GW合宿報告書
日本大学山岳部
山域 | 北アルプス 槍ヶ岳 |
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期間 | 平成23年4月29日(金)~5月5日(木) |
メンバー | 4年 CL高木大地 3年 SL飯田祐一郎 2年 関洸哉 |
4月30日(土)曇りのち雨
信濃大町駅~高瀬ダム~湯俣温泉晴嵐荘CS1
今回はタクシーで高瀬ダムまで行けた。林道終点の広場に着く頃に小雨が降ってきた。そこから少し行くと避難小屋がある。湯俣までの道は整備されていて歩きやすい。湯俣山荘はあまり広くないので、晴嵐荘にテントを張ることにした。夜から雨が本格的に降ってきた。
5月1日(日)雨
停滞
5月2日(月)晴れ
湯俣温泉晴嵐荘CS1~(水俣川遡行)~中東沢~P2尾根取付手前CS2
前日からの雨も止み、川の水位も低くなっているので行動する。出合からは赤いつり橋を渡り左岸を高巻く。高巻きの出だしはFIXロープがあるが足場が悪い。一旦、河原に下りまた高巻く。第一徒渉ポイントには倒木がありその上を渡れるが危険。無難に徒渉した方が良い。徒渉を終え、少し歩くと中東沢に着く。中東沢出合は広いだけでなく、小高くなっているので天場に使える。中東沢から2回徒渉し、左岸を高巻く。河原に下りてそのまま左岸を行く。水際にFIXロープがありトラバースする箇所は危険なため高巻いた。河原まではロープを出し懸垂で下降する。開けた河原を歩き、ワイヤーを目印に右岸に徒渉する。そこから天上沢側を高巻く。この日はP2尾根取付手前で行動を終了した。
5月3日(火)曇りのち雪
P2尾根取付手前CS2~P2~P3~P4CS3
朝一で徒渉し、P2尾根に取付く。取付き地点には慰霊碑があり目印になる。登り始めから傾斜は急であり結構つらい。木登り部分はロープを2ピッチ出した。木登りというか木の根っこを掴みながらの登攀であった。P2の肩から雪が出はじめるが腐っていて歩きにくい。P2からは灌木が多いヤセ尾根になる。P3のルンゼは中央を登るが最後の一手は木を掴みながら登った。P3を越えたところにある岩稜帯は脆いので落石に注意しながら行く。ここから先の稜線には天上沢側に雪庇が発達しているので注意する。P4でテントを張った。
5月4日(水)晴れ
P4CS3~P3~P2~P2尾根取付手前CS4
この日はP8・9のコルに向かわずに、同ルート下降することにした。朝で雪が締まっているのであまり埋まることなく下降できる。岩稜帯はロープで確保し、一人ずつクライムダウンする。P3のルンゼは木で支点をつくり懸垂下降をした。P2までのヤセ尾根の下降はFIXしたが木が多いため下りづらく、時間がかかった。P2からは何度も懸垂下降をした。
この日は2日にテントを張った所で行動を終了。
5月5日(木)晴れ
P2尾根取付手前CS4~中東沢~湯俣山荘~高瀬ダム
CS4から千天出合先の開けた河原までは高巻いた。そこから先は高巻かず、徒渉をしながら湯俣まで向かい下山した。
総括
今回は冬の偵察のための合宿であったが、敗退という結果になってしまった。P4から見たP5の登りが厳しそうだということで引き返して来た。実際にP5まで行かず、その判断をしたのはP4までのルートが想像以上に難しかったためである。決して、北鎌尾根を甘く見ていた訳ではない。北鎌尾根に挑むための力量が不足しているということを感じた。
まず、体力をさらにつける必要がある。尾根のアップダウンが激しいこと、ヤセ尾根が続き緊張する場面が続く中で冷静な判断をしなければいけない事を考えればまだまだ体力が足りない。2つ目はロープワークを正確に早く出来るようにしなければならない。去年はロープを使う山行をあまりしてこなかったので、今年は個人山行でも岩場や沢に多く行くことでロープワークに重きを置き、支点の構築から回収までの一連の動きをスムーズに出来るようにしたい。
今回敗退したが、P2尾根取付きまでのアプローチの悪さ(徒渉が多い)を体験したこと、P4までのルートが分かったことはいい収穫になったと思う。体力をつけ、技術を向上させて冬に北鎌を目指したい。