2023/11/2 八ヶ岳主峰赤岳山頂にて(左から三橋、田畑、星野、黒木)
山行報告書
目的 | 長期縦走経験を積む、歩行技術・秋山生活技術の向上 リーダーシップ・フォロワーシップの向上 |
---|---|
山域 | 八ヶ岳 蓼科山~美濃戸口 |
期間 | 令和5年10月29日(日)~令和5年11月3日(金)移動1日、実働5日 |
メンバー | 3年 CL三橋壌二 2年 田畑 天 1年 黒木佳太、星野伶旺 OB 國谷良介コーチ(11/1~11/3) 計5名 |
行動報告
10月29日(日) 移動日 晴れ 10℃
千石駅17:13~新宿駅(電車移動)18:00~茅野駅(タクシー移動)20:11~女神茶屋20:55
10/29入山の計画であったが、当日は悪天予報であったため、入山を翌日に延期した。部室へ集合し、部室の清掃を行ってから出発する。新宿駅18:00発の特急あずさに乗り茅野駅へ、茅野駅からタクシーで女神茶屋へ到着する。思いの外寒かったため、女神茶屋脇にテントを張らせていただいて就寝する。
10月30日(月) 入山日 晴れ -2℃
女神茶屋06:08~10:10蓼科山10:30~11:30蓼科山荘~13:00大河原峠~13:40双子山~14:25双子池ヒュッテCS1
05:00に起床して05:45発を目指すが、黒木、星野ともに動きが遅い。テントから出てもパッキングにもたつき、目標はおろか、06:00出発という行動計画にも遅れてしまう。気を引き締めなおして出発する。出だしは順調に進んでいくが、黒木が腹痛を訴える。一本がてら大キジに行かせる。大キジ後は痛みもなくなったとのことで先に進む。
月曜日ということで登山者は一人もおらず、秋の八ヶ岳を独り占めしながら登る。蓼科山頂への急登に入ると歩きにくい登山道となるが、一年生は頑張ってついてきていた。しかし、蓼科山頂手前まで登った段階で、星野がふくらはぎの筋疲労から遅れ始める。10:10に蓼科山頂へ到着し、記念撮影と星野の荷物の分配を済ませて10:30に出発する。
蓼科山荘までの下りでは、落ちてきた樹氷が積み重なって積雪のようになっていた。所々でクライムダウンをしながら、慎重に下っていく。13:00に大河原峠へ到着、一本がてら昨年度の春山合宿での思い出に耽る。双子山への登りでは星野は筋疲労で辛そうであったが、全員で鼓舞しながら登っていく。14:25双子池ヒュッテCS1到着。双子池ヒュッテでは、どこも携帯がつながらないようである。
10月31日(火) 晴れ -4℃
双子池ヒュッテCS1 05:05~06:00亀甲池~08:05北横岳~08:20北横岳ヒュッテ~09:15北横岳ロープウェイ山頂駅~10:15五辻~11:00狭霧苑地~11:50麦草峠~13:00丸山~13:25高見石小屋CS2
03:00食当、04:30出発としたが、またもパッキングに時間がかかり30分以上も遅れてしまった。次に何をするのかを考えながら行動できていない。05:05、何とか双子池を出発し亀甲池へと向かうが、笹薮や倒木があり登山道が明瞭でないうえに、日が昇っていないため周囲の地形もわかりにくくルートファインディングが難しい。皆で話し合いながら、ゆっくりと進んでいく。
06:00に亀甲池到着、亀甲池周辺の笹薮で野生動物の足音がしたが鹿であった。熊だったらひとたまりもないなと思いつつ、北横岳を登っていく。北横岳の登りは同じような景色が延々と続くため、実際以上に長く感じる。中々終わらない登りに苦しみつつも、注意喚起を盛んに行いながら進んでいく。北横岳山頂直下まで来ると、岩に霜が降りていて滑らないように三点支持を徹底する。08:05に北横岳山頂へ到着、風が強く寒いため記念撮影を手早く済ませて北横岳ヒュッテまで一気に進む。
09:15に北横岳ロープウェイ山頂駅に到着、五辻方面へ。五辻までは、基本的に木道が舗装されており歩きやすいが、木道がなくなると霜が融けたせいかぬかるみが多く転倒しないように慎重に歩く。五辻から狭霧苑地間では、登山道が不明瞭になる区間があるため道迷いしないように注意する。その後も問題なく進み、丸山の登りへと入る。丸山の登りでは、星野が筋疲労で遅れ始めるが、最後まで止まることなく頑張って歩いていた。13:25、高見石小屋CS2到着。
高見石小屋CS2到着後、時間があったためパッキング訓練を行ったところ、星野のチェーンスパイクがないことが発覚する。本人曰く、双子池ヒュッテCS1に忘れてきた可能性が高いとのことだった。賀来ヘッドコーチ、明日入山予定の國谷コーチと相談して、東天狗岳に積雪や氷があった場合は、黒百合ヒュッテで停滞して國谷コーチと合流する計画とした。
