12月31日 小河内岳頂上にて
山行報告書
日本大学山岳部
目的 | 積雪期の縦走経験を積む |
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山域 | 南アルプス |
日程 | 平成30年12月27日(木)~平成31年1月3日(木) 移動1日、実働6日、停滞1日 |
メンバー | 4年 CL國谷良介、SL髙橋佑太 3年 川村洸斗、近藤歩、新保裕也、田邊カレン、福島端流 2年 氏神拓真、野上博史、原島千尋、村上洋道、山田哲平 1年 川田真人、山崎颯太 計14名 |
行動報告
12月27日(木)移動日
新宿(高速バス)~松川IC(タクシー)~冬期ゲート
冬季ゲートを入って5分程歩いたところに天幕。林道に積雪は無い。
12月28日(金)入山日 晴れ −5℃
冬期ゲート07:00~09:35鳥倉登山口CS1
計画通り7時に出発。林道の積雪はほぼ無く数か所路面凍結しているのみで、計画よりも早く登山口に着いたが予定通り天幕。登山口も日陰にわずかに雪が残っているだけで積雪は無い。10時15分からアイゼン・ワカンの着脱訓練、登山道の木を使ってFIX訓練、懸垂下降の手順の確認を計2時間半程行った。
12月29日(土) 晴れ −11℃
鳥倉登山口CS1 06:10~11:50三伏峠CS2
1,2年にスパッツを着用していない者がおり出発が遅れる。登山道の積雪は少ないが凍結箇所が多いので滑らないよう注意しながら歩く。豊口山間のコルでアイゼンを装着。登るにつれ積雪が増え、歩きやすくなってきた。 三伏峠小屋のテン場は風もなく広く快適。積雪は55cm。
12月30日(日) 晴れ −19℃
三伏峠CS2 05:15~07:40烏帽子岳~09:45前小河内岳~11:00小河内岳避難小屋CS3
撤収、パッキングの手際が悪く出発が遅れる。烏帽子岳までは薄くトレースが残っていた。烏帽子岳手前の一本でヘルメットの装着とレイヤリング調整に手間取り大幅に時間を食う。さらに登りに入ると1年生の川田が遅れがちでなかなかペースが上がらない。
稜線に出てもクラストして歩きやすいのは一部だけで、ほとんどはハイマツの上に少しだけ積もった雪でズボズボはまり思うように進めない。前小河内手前で2年生の山田が左腕の感覚が鈍く力が入らないとの報告を受ける。ザックによる血行不良を疑い小河内岳避難小屋でザックを降ろし、体が冷えている様子もあったので加温しながら安静にする。
ここまでもペース的にも予定の高山裏避難小屋は厳しいので小河内岳避難小屋に宿泊する。山田は就寝までには少し回復したようだった。小河内岳避難小屋の積雪は40cm。
12月31日(月) 晴れ −12℃
小河内岳避難小屋CS3 06:30~06:40小河内岳~13:00板屋岳~14:45高山裏避難小屋CS4
日の出に合わせて6時30分に出発する。山田の左腕は完治していないようだが、装備を減らして様子を見ながら進む。小河内岳の下りは所々岩が出ており注意しながら歩く。樹林帯からはワカンに履き替える。深い所で腰程度のラッセルで時間が掛かった。行動中に山田の左腕が再び悪化してきた。
高山裏避難小屋のテン場は樹林帯の中で風は無い。積雪は40cm。紅白を聴きながら蕎麦を食べて年末を味わう。 明日は午後から風が強くなる予報の為、停滞とする。停滞で山田の回復具合を見て進退を決めることにする。
1月1日(火)停滞日 晴れ −9℃
山田以外は7時30分からFIX訓練を行う。主に木を支点に1,2年メインで5ピッチ行い、1年生もスムーズに通過できるようになっていた。訓練後は餅を食べて寝正月となる。山田は丸一日安静にしていたがまだ左腕の痺れが取れず力も入らない。この状態のまま荒川岳、赤石岳の通過は危険と判断し、三伏峠に引き返し下山を決める。
1月2日(水) くもり −7℃
高山裏避難小屋CS4 05:00~10:25小河内岳~14:00三伏峠CS5
朝食を10分早めてギリギリ出発が間に合う。朝方は風が強そうな音が聞こえていたが、序盤は樹林帯なので影響はない。風は徐々に弱まった。トレースが残っており快調に進んでいたが、小河内岳の登りに入ると川田が遅れ始める。
烏帽子岳手前で村上が強い頭痛を訴える。ツェルトを被り大休止をとり回復を待つ。歩けるまで回復したら装備を減らし三伏峠まで進み天幕を張る。昨晩雪が降り積雪が数cmだけ増えていた。
1月3日(木)下山日 晴れ −8℃
三伏峠CS5 05:00~07:00鳥倉登山口~09:20冬季ゲート
締まった雪でトレースもしっかりしておりハイペースで下る。登山口からの林道に1年部員は辛そうだが、あっという間に冬季ゲートに着きタクシーに乗り込む。
ふりかえって
山田のザック麻痺を除いても、体力・歩行技術不足や撤収、一本時の出発遅れなど見過ごせない問題は多々あった。天候にもかなり恵まれた今合宿でこの状況ではこの先が思いやられる。春山合宿に向けて歩き込む為の縦走計画であったが、思うような成果は得られなかった。もう2月合宿にかけるしかない。
(報告者:國谷良介)