↑ 初夏の涸沢天幕場には我々だけ
2011年初夏合宿報告書
日本大学山岳部
場所 | 北アルプス |
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期間 | 平成23年度6月18日(土)~6月23日(木) |
メンバー | 3年L飯田祐一郎 2年関洸哉・横山裕 |
行動
6月18日(土)移動日 雨
部室~23:00新宿発上高地行(さわやか信州号)乗車
山手線が点検のために止まっており、バスの集合時間ギリギリに着いた。無事にバスに乗り込む事ができ、上高地へ向け移動開始。
6月19日(日)入山日 ガス
05:55上高地バスターミナル~06:33明神館~07:32徳沢園~08:38横尾~09:54本谷橋~12:10涸沢ヒュッテBC
朝の上高地はガスっている。山の方は雨が降っているようだ。順調なペースで涸沢ヒュッテまで向かう。横尾~ヒュッテまでの途中で10パーティーくらいとすれ違った。ヒュッテに到着。天候が思わしくないので、偵察は明日の雪訓にて行うことにする。
6月20日(月)雪訓 晴れのち雨
06:00BC~07:005・6のコル雪訓開始~10:00搬出訓練開始~11:00BC~12:00FiX開始~14:30BC
朝から最高の雪訓日よりとなる。5・6のコルまでは思っていたより近いようだ。計画書通りに歩行・ロープワーク訓練を行う。二年の二人はビレイの掛け替えをすっかり忘れてしまっている。これからの課題が残った。10:00から搬出訓練を行い、BCに向かう。途中大谷監督と合流し、しばし談笑する。BCに到着後、しばらく休憩したのちヒュッテ近くの斜面にてFiX訓練開始。途中から雨が降ってくる。どんどん強くなってきたのでキリの良い所でBCへと戻る。
夜は激しい雨と風に見舞われ、テントが押しつぶされるほどであった。明日は、04:30の時点で天候が回復しない場合は登攀をあきらめ、09:00までに天候が回復すれば奥穂にアタックする。という計画をたてた。
6月21日(火)雨
停滞
昨夜からの強い雨と強風が09:00になってもやまないので、停滞を決める。ここで大谷監督が下山なされた。
お昼頃に一度天候が回復したが、午後からはまた暴風雨となる。明日も昨日たてた計画でいく事にする。深夜に起きてみると強風で装備テントが破けてしまっていた。
6月22日(水)強風のち雨
04:15BC発~05:185・6コル着06:105・6コル発~06:505峰着~07:205・4のコル着~10:404峰着~11:304峰発~11:403・4のコル着~12:003・4のコル発~13:06チムニー下部着~14:303・4のコル着~15:00BC
雨はやんだが、風は依然強い。03:00頃から若干風が弱まる。とりあえず5・6のコルまで行く事にする。5・6のコルについてみるとやはり風が強い。ときどき体がとばされそうになる。少し様子を見る事にする。若干風が弱まってきたので行動開始する。とりあえずは5峰の頭まで目指す。頭に着く頃には大分風は落ち着いたが、やはり時折強い風が吹く為、慎重に登る。4・5のコルからロープを使い登る。4峰の頭に着いた時にはリミットを過ぎていたが、このまま計画を遂行しても帰幕出来ない時間ではなかったので、本多コーチに相談をする。相談の結果、3峰を1ピッチほど登ってから折り返し下降して3・4のコルより下山という計画で落ち着いた。3・4のコルで休憩をしたのち登攀を開始する。14:30までに3・4のコルに戻ってこられる所まで行く事にする。
いざ登攀を開始してみると、思っていたよりも楽に登れた。チムニー下部までロープを50メートルフルに使い1ピッチFixを作る。横山に関のビレイをさせている間に飯田がもう少し先まで偵察する。チムニーは簡単に超えられそうだった。下部から5メートルほど下った場所から懸垂下降する。3・4のコルからはグリセードの練習もかねての下山。夜からは今までよりもさらに強い暴風雨となった。
6月23日(木)
06;20BC~10:50上高地
激しい雨の中での下山となった。BC~横尾までは稜線から流れてくる水により、登山道は沢下りのようだった。
総括
今回の初夏合宿は一年生不在という残念な形ではあったが、上級生はいろいろなものを得た合宿になったと思う。結果的には前穂の頂を踏むことは出来なかったが、それでも自分達の登攀能力を確かめる事ができた。実際に、2パーティーでスタカットを行っていればリミットに引っかかる事なく登れていたと思う。ただ、今後は3人で登攀する機会が増える事は確実であるため、今は、3人での登攀をどれだけスムーズに早く正確に行えるかを突き詰めていきたい。これが今後に向けてのおおきな課題である。
今回、北尾根登攀中みなが口を揃えて言っていたのが、「面白い!!」「ロープを使う登山がこんなに面白かったのか!!」このような事を言っていた。今回各々の心に出来たクライミングの波を消さないように、積極的にロープを使う登山を行っていきたい。