11月1日 赤石岳頂上にて
山行報告書
日本大学山岳部
目的 | 冬山合宿へ向けた偵察、メンバーシップ・リーダーシップの向上 生活技術の確立 |
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山域 | 南アルプス 荒川岳~赤石岳 |
日程 | 平成30年10月26日(金)~平成30年11月2日(金) 移動1日、実働5日、停滞2日 |
メンバー | 4年 CL國谷良介、SL高橋佑太 3年 新保裕也、田邊カレン、福島端流 2年 氏神拓真、野上博史、原島千尋、前田雄飛、山田哲平 1年 喜多嶋拓海、安田光助 計12名 |
行動報告
10月26日(金)移動日
新宿~松川IC~鳥倉ゲート
バス3台に分乗して松川ICへ出発する。松川ICからはタクシーで鳥倉ゲートへ向かう。ゲート脇の駐車スペースに天幕を設営した。小雨が降ってきた、明日の天気が気にかかる
10月27日(土)入山日 雨/くもり 10℃
鳥倉ゲート08:10~09:05鳥倉登山口~13:35三伏峠CS1
計画通り6時に起床したが雨が強い為、少し様子を見る。しばらくすると弱まったので計画より約1時間遅れで出発。小雨が降ったり止んだりのパッとしない天気の中、登山口からの樹林帯を登る。天幕地の水場が使用できない可能性を考慮して、余分に水を担いでいるためザックは重いが、皆よく頑張って歩いていた。
三伏峠小屋に到着しテント設営後、時間があったので1年のアイゼン着脱練習を行った。夏の水場は使えず、さらに沢を下った流水から汲んだ。
10月28日(日) 晴れ −1℃
三伏峠CS1 05:05~06:10烏帽子岳~07:45小河内岳避難小屋~12:30高山裏避難小屋CS2
かなり冷え込んでいるが、星が良く見え晴れている。烏帽子岳手前で稜線に上がると朝日とともに富士山がきれいに見えた。稜線上は風が強く冷たい。先に見える荒川岳には雪が付いている。
小河内岳避難小屋で休憩後30分程歩いたところで、原島がクライムダウン中にバランスを崩し3m程転がり落ちる。幸い太腿の打撲のみで何とか歩けそうなので、荷物を減らして先へ進む。板屋岳過ぎのガレの縁は崩落が進み、危険そうだったため縁から少し離れて東側に樹林帯の中を歩いた。
この日は荒川小屋を目指す計画であったが、このペースだと日没してしまいそうなので高山裏避難小屋で天幕する。原島の太腿を冷やし、湿布を貼って様子を見る。水場は、一昨年来た際に汲んだ場所は涸れていたが、さらに5分程下ると流れている水場があった。
10月29日(月) くもり −2℃
高山裏避難小屋CS2 06:15~10:45前岳~11:05中岳避難小屋11:35~12:30悪沢岳~15:30荒川小屋CS3
1年がパッキングに手間取り出発が15分遅れる。出発してからしばらくは樹林帯が続く。原島の足は昨日より痛みは引いたようだ。途中、鎖が垂れている2m程の岩場が出てくるが、凍結箇所に注意しながら問題なく通過する。樹林帯を抜けると荒川岳の稜線まできつい登りとなる。2,700m付近から先週降った雪がまだ残っていた。
前岳までの稜線は切れており、ここも所々雪が付いている。アイゼンを着けるほどではなかったが、風も強いのでバランスを崩さないよう慎重に進む。風が強くガスが濃い為しばし中岳避難小屋で待機してから、不要な装備をデポして悪沢岳にアタックする。ガスが切れると山頂までに登山道が見え、雪が付いておらず一安心した。
雪が残っているのは主に北側だけのようだ。山頂では晴れて、富士山がきれいに見えていた。強風の中慎重に下り、荒川小屋に天幕する。 荒川小屋の水場は流れていなかったが、水場から少し下ると沢が流れていた。
10月30日(火)停滞日 晴れ −3℃
計画通り出発したが、樹林帯を抜けると強風にさらされる。立っているのがやっとで、まともに前に進めない。この風の中赤岳に向かうのは危険と判断し、30分程歩いたところで荒川小屋に引き返して停滞とする。設営場所はそこまで風が強くなく天気も良いので、設営撤収訓練を何度か行ってからテント内で体を休める。
10月31日(水)停滞日 晴れ 0℃
昨日並みの強風になる予報の為、停滞とする。朝、設営撤収訓練を行った。
11月1日(木) 晴れ −1℃
荒川小屋CS3 05:00~07:05小赤石岳~07:40赤石岳~10:20赤石小屋CS4
この日も大聖寺平まで風が強いが、一昨日と比べるとかなり弱い。赤石岳までは所々雪が付いていたがアイゼンを着けるほどではない。赤石岳で写真を撮り、赤石小屋へ下る。東尾根に入ると風が止み、汗ばんでくる。木の橋が数か所出てきたが、凍結なども無く歩きやすい。 早めに赤石小屋に到着し、設営する。水場は小屋から遠いが、流れていた。
11月2日(金)下山日 晴れ −5℃
赤石小屋CS4 05:20~09:40椹島~14:30沼平ゲート
パッキングに手間取り出発が遅れる。天気が良く紅葉が綺麗。椹島からは長い林道歩きに入る。靴擦れに苦しむ者もいるが沼平ゲートまで辿り着いた。沼平は電波が入らず、さらに下った白樺荘で電話をお借りしてタクシーを呼んだ。
ふりかえって
当初は茶臼岳までの縦走計画であったが、直前に茶臼岳、聖岳登山道が台風24号の影響で吊り橋が流出し通行不可能との情報が入った為、椹島下山に短縮された。今合宿も1年が2名だけの参加となり毎合宿全員揃わず、なかなか足並み揃えてレベルアップができていない。一先ず今回の参加者は積雪期を前に課題を見つけることができた。次回初冬合宿に向けて、今回参加できなかった者も含めて下界でできることはすべて潰し、万全の状態で合宿に臨んで欲しい。
(報告者:國谷良介)