6月5日〜6月11日【初夏合宿】北アルプス  穂高連峰 横尾(BC)

涸沢カールにて 6月7日 雪訓日1日目

山行報告書

目的 生活技術の向上
雪上歩行技術の向上
ロープワーク技術の向上
リーダーシップ・フォロワーシップの向上
山域 北アルプス 涸沢・蝶ヶ岳(横尾BC)
期間 令和5年6月5日(月)~令和5年6月11日(日)
移動1日、実働6日
メンバー 3年 CL三橋 壌二
2年 田畑 天
1年 曹 婉婷、鈴木大翔
OB  賀来素直HC(6/5~6/9)、國谷良介C(6/5~6/9)、宝迫哲史C(6/8~6/9)
村上洋道C(6/9~6/11)、大谷直弘監督(6/6~6/8)学生4名+OB5名 計9名

行動報告

6月5日(月)移動日 部室〜バスタ新宿〜松本駅

部室(東京文京区千石駅)17:43~バスタ新宿18:20~松本駅22:07

16:30に部室に集合し、装備の最終確認と部室の清掃を行う。17:30に部室を出発し、バスタ新宿から松本バスターミナル行きのバスに乗車する。
松本駅にて賀来コーチと合流する。

6月6日(火)入山日 曇り時々晴れ 20℃

松本駅06:05~07:15上高地バスターミナル07:30~9:10明神池~10:10徳沢園~11:30
横尾BC

 昨夜は蒸し暑く寝づらい夜だったが、一年生二人はよく眠れたとのことであった。朝食とパッキングを済ませて、上高地バスターミナルまでタクシーで移動する。上高地バスターミナルにて、大谷監督と國谷コーチと合流し、トイレと身支度を済ませ出発する。一年生のザックは20キロほど、初めて担ぐ重量に喘ぎながらも頑張って歩いていた。

横尾BCにてテントを設営し、少し休憩をした後、ロープワークとFIX通過訓練を行う。ロープワークにしろ、FIXにしろ、一つ一つの行為の意味を教え切れていなかったため、致命的なミスが何度か見受けられた。夏合宿に向けての改善点である。訓練後は、食当と天気図に分かれて上級生が1年生に教えながら行った。合宿最初の夕食はカレーライスである。
カレーライスはどこで食べても美味しい。反省会・スペシャル後、明日の行動に備え就寝する。

6月7日(水)訓練日 晴れ 13℃

横尾BC06:00~07:15本谷橋~10:00涸沢ヒュッテ~10:40涸沢カール(5・6コル直下)13:
10~13:30涸沢ヒュッテ~15:00本谷橋~横尾BC16:00

 朝の食当は一年生二人で行う。初めてではあったものの、なんとか出発時間には間に合った。昨日の疲れが残るなかでの出発となったが、一年生は軽快に歩けていた。Sガレ付近に来ると雪道が散見されるようになり、監督・コーチ協力の下で慎重に通過していく。その後は樹林帯を抜け、涸沢ヒュッテまで直登していくが、キックステップが決まらず時間がかかる。

涸沢ヒュッテで訓練装備に着替え、5・6コル直下、ブッシュのインゼル下の斜面へ移動する。まずは直登、直下降を行うが、踵が下がっていたり、腰が引けていたりとなかなか難しいようである。練習あるのみということで、何度も繰り返し雪面を耕していく。何度も繰り返して行くうちに、少しずつ形にはなってきていた。次に、トラバース歩行と斜歩行を行い、こちらも時間ギリギリまで繰り返し練習する。訓練終了後、集合写真を撮り帰幕する。

6月8日(木) 蝶ヶ岳アタック日 曇り 18℃

横尾BC 05:35~06:15槍見台~09:20 P2625~09:50蝶ヶ岳山頂10:20~10:50 P2625~12:45
槍見台~横尾BC 13:15

 朝の食当に手間取り、出発が5分遅れる。前日にできる準備をしていなかったり、ゆっくり朝食をとっていたりと、時間に間に合わせるという気がないのではないかと疑ってしまう。

