9月1日〜9月7日 【夏山縦走合宿】上高地〜餓鬼

2023/9/3 常念岳山頂にて

山行報告書

目的 長期縦走経験を積む、歩行技術・夏山生活技術の向上
リーダーシップ・フォロワーシップの向上
山域 北アルプス 上高地~蝶ヶ岳~燕岳~餓鬼岳~白沢登山口
期間 令和5年9月1日(金)~令和5年9月7日(木)  移動1日、実働6日、停滞1日
メンバー 3年 CL三橋壌二
1年 鈴木大翔(9/1~9/4)、黒木佳太、三角海七渡
OB 國谷良介コーチ(9/4~9/7)、米山未羽コーチ(9/1~9/4)
計6名

行動報告

9月1日(金) 移動・入山日 晴れ 18℃

千石駅05:57~バスタ新宿(バス移動)07:05~10:20松本駅10:50~12:20上高地バスターミナ
ル12:40~13:30明神~13:45徳本峠分岐~16:10徳本峠小屋CS1

 直前に体調不良者が出てしまったため、装備や食料の調整や最終チェックを行い前泊する。ザックは、25キロ程度に収まった。千石駅05:57発の電車に乗りバスタ新宿へ向かい、予定通りの時刻にバスタ新宿を出発する。皆、バスの中では睡眠をとり、来る合宿に備える。10:20に松本駅へ到着し米山コーチと合流後、軽食を摂りタクシーで上高地バスターミナルへ向かう。途中、道路工事や渋滞区間があり、1時間半ほどで上高地へ到着。

上高地バスターミナルに到着し、身支度や体操を済ませて徳本峠へ出発する。上高地は快晴であり、明神岳、穂高連峰を横目に望みながら快調に進んでいく。1時間ほどで徳本峠への分岐をする。徳本峠方面を目指す登山者はほとんどおらず、自分たち以外に誰もいないような感覚になる。徳本峠小屋の急登に差し掛かったところで三角が膝上の痛みを訴える。前日のバイトが体に響いていしまっているようだ。荷物を減らしポールを使用し、再度登っていく。終わりの見えない登りが続くが、1年生は頑張って歩いていた。16:10に徳本峠小屋へ到着し、テントを設営する。

エアリアでは水場ありとなっていたが、渇水のためか水を購入する必要があるとのことで一同凹む。とはいえ、徳本峠小屋は静寂に包まれており、とても快適に過ごすことができた。携帯電話はdocomoだけ繋がらないとのこと。

9月2日(日) 晴れ 18℃

徳本峠小屋CS1 04:50~07:55大滝槍見台~10:50大滝山南峰~11:20大滝山北峰~13:10
蝶ヶ岳ヒュッテCS2

 04:45を目標としたが、パッキングにもたつき出発が5分遅れる。パッキング自体も偏重心になっていたりと、下界での練習が足りなかったと反省する。

中村新道は、緩やかに登ったり降りたりを繰り返すような単調な登山道が続く。空が明るみ始めると、あまり日の当たらない登山道はサスペンスドラマの事件現場のような様相となった。07:55に大滝槍見台に到着。大滝槍見台は物見やぐらのようであり、前穂高や槍ヶ岳を非常に明瞭に見ることができた。その後も軽快に進んでいくが、途中、三角がバテテしまい荷物を再分配する。幸い、膝上の痛みはないようで安心した。

10:30に大滝山南峰直下に到着。南峰までの登山道は幅が狭く東側が切れ落ちているため、ロープを出す可能性を考慮してヘルメットとハーネスを着用して進む。しかし、着実に歩行できれば問題なさそうであったため、ロープを出さずにゆっくりと慎重に通過した。11:20に大滝山北峰を通過してしばらくすると黒木が腰の痛みを訴えたため、黒木の共同装備を再分配してポールも使いながらゆっくり進んでいく。腰の痛みは軽減されたようで順調に進んでいくと、最後の最後に蝶ヶ岳ヒュッテへの登りが待ち構えており、皆、頑張って登る。13:10に蝶ヶ岳ヒュッテCS2へ到着。

土日ということで蝶ヶ岳ヒュッテは大変な混雑であり、仕方なしに傾斜のある部分にテントを設営する。

9月3日(月) 晴れ時々曇り 16℃

蝶ヶ岳ヒュッテCS2 04:00~蝶ヶ岳04:25~蝶槍05:35〜10:00常念岳10:30~12:50
常念小屋CS3 12:50(三橋・三角・黒木)/13:30(鈴木・米山C)

