8月9日~8月15日【夏合宿】後立山連峰縦走

8月15日 全行程をトレースして全員が笑顔です。全員ボロボロだが日本海まで縦走
出来た充実感で一杯です。国道8号線 栂池新道登山口にて。

2016年度 夏山合宿(後立山縦走) 報告書

日本大学山岳部

目的 縦走計画の遂行
リーダーシップ・メンバーシップの向上、生活技術の向上
山域 北アルプス北部 後立山連峰(扇沢~爺ケ岳~鹿島槍~白馬~親不知)
日程 平成28年8月9日(火)~8月15日(月)
移動1日、実働6日
メンバー 4年 L.加藤 純、水越健輔
3年 岡本碩士
2年 高橋佑太、中泉雄人
1年 川村洸斗、近藤 歩、田邊カレン、守屋勇希
計9名

行動報告

8月9日(火)移動日 晴れ

雷鳥沢BC〜室堂〜扇沢周辺CS1

アルペンルートを利用して信濃大町側の扇沢駅に移動する。黒部ダムではガスが切れて、好展望であった。扇沢駅から片道15分弱歩いて、爺ヶ岳登山口過ぎのトンネルを少し下った所に草原の天幕可能スペースを見つけたので、そこで泊まることにする。移動日であるが、話が噛み合わない程に気の抜けている者が気になった。

8月10日(水)入山日 晴れ 18℃

扇沢CS1 05:00〜08:30種池山荘08:45〜09:36爺ヶ岳〜11:25冷池山荘CS2

移動日からの気持ちを切り替えて、晴天の中出発をする。お盆連休中の週間予報では縦走終盤まで好天が期待されるので、部員間で情報は共有しておいた。登山道はよく整備されており歩きやすい。お世辞にも2年生による後輩指導の声は多くないが、皆頑張って歩いている。種池山荘に到着すると、北アルプスの絶景が周囲に広がり胸が踊る。順調に冷池山荘まで進み行動を終了した。隣のテントは東京大学のワンダーフォーゲル部だった。夕飯はガンタ米のカレーに不満の声が上がり、翌日加藤が胃痛になる。

8月8日(月)雷鳥沢にて~8月2日からスタートした剱沢での定着合宿を無事終えて 雷鳥沢に戻ってくる。ここで後立山縦走隊の装備・食糧を再梱包する。一方、南アルプス 全山縦走隊は一旦下山する。土嚢袋に仕分けされた食糧、装備などの再点検を行う。 順次指示を出す縦走隊リーダーの加藤副将(写真:左から3人目)

8月10日 種池山荘で休憩する3人(左:2年中泉、中央:2年高橋、右:1年守屋)

8月11日(木)曇り後晴れ 10℃

冷池山荘CS2 04:00〜05:35鹿島槍ヶ岳南峰〜06:30鹿島槍ヶ岳北峰〜08:36キレット小屋〜10:35口の沢のコル〜13:15五竜岳〜14:35五竜山荘CS3

混雑を回避する為に、朝の出発を1時間早める。挨拶を怠った者には喝を入れて出発した。危険箇所通過の為に、荷物の量は前日に調整をしている。鹿島槍ヶ岳南峰までは安定した道のりであり、暗がりの3時発でも問題ない。五竜岳山頂から見えるテン場の混雑が気持ちを焦らせる。午後2時前の時点で五竜山荘のテン場は既に埋まっており、V8(8人用テント)などを設営する場所はない。山荘の方にお話をすると、登山道脇に設営させて頂けることになった。夕方に近藤が微熱を訴えたので慎重に経過観察する。危険箇所の詳細は以下の通りである。

●鹿島槍ヶ岳南峰〜北峰●
下り始めが一番緊張する。鎖や梯子の満足な補助はないので、各自に慎重な行動が要求される。悪天候時や不安要素がある場合はfix通過が妥当である。

●鹿島槍ヶ岳北峰〜キレット小屋●
前半に鎖などはない。重荷は多少プレッシャーになるが、主にクライムダウンで慎重に通過した。アジトのようなキレット小屋が見えてくると、やがて鉄梯子が現れ八峰キレット核心部の始まりとなる。最初から最後まで丈夫な鎖が存在して、足場もしっかりしているので問題はない。

●キレット小屋〜北尾根の頭●
鎖と梯子の部分をクライムダウン

●北尾根の頭〜G5登り●
頭からの登りで、1つ目の大きな岩塔がG5である。ピークに近づくにつれて鎖ありの本格的な岩稜となる。1箇所だけ切れ落ちた所をフリーで通過するので、ロープの使用を推奨する。G5突端にはペイントマークがある。

●G5〜五竜岳●
部分的に鎖があるが、ホールドはしっかりしている。五竜本峰から振り返れば、5つのピークからなる山体を概観できる。

8月11日 八峰キレットの通過:ヘルメット、ハーネスを着用して慎重に通過する。

8月11日 五竜岳への登り 山頂までもう一息!

