進む。

計画通り、ドームは登攀せずに小同心クラック取付きへ向かう。3P目終了点のバンドを大同心南稜取り付きに向かって下っていくと、南稜取付き付近で小同心方向へ向かう踏み跡がある。その踏み跡に沿って歩いていく。

小同心クラック
・1P/Ⅳ-
取付きから左上してチムニーへ向かい、チムニーを登っていく。チムニーまでは支点がほとんどないため、ピナクルにロープを引っかけるようにして登っていく。チムニーを少し登ったところにあるボルトでピッチを切る。
・2P/Ⅳ
チムニーの幅が狭くなるため、ザックが引っ掛からないように慎重に登る。とはいえ、持ちやすいホールドばかりのため、慎重に登っていけば問題はないだろう。エビの尻尾の赤ちゃんができていた。急なチムニーを超えたバンドの手前でピッチを切る。
・3P/Ⅲ
クラックを直上するか、右側の凹角を回り込む二通りあるが、今回はクラックを直上する。クラックを直上するとバンドに出る、バンドに出てからは最後にスラブ状のフェースを登って小同心の頭に出る。

小同心の頭に出てからは、賀来ヘッドコーチにアンザイレンで確保していただきながら進んでいく。11:55に横岳山頂へ到着する。他の登山者と談笑した後、下山を開始する。硫黄岳方面へ少し進んだところで大同心ルンゼ源頭があるため、そこから蛇行しながら下降していく。ところどころ急なクライムダウンがあるため、賀来ヘッドコーチに確保していただきながら進んでいく。14:00に赤岳鉱泉BCへ到着し、テントを撤収して出発する。16:05に赤岳山荘駐車場へ到着し、賀来ヘッドコーチに東京駅まで車で送っていただき山行終了とする。

ふりかえって
今回は賀来ヘッドコーチのおかげで、登攀対象をすべて登りきることができてよかった。その反面、ロープの送り出しが遅かったりと自分自身の練度の低さを痛感した。下界で練習を徹底的に行うとともに、定期的に山行経験を積んで少しでも練度を高めていきたい。

お忙しい中参加してくださった上に、何から何までしていただいた賀来ヘッドコーチに厚く御礼申し上げたいと思います。有難うございました。

(報告者:三橋壌二)

BCの赤岳鉱泉から、大同心と小同心を望む。

登攀日早朝、霧が濃く大同心が見えない

大同心南稜2P目終了点直下をフォローする三橋

画面中央左寄りに見えるのがトサカ状の岩、画面右上を占めているのが大同心ドーム

小同心クラック1P目をフォローする三橋

ステミングを駆使して小同心クラックを登る。

 

 

 

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