 予定通り04:00に蝶ヶ岳ヒュッテを出発する。三橋がルートファィンデイングを間違えて蝶ヶ岳に04:25に到着、集合写真を手早く撮り出発する。蝶槍までは快適な稜線歩きを堪能し、日の出や富士山、浅間山から噴煙のようなものが立ち昇っているのが見えた。05:35に蝶槍に到着、この時点で遅れをほとんど回復することができて良かった。

蝶槍を過ぎると、登っては降り、登っては降りの繰り返しとなり体力が削られていく。そんななかで鈴木が浮石を踏み足を捻ってしまう。今のところあまり痛みはないとのことで、様子を見てゆっくりと進んでいくことにした。その後、常念岳への急登を登り始めると痛みが強くなってきたため、米山Cに足首サポーターを貸していただき登っていく。しかし、常念岳山頂直下では動かなくても強い痛みが出るとのことで、空荷で山頂まで登る。その上で、山頂にて米山コーチに包帯で足首を固定していただき、ゆっくりと下降を開始する。

下降していると雲行きが怪しくなってきたため、三橋、三角、黒木の三人で先行してテント設営を行うことに。先行隊は12:50に常念小屋CS3へ到着しテント設営を行い、鈴木と米山コーチも問題なく13:30に到着する。

鈴木には、テント内で寝かせ足を挙上、水入りのプラティパスで足首を冷却・湿布貼付を行い安静にしてもらう。症状は回復し歩いても痛みが出ないとのことであったが、翌日以降にエスケープできない区間が生じることから、鈴木は米山コーチ付き添いで翌日下山、本隊は休養停滞とした。

9月4日(月) 停滞日 雨 13℃

常念小屋CS3 07:20~07:45一の沢登山口最終水場(2207m地点)08:30~常念小屋
CS3 09:10

 予定通り鈴木は下山とし、その見送りがてら本隊も水を汲みに行くことに。出発して早々に小雨が降りだし、時間とともに本降りになる。とはいえ、樹林帯のおかげであまり雨が降っていることを感じることはなかった。鈴木の足首の痛みもなく、問題なく歩けていた。

07:45に水場へ到着し、國谷Cと合流する。合流後、國谷、米山両コーチ付き添いの下、鈴木は下山していった。三橋・三角・黒木で持ってきたポリタンク一杯に水を汲み、雨から逃げるように帰幕した。その後、10:40に國谷Cがテント場へ到着する。日中は雨が止むことなく降り続いており、テント内で寝て体力回復に専念した。

9月5日(火) 曇りのち晴れ 17℃

常念小屋CS3 04:55~大天荘07:40~大天井岳07:50~大天荘08:00~切通岩08:35~蛙岩
10:05~10:40燕山荘CS4 11:25~11:40燕岳11:55~燕山荘CS4 12:05

  04:55に常念小屋CS3を出発する。出発早々の横通岳への登りが寝起きの体には堪えたのか、
早々にばててしまう。その上、大量のハエがたかってくるため、逃げるように登らなくてはならなか
った。横通岳への登りが終わると平坦な登山道となり、軽快に進んでいく。東天井岳の登りに差し掛かったところで霧雨が降り始めたため、雨具を着用して歩く。

07:40に大天荘へ到着すると、運よく晴れ間が見え始め、この機を逃すまいと急いで山頂を目指す。しかし、山頂に到着するやいなや曇りはじめ、何も見えない中での記念撮影を済ませて急いで退散する。08:35に切通岩へ到着、切通岩の鎖はしっかりしているため慎重に進んでいけば問題ない。その後しばらくすると晴れはじめ、雲の平まで見えるようになり地形の把握が捗る。10:40に燕山荘へ到着、テントを設営して空荷で燕岳へアタックする。アタック後は、乾かし物をして過ごす。

明日は午後から雨予報のため、出発を一時間早めて04:00発とする。また、9月7日に餓鬼岳では一日中雨予報で沢の増水が考えられるため、早着した場合は明日中の下山も視野に入れて行動することに。

9月6日(水) 曇りのち雨 13℃

燕山荘CS4 03:50~北燕岳04:20~東沢乗越06:55~東沢岳07:45~剣ズリ10:40~餓鬼岳
CS5 11:20

 予定より早く、03:50に出発する。燕岳は昨日にアタック済みのため、巻き道を通って北燕岳へ直接向かう。北燕岳直下で一本を取りがてら空荷でアタックし、記念撮影を済ませて手早く出発する。餓鬼岳方面へは北燕岳の右側を巻いていく必要があるが、その道が想定以上に危険であった。ザレ場のトラバースが数か所出現し、転倒すれば一巻の終わりである。かといって、FIXを張れるだけの支点もないため、確実な歩行で時間をかけて何とか通過する。