11月1日(水) 晴れ -5℃
高見石小屋CS2 05:00~06:30中山~09:45東天狗岳~11:05根石岳山荘~11:20箕冠山~12:10オーレン小屋~13:35赤岩の頭~15:15赤岳鉱泉~16:00行者小屋CS3
今日は03:00食当、05:00出発とし、何とか間に合わせることができた。忘れ物がないかテント周りを確認してから出発する。中山の登りでは、石に霜が付いているため、滑らないように慎重に通過していく。順調に進み中山展望台へと到着、中山展望台からはこれまで歩いてきた道のりを一望することができた。
08:00に中山峠へ到着、ヘルメット、ハーネス、目出帽、オーバー手袋を着用する。その際に星野の帽子がないことが発覚し、全員で探す。結局、テント本体の中にあり、1時間以上ロスしてしまった。撤収時に急がそうとして、私自身がテント本体を早くたたみすぎてしまったことが原因であった。気を取り直して東天狗岳を目指して出発する。中山峠で1時間ほどロスしたことで、石の霜が融けていた。全員で注意喚起を行いながら登り、09:45に東天狗岳山頂へ到着。一本と記念撮影を行い、出発する。
東天狗岳からの下りでは、鎖にFIXをしてクライムダウンで通過していく。鎖場通過後も危険なガレ場が続き、上級生がホールドをすべて指示して進む。その後も順調に歩いていき、12:10にオーレン小屋到着。赤岩の頭へ登り返していくと星野の足が上がらなくなってきたので、荷物を減らしトレッキングポールを使わせる。赤岩の頭で本日入山の國谷コーチと合流し、16:00に行者小屋へ到着。
11月2日(木) 周遊日 晴れ -3℃
行者小屋CS3 05:00~05:25赤岳鉱泉~06:55赤岩の頭~07:15硫黄岳~08:40奥ノ院~09:10三叉峰~11:15赤岳~13:10行者小屋CS3
本日はこれまでのコースタイムを考慮して、05:00発とする。アタック装備のため順調に進み、06:55赤岩の頭到着。目出帽を着用し、硫黄岳へと向かう。硫黄岳への登りでは風が強く、体が振られないように三点指示を行いながら進む。07:15硫黄岳到着、記念撮影だけ済ませて出発する。07:30に硫黄岳山荘到着、ヘルメット、ハーネスを着用する。
奥ノ院手前から続く鎖場や梯子は、三点指示、クライムダウンを駆使して慎重に通過する。一年生はクライムダウン時、壁に体が近づきすぎて、ホールドがあまり見えていないようであった。石尊峰から二十三夜峰までの鎖場や梯子は、鎖にFIXを行いながら通過する。所々、凍っている箇所があり、注意喚起を行って慎重に通過する。赤岳天望荘まで来ると稜線上ということもあり暑いので、レイヤリングを調整して赤岳へ登っていく。
赤岳への登りで星野が遅れ始めるが、落石を起こさないように集中して登っていた。11:15に赤岳山頂へ到着、一本と記念撮影を済ませて文三郎尾根から降りていく。落石を起こさないように注意喚起を密に行っていく。13:10行者小屋CS3到着。
休憩を挟んだ後、食当までの時間にFIX工作訓練を行う。一年生に送り出し、引き上げのビレイを行ってもらうが、未だにビレイの形を覚えていないようである。また、上級生自身も経験が少なく、実のある指導ができていない。國谷コーチに足りない部分を補ってもらいながら、訓練を行った。
11月3日(金) 下山日 晴れ -5℃
行者小屋CS3 07:00~08:55美濃戸山荘~09:40美濃戸口
05:30起床、06:30出発としたが、何度もパッキングをやり直したりしたことで30分も遅れてしまった。最終日だというのに間に合わせることができず残念である。07:00に行者小屋CS3出発。道中、今日が祝日ということもあり多くの登山者がおり、道を譲りあいながら進んでいく。09:40美濃戸口へ到着、これにて秋山合宿を終了とする。
ふりかえって
今回の合宿では、一年生の生活技術、歩行技術、体力の向上を図る目的で八ヶ岳北部を選定した。天候にも恵まれて何とか計画自体を完遂することができてよかった。しかし、体力不足はもちろんのこと、忘れ物や撤収遅れなど改善点は山のようにあり、今のままでは冬山に行けるかどうかすら危ぶまれる。また、生活技術や歩行技術にも大きな不安が残る結果となってしまった。初冬合宿までに、これまで以上にトレーニングに勤しみ、冬山に行けるだけの実力をまずは付けて行きたい。
末筆にはなりますが、お忙しい中参加してくださった國谷コーチに厚く御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
(報告者:三橋壌二)