12月5日~12月10日【初冬合宿】北アルプス 白馬八方尾根

BCにて全員集合

2017年度 初冬合宿山行報告書

日本大学山岳部

目的 生活技術の確立、歩行・雪上技術の向上、ビーコン操作訓練、リーダーシップ・メンバーシップの向上
山域 北アルプス北部 白馬八方尾根(第2ケルンBC)
日程 平成29年12月5日(火)~平成29年12月10日(日)
移動1日、実働5日
メンバー 4年 CL高根澤亮太、SL岡本碩士(7日下山)
3年 國谷良介、髙橋佑太
2年 川村洸斗、近藤歩、新保裕也、田邉カレン、福島端流
1年 氏神拓真、野上博史、原島千尋、藤本武流、前田雄飛、三丸隼、村上洋道、山田哲平、渡辺悠介
計13名
OB参加 賀来素直コーチ(8日~10日)
計19名

行動報告

12月5日(火)

バスタ新宿09:35(先発隊出発)~23:20白馬八方バスターミナル(後発隊到着)

18名の参加部員がスムースに移動できるように3隊に別れて新宿を出発する。八方バスターミナルにテントを張らせて頂き就寝するが、バスターミナルでは終始雪が降り続いていた。

12月6日(水)入山日 曇り後雪 -5℃

白馬八方バスターミナル07:30〜八方駅08:45〜(ゴンドラ移動)〜うさぎ平09:05〜黒菱平11:15〜八方池山荘12:40〜第2ケルン下部14:20 BC

テントを素早く撤収し、八方駅に向かう。駅にはゴンドラの乗車券を求める人が続々と集まってきた。我々以外に登山者はいないようだ。はじめて登りでゴンドラを使ったが、非常に快適であった。たったの8分でうさぎ平に到着した。うさぎ平からは圧雪されたスキー場の斜面を登る。登りはじめて早々に藤本がバテ始める。はじめての雪歩きに手こずっているようだ。1年生たちは先輩達に叱咤激励されながらもくもくと登る。

黒菱平からは膝ラッセル。トップを早めに交代しながら登る。八方池山荘に到着すると、視界が悪くなった。高根澤と高橋、川村と福島、國谷と近藤が二人一組でラッセルを行う。非常にいいペースで進むことができた。雪が柔らかく、風防ブロックが作れないため、雪面を掘って整地を行う。V8を2張り、ベーシックを1張り分のスペースを確保するのにかなり時間がかかった。就寝前、空に星が輝いていた。

第2ケルンのBCを目指して登る

12月7日(木)晴れ -10℃

BC 06:20〜雪訓開始06:50〜12:30雪訓終了〜13:00BC

1年生が準備に手間取り、出発が大幅に遅れる。指導不足の2年生にも喝を入れ、BCから南に200メートルほど進んだ斜面で雪訓を開始する。直登直下降と言うよりかは、ほぼラッセル訓練であった。その後、ビーコン捜索訓練に移る。はじめのうちは右往左往していた1年生も、何度か繰り返すうちにコツをつかんでいたようだ。最後にFIX訓練を行う。1,2年生全員が2ピッチを通過するのに三時間近くかかってしまった。雪が柔らかく支点構築に時間がかかってしまっていたが、ザイルの準備や支点の回収など、素早く行えば更に時間短縮できるはずだ。昼過ぎに訓練を終え、BCにもどる。岡本は13:00に下山を開始した。

雪上訓練1日目:夜明けから訓練が始まる。

12月8日(金)雪 -8℃

BC 06:40〜雪訓開始07:05〜12:20雪訓終了〜12:40BC

出発を30分遅らせ、日の出を待ってから出発する。昨日と同様、歩行訓練から行う。雪崩訓練は昨日よりも大分スムーズに行えていた。雪崩訓練後、埋没訓練を数名行った。10センチほどしか埋めなかったが、皆口を揃えて怖かったとのこと。雪崩の怖さを分かってもらえたと思う。最後に2班に別れてFIX訓練を行った。1年生はFIXを通過する能力はついたものの、インクノットや支点の回収が遅かった。昼頃訓練を終えて、夜からの悪天に備えてテント周りを再整備する。13時過ぎに、賀来コーチもBCに到着し合流する。

12月9日(土)晴れ -11℃

BC 07:00〜雪訓開始07:25〜09:45雪訓終了〜10:10 BC

3時にテントの圧迫感で目が覚める。すぐさま2年以上がテントの外に出て雪掻きを行う。幸いテントに異常はなかった。今日は昼頃から悪天が予想されたため、唐松アタックをせずに雪訓を行う。野上の下山も延期し、明日全員で下山することにした。昼前までは風も弱く、日も出ていたのでFIX訓練を行った。昼前に訓練を終了し、悪天に備えてテント周りを整備する。夕方から風がかなり強くなった。

八方尾根BC上部から望む鹿島槍(2889m)と五竜(2814m)

12月10日(日)晴れ -9℃

07:15雪訓開始(BC附近)~11:15雪訓終了〜12:35下山開始〜12:45白馬八方バスターミナル

昨日までの強風は嘘のように治まり、雲ひとつない晴天である。鹿島槍や五竜、白馬まで綺麗に見渡せる。今日はツェルト搬送と背負い搬送を行った。BCの横でツェルトでの梱包のやり方を全員に教え、その後2年生が主体となり、全員で声を掛け合いながら要救助者の3年生二人を搬送する。背負い搬送では、足を雪にとられながらも必死に斜面を登っていた。11時前に訓練を終え、下山を開始する。リフトとゴンドラを乗り継ぎ、白馬八方バスターミナルに到着する。バスが満席だったため、松本経由で帰京した。

総括

今まで経験した初冬合宿の中で一番の積雪量であった。ラッセルに始まり、悪天の中でのテント生活や訓練。1年生はよい経験になったと思う。訓練に関しても、やるべきことはやれた。あとは、冬合宿当日を待つだけだ。

(報告者:高根澤亮太)

2017年 初冬合宿(準備会~合宿まで)

初冬合宿準備会~11月23日 部室にて:冬山の気象講義会(担当は2年生田邊カレン)

12月6日 入山日~いよいよ入山です。

降雪に備える~手前は田邊カレン、奥は川村洸斗の2年生の上級生コンビが堀を作る真田丸の空堀より深く鉄壁である。

雪上訓練~ビーコン操作訓練:雪崩ビーコン操作は発信器を格納したザックを埋没させ、探索モードへの 切り替え、指示者の配置、探索、不明者確定、ショベリングを行う。

訓練は日の出とともに始まる

鹿島槍は双耳峰である(左が北峰・右が南峰)

ロープワークも行う~支点構築から確保体勢へ

ツエルト(簡易テント)利用による要救助者搬出訓練

要救助者を見立てて登り、下りの搬出訓練を行う

テント中で…奥は天気図をとる1年生 原島千尋、手前は食当の渡辺悠介と野上博史

頑張りました1年生9名(平成29年度入部)

 

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