八方尾根 扇雪渓にて
山行報告書
目的 | ボディビレイ、FIX工作・通過技術の向上 雪上歩行技術の向上 リーダーシップ・フォロワーシップの向上 |
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山域 | 北アルプス北部 扇雪渓 |
期間 | 令和5年5月2日(火)~令和5年5月5日(金) 移動1日、実働3日 |
メンバー | 4年 角野 将也 3年 CL三橋 壌二 2年 田畑 天 OB 國谷良介コーチ、村上洋道コーチ(5/4~5/5) 学生3名+OB2名 計5名 |
行動報告
5月2日(火)移動日 部室〜バスタ新宿〜白馬八方バスターミナル
部室(千石駅)14:13~バスタ新宿15:05~白馬八方バスターミナル20:18
13:00に部室に集合し、装備の最終確認と部室の清掃を行う。14:00に部室を出発し、バスタ新宿から白馬八方行きのバスに乗車する。
白馬八方バスターミナルにて國谷コーチと合流後、明日の準備を済ませてバスターミナル前で泊まらせていただく。
5月3日(水)入山日 晴れ10℃ 積雪40㎝
白馬八方バスターミナル06:30~07:00八方尾根スキー場ゴンドラ乗り場08:00~8:30八方池山荘8:40~10:10八方池~11:30扇雪渓BC~13:00扇雪渓(雪上訓練)15:00
ゴンドラ乗り場に7時に到着する。ゴンドラ乗り場にはすでに10人ほど並んでおり、操業開始時には50人ほどの列ができていた。ゴンドラのおかげで30分ほどで八方池山荘に到着し、10分で身支度を済ませて出発する。
八方池山荘付近はすでに雪がなくなっていたこともあり、皆、問題なく歩けていた。村営トイレ以降から雪が散見されるようになり、下樺分岐まで来ると完全に雪道となる。全体的に雪が腐っておいるため、しっかりとキックステップを決めて通過する。11時半に扇雪渓に到着、雪渓にはまだまだ雪が残っていた。
到着後すぐにテント設営を開始するが、風防ブロック作りに時間がかかってしまい13時に設営が終了する。レーションと水分を補給した後、雪上訓練を開始する。復習の意味を込めて、直登・直下降から行うことにした。角野は直下降が苦手なようで、半ば滑落停止訓練気味であった。その後は、トラバース、斜歩行、ダイヤモンド歩行を行い、訓練終了とする。
この日の夜、角野が二日目以降の全てのレーションを部室に忘れたことが発覚する。下山かと思われたが、翌日入山予定の村上コーチがレーションを買ってきていただけることになり、何とか下山は免れた。
5月4日(木) 5月4日(木)雪上訓練 晴れ 15℃
扇雪渓BC05:20~05:30扇雪渓(雪上訓練)15:40
訓練開始は5時であったが、部員3人で食当を行ったため5時半から訓練を開始する。5時半だというのに太陽が出ており、夏の訪れを感じる。本日も直登・直下降から始める。早朝ということもあり雪が固まっており、しっかりとキックステップを決めなければ転倒してしまう。とても良い練習になった。2 時間ほど直登・直下降の練習を行ったところで、雪が腐り始める前に滑落停止訓練を行う。夏合宿以降、滑落停止をする機会はなかったものの、皆よくできていた。
次に、肩がらみと腰がらみの練習を行う。全員、ロープの掛け替えは問題ないが、クライマー滑落時にロープを流すことができず、ガッツンビレイのようになってしまっていた。國谷コーチに細かく指導していただき、2時間ほどして何とか形にすることができた。そこで、腰がらみの練習を行うことにした。腰がらみをするのは初めてであったが、肩がらみよ
りもやりやすいためか、すぐに形にすることができた。
最後に、FIX工作・通過訓練を行った。FIX工作を三橋、田畑が行い、角野が通過するという形で練習をする。35mを15分で3人通過という目標のもと練習を開始するが、支点構築や通過に手間取り、全員が通過し終わるまでに1時間以上かかってしまう。全員、FIXの手順が曖昧であり、考えながら工作なり通過をしてしまっていることが原因であり、下界での練習不足を痛感する。その後、12時ごろに村上コーチがBCに到着したことで、マンツーマンの状態でFIX訓練を行う。そのおかげで通過の時間は速くなったものの、何度もスノーバーを埋めなおしたりと支点構築の時間が縮まらないまま訓練終了となる。
明後日より天気が悪化する予報のため、明日は雪上訓練を行ってから下山することに決定する。
5月5日(火)下山日 晴れ 17℃
扇雪渓BC5:10 ~扇雪渓(雪上訓練)~05:40扇雪渓12:40~14:00八方池~14:40八方池山荘~15:40白馬八方バスターミナル
下山予定時間直前まで訓練を行うために先にテントの撤収を行い、5時過ぎに訓練を開始する。本日はFIX訓練から開始する。1本目を張るが、途中支点のスノーバーが抜けてしまうなどのミスが重なり1時間以上かかってしまう。その後も2本目3本目と何度も繰り返し、通過待ちの部員は歩行練習をしたりと一分一秒を惜しんで訓練を行う。
次に、國谷コーチと村上コーチを合わせた5人でのFIX訓練を行う。60mを5人で40分で通過することを目標に据え、訓練を行う。何度もFIXを張り続けたことが功を奏したのか、1本目は45分で通過することができた。しかし、その後はインクノットの解除忘れなどのミスが重なるなどの、思うような結果を出すことができなかった。最後に、ロープを2本使ってFIXを2ピッチ連続で張る練習を行い、下山予定時刻となる。
12時半過ぎに扇雪渓BCを出発する。八方池山荘にて、地震でリフトが一時止まるアクシデントに見舞われるが、その後は何事もなく白馬八方バスターミナルに下山する。
ふりかえって
今合宿では、装備忘れを筆頭にミスが重なり、私のリーダーとして未熟さを強く感じた合宿であった。ミスの原因を部員間で共有し、二度と起こさないように改善していく必要がある。その反面、雪上訓練では國谷コーチと村上コーチの尽力もあり、一定の成果を挙げることができたのではないだろうか。これからも訓練を重ね、目標とする春山合宿での八ヶ岳全山縦走に少しでも近づきたい。
末筆にはなりますが、お忙しい中合宿に参加してくださった國谷コーチ、村上コーチには御礼申し上げます。また、自分たちのレーションを持ってきてくださった村上コーチには、重ねて御礼申し上げます。
(報告者:三橋壌二)