蝶ヶ岳は登りが延々と続くため、ゆっくりと歩を進める。槍見台からは槍ヶ岳がよく見え、槍ヶ岳に憧れを抱く一年鈴木は嬉しそうであった。その後は単調な登りが続き、まだかまだかと思いながら登り続ける。やっとの思いで樹林帯を抜けると、穂高連峰や槍ヶ岳を望むことができた。山頂到着後、集合写真を撮り、地形図とそれら山々を照らし合わせる。30分
ほどで山頂を後にする。P2625を過ぎたあたりで本日入山の宝迫コーチと合流し、本日下山の大谷監督と別れる。良いペースで下っていき、横尾BCに到着。帰幕後は、昨日に引き続きFIXとロープワークの訓練を行った。

本日夜から明日午前にかけて雨とのことで、明日は停滞とする。

6月9日(金)停滞日 雨のち晴れ 23℃

朝起きるとテント内は浸水しており、水たまりができている部分もあった。雨が降ったり止んだりしていたため、テント内でロープワークを行った。そうこうしていると、雨が止んだので外に出てFIX、懸垂下降訓練を行う。訓練の成果もありFIX通過はできるようになってきた。

12:00に賀来コーチ、宝迫コーチ、國谷コーチが下山され、12:45に村上コーチが横尾に到着される。休養がてら、午後は乾かし物やトランプをして過ごす。

11日以降の悪天候から、明日が最後の訓練チャンスということで05:00発とする。また、反省会にて曹が左足の親指のしびれを訴える。とりあえずは安静にして、様子を見ることにする。

6月10日(土)涸沢 訓練日 晴れ時々曇り 15℃

横尾BC05:00~06:00本谷橋~08:55涸沢ヒュッテ~9:30涸沢カール(5・6コル直下)12:
40~13:15涸沢ヒュッテ~14:30本谷橋~横尾BC15:20

 一年生が朝の食当にも慣れてきたのか、出発時間に間に合うことができた。曹の足の痺れに関しては緩和しているとのことで、全員で涸沢ヒュッテに行くことにする。昨日に休養したことで、皆、元気が有り余っている。09:00前に涸沢ヒュッテに到着し、トイレと身支度を済ませる。

今回も前回と同じく、5・6コル直下のインゼル下の斜面で歩行訓練を行う。まずは、直登、直下降、クライムダウンから行う。直登で斜面上部まで登り、急傾斜の上部ではクライムダウンを、下部では直下降を行う。やはり、直下降では腰が引けてしまい何度も転倒するが、それはそれで初期制動の練習になるため一石二鳥である。一時間ほど繰り返した後、滑落停止訓練に移る。二人とも滑落停止は非常に上手であったので、再度、直登、直下降を行う。最後に、ダイヤモンド歩行訓練を行い、訓練終了とする。帰幕途中、他の登山者から熊が出たとの情報をいただいたので、村上コーチに先導してもらいながら慎重に下山する。そのおかげで、熊に遭遇することなく帰幕する。

明日以降の悪天候で沢が増水することを考慮して、明日の下山を決定する。

6月11日(日) 下山日 雨 11℃

横尾BC 07:00~08:00徳沢園~08:50明神池~09:50上高地バスターミナル

 午後から雨予報ということで、07:00に横尾BCを出発する。しかし、予報に反して雨が降り始め、雨の中での行軍となる。低体温症に気を付けながら進み、3時間弱で上高地バスターミナルへ到着。これにて合宿終了とした。

ふりかえって

今合宿は、自分たちの力不足を再認識させられる合宿であった。上級生のマネジメント不足や下級生の体力不足により、思うように訓練を行うことができなかった。夏合宿に向けて、体力錬成や多くの個人山行を積んで、改善していく必要がある。とはいえ、音を上げずについてきてくれた一年生二人には、強く感謝したい。

(報告者:三橋壌二)

 

6月6日 上高地河童橋前にて~これから入山開始です

6月6日 横尾BCにて午後よりロープワークの予備練習

前穂、吊り尾根が見えてくる

6月7日~いざ涸沢へ!

涸沢ヒュッテから訓練場の前穂Ⅴ・Ⅵ峰コルの下へ

訓練場に到着

雪訓~全てはバケツ堀りからスタート

楽しい直登・直下降訓練

6月8日 蝶ヶ岳往復~山頂にて

1年生コンビ(左:曹、右:鈴木)

6月10日 再び涸沢を目指す~雪訓2日目

滑落停止訓練

直登、直下降を繰り返す1年生曹

直下降の練習をする1年生鈴木

斜登行、斜下降を繰り返す~スノバーを目印にダイヤモンド状に回り続ける

横尾BC~前穂と屏風の頭

6月11日 上高地へ下山!~1週間の合宿が終わる

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