五竜山荘のテン場から望む雲海

8月12日(金)晴れ 10℃

五竜山荘CS3 05:00〜07:40唐松岳〜13:20天狗山荘CS4

昨日に続き危険箇所の通過があるので黙々と出発の準備をしていると、クマが出たと騒ぐ声が聞こえる。テン場の約30m先をクマが駆けていったのには驚いた。心を落ち着かせ出発して、唐松岳頂上山荘に近づくと簡単な鎖場が連続する。山荘でトイレ休憩と装備を整えて、不帰キレットの通過に備える。唐松岳から不帰3峰・2峰・1峰とピークが続く。2峰南峰までは問題なく到達して、そこから2峰北峰に移動した後、核心部である岩稜の急な下降が続く。鎖は丈夫でホールドも多数あるので、心配なら扱いやすい20~30mのショートロープが有効だ。危険箇所とはいえ、すれ違いも多いので長いロープは時間がかかり非効率的である。2峰・1峰のコルで休憩を挟んで気をほぐした。その後は快調なペースで天狗山荘まで進む。水場を利用して、食料のスペシャル分を存分に楽しんだ。近藤の微熱は変わらずだが、夕飯をモリモリ食べている。元気な様子が見られたので安心する。

8月12日 唐松岳山頂にて

8月12日 不帰嶮二峰を下り終えたコルで剱岳をバックに1枚(左:1年近藤、右:2年中泉)

不帰2峰北峰をバックに1峰への登り返し

8月12日 天狗の大下りを登り切り、素晴らしい景色を眺めながらの休憩。眺めているのは立山の山々。

8月13日(土)快晴 8℃

天狗山荘CS4 04:30〜05:42白馬鑓ヶ岳〜07:04杓子岳〜09:21白馬岳〜09:47三国境〜12:05雪倉岳〜16:09水平道分岐〜16:20朝日小屋CS5

今日は水越主将が白馬岳から途中下山した後、日照りの中での長い稜線歩きが続く。思い返すと、白馬岳でセクションを区切った方が良かったかもしれない。アップダウンの多い行程が続き、体力がないと脱水や熱中症の危険が伴う。案の定、田邉が雪倉岳の登りでバテたので荷物を分けることになった。更には、行動中に転んだ際の軽い突き指で指を腫らしていたので応急処置をする。燕岩では水を補給できずに通過し、ツバメ平を過ぎると大規模な崩落危険箇所のガレ場が出てくる。歩行には問題ないが、運が悪ければ落石に遭遇して大事故になりかねない。エアリアマップで常水と記載のある水場では、冷たくて美味しい清流が流れていた。その後も気温は高く、樹林帯をヘトヘトになりながら進み、やっとの思いで朝日小屋に到着した。心配なので空荷で歩かせていた田邉は何とか持ち堪えた。朝日小屋でその後の情報は良く確認した方が良い。長丁場の1日を過ごしたので、少なからずメンバーシップが強まった気がした。

8月13日 朝日を受けながら白馬鑓ヶ岳を登る一行

「篠崎OGには負けません!」笑顔の1年田邉

8月13日 白馬岳山頂にて

白馬岳以北~ 北アルプス北部へ伸びる稜線もここまで来るとたおやかな山容になる。
更に日本海を目指して歩き続ける。山旅もそろそろ終盤を迎える。

8月14日(日)晴れ時々曇り 10℃

朝日小屋CS5 04:50〜5:55朝日岳~06:30吹上のコル〜09:40黒岩山~13:15栂海山荘CS6

撤収作業が板についてきた様子であり、早めの出発となる。単調な登りの朝日岳を過ぎると、お花畑と霧に包まれリラックス感が溢れた。黒岩平では清流が流れており、火照った体を癒すことができる。数年前に整備された木道が続き歩きやすい。普段見ないような景色にも心が弾む。黒岩山の登りからは、ヘビや虫が多くうっとうしい。登山道上には、トラロープが10箇所程度点在している。北俣の水場は水勢が弱いものの、冷たい水が流れている。水場から3つピークを登れば直ぐに栂海山荘である。

8月15日(月)下山日 曇り時々雨 13℃

栂海山荘CS6 04:00~05:32菊石山~08:00白鳥山~09:50坂田峠~13:20親不知

涼しい内に出発するべく4時発に変更するが、大失敗であった。栂海新道の下降は大変滑りやすく、加藤が2回大胆に転倒する。1回滑ると止まらず脇の藪を飛び出し、下まで吸い込まれていきそうになる。個人差はあるだろうが、雨天時はキレットより厄介に感じるだろう。道中には、動物のフレッシュな糞が落ちている。熊鈴を忘れたのでガチャをザックにぶら下げ、笛を吹きながら行動する。坂田峠への急坂にも気を使う。簡易梯子には泥が詰まっており、これまた滑りやすい。全員ボロ雑巾の様な疲れ方である。エアリアマップ記載の複雑な地形に警戒していたが、特筆することなく道なりに進んだ。坂田峠から天候が急変し、土砂降りのジャングルクルーズ状態となる。1年に雨具着用を促さない2、3年に注意をする。初日から晴天が続いたが、ラスト3時間は靴の中まで濡らしながらの行動になった。しかし樹林の間から海が見える様になると、急に雨が止む。鉄塔の分岐が出てきたら進路を右に取り、下山道の標識に従って進む。車道を横切って坂を下りきると、そこには日本海が広がっている。全員何かしら雄叫びを浴びながら握手を交わして縦走を終了した。

総括

厳しいことを言うことになるが、縦走成功は晴天続きの天候に助けられたことが1番である。その上、個々人の生活技術やメンバーシップの足りない部分は未だに課題として残っている。1年生も、中堅部員も頑張っているものの、今後目指していく姿を想像できているだろうか。親不知まで歩き通したことには自信を持ってもらいたいが、今後も部員が互いに持ちつ持たれつ、高めあっていくことが必要である。今のチームには縦のつながりが不鮮明である。あくまで冬がゴールであり、そこに目的に掲げられた要素を集約していく。その点を意識して限られた時間を有効的に使ってもらいたい。

(報告者:加藤 純)

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