その後は、低木樹林帯の通過に苦労しながらも、06:55に東沢乗越へ到着する。東沢乗越から東沢岳までの登りでは、笹薮が繁茂し登山道が不明瞭であるため、足元注意で進んでいく。岳から餓鬼岳間はあまり使われていないためか、大量の蜘蛛の巣に捕まってしまう。そのうえ、朝露の影響で雨具を着ていてもびしょ濡れになってしまった。学生全員、藪漕ぎの恐ろしさを身をもって体感したところで、07:45に東沢岳へ到着。これまでとは一転、東沢岳以降は岩稜歩きがメインとなり、要所要所でクライムダウンする必要から通過に時間がかかる。

また、P2508から剣ズリ間にある30mほどのザレ場のトラバースも、転倒すれば下の沢まで止まることはないだろう。國谷コーチが各一年生の下に付いて慎重に通過する。10:40に剣ズリへ到着する。剣ズリ以降、梯子や鎖場が連続するが、どこも体重を預けての通過は危険なほど老朽化している。鎖や梯子には極力、荷重をかけないように通過していく。11:20に餓鬼岳小屋へ到着する。

餓鬼岳小屋へ到着すると雨が降ってきたため、本日は下山することなく宿泊する。小屋のスタッフさんに聞くと、降雨後の沢の増水はほとんどないとのこと。その上で、明日は晴れ予報のため予定通りに下山とする。

9月7日(木) 下山日 晴れのち曇り 21℃

餓鬼岳小屋CS5 05:55~06:05餓鬼岳06:15~餓鬼岳小屋~07:00百曲り~08:05大凪山~
09:45白沢登山口最終水場(1500m)~12:10白沢登山口

 撤収を済ませて出発する。昨日とは打って変わって快晴である。餓鬼岳小屋にザックをデポして空荷で餓鬼岳山頂まで登る。山頂からは、これまで歩いてきた表銀座や8月に登った立山三山、剣岳を一望することができ、一同充実感に満たされる。その後、記念撮影や地形の把握を済ませて帰路に着く。

大凪山までの道のりでは、ところどころ急な部分もあるが慎重に歩けば問題はないだろう。ただし、大凪山から最終水場までの降りは急である上にザレているため、落石や浮石に注意して進んでいく。ところどころロープが設置されているが、補助的に使用するのが良さそうだ。09:45に最終水場へ到着、電波が入るのはここまでのようである。最終水場以降は沢沿いを進んでいく。ここでも鎖、ロープや橋が設置してあるが、どれも心もとないため確実な歩行技術が求められる。また、角度のある岩上を歩行するため、雨天時には通行しないほうが良いと思われる。

12:10に白沢登山口へ到着、予約していたタクシーに乗って一週間ぶりの町へ向かった。

ふりかえって

今合宿では、体調不良による直前不参加者や怪我による途中下山者が発生してしまった。皆で揃って合宿を完遂することができずに残念である。しかし、そうしたなかでも、各自で自分の出来ることを精一杯行い、何とか合宿を完遂することができてよかった。次は秋山合宿であり、それが終われば遂に冬山に足を踏み入れることになる。それまでには、現在の倍以上の体力や技術を習得しなければならず、これらは一朝一夕で身につくものではない。自分たちにできることから少しずつ改善していきたい。

お忙しい中参加してくださった國谷、米山両コーチには厚くお礼申し上げさせていただきます。

ありがとうございました。

(報告者:三橋壌二)

 

9/1 徳本峠小屋へ向かう

9/3 蝶ヶ岳ヒュッテCSからの景色

9/4 蝶ヶ岳山頂にて

9/4 穂高連峰を横目に蝶槍へ進む

9/4 穂高連峰や槍ヶ岳を望む

9/4 常念岳へ登り始める

9/4 常念岳山頂にて

9/5 常念小屋を振り返る

9/5 大天井岳山頂にて

9/5 燕山荘までの稜線歩き

 

9/5 イルカ岩の奥に槍ヶ岳を望む

9/5 燕岳山頂にて

9/6 東沢岳から剣ズリへ向かう

9/7 餓鬼岳山頂にて、後方には表銀座

 

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