2009年度初夏合宿報告書
日本大学山岳部 主将 船田良
山域 | 北アルプス 上高地~涸沢カール |
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期間 | 平成21年6月19日(金)~6月23日(火) |
記録
6月20日(土)実働1日目 天気 晴れ
6:00上高地バスターミナル~8:45横尾BC~10:00ロープワーク確認開始~
12:45ロープワーク確認終了
今年の初夏は若干の肌寒さの中、上高地を後にして歩き出す。横尾まで問題なく到着し、1時間休憩した後、ロープワークの確認を近くの斜面で行う。1年は皆すっかり忘れていたため、肩がらみとスタンディングを重点的に指導し、形だけは出来るようにする。FIXをユマールで通過させて今日は終わりとする。思い思いに日向ぼっこをさせるが、今年は夕方になると肌に噛み付く虫がいるようで、外に長居すると痒くなる。
6月21日(日)実働2日目 天気 雨のち晴れ
オーダー:高木・下鶴・飯田・山浦・高橋・勝又・船田
4:40BC~7:15涸沢ヒュッテ着~8:30雪訓場にて歩行訓練開始~10:00訓練終了~
10:50涸沢ヒュッテ発~12:45BC
朝一番に計画ミスが発覚する。朝食を開始してから20分後に出発するという設定になっていた。実際のところ、今日は出発まで50分もかかってしまった。昨日の反省会後から雨が降り、時折風に乗って強く打ち付ける。出発してからも相変わらずで、今年の雪訓は精神力が先につきそうである。
2ピッチ歩いたところの雪渓から雪訓ダッシュを開始、下鶴<高橋<<山浦<飯田<<<勝又という順番だった。今年は雪が少し硬く、1年は皆滑っていた。特に勝又の怖がり方が尋常ではない。歩行訓練は直登・直降と8の字をやったところで、雨は止まずに気温は下がるという状態だったので、下降することを決定する。ヒュッテのストーブで温まり、下降を開始。下降をするに従い天気はよくなり、新谷橋からは日が出てくる。BCで乾かし物をしつつシーバー交信を教える。
6月22日(月)実働3日目 天気 曇りのち雨
オーダー:高木・勝又・高橋・山浦・飯田・下鶴・船田
4:00BC~6:30涸沢ヒュッテ発~7:00雪訓開始~11:00FIX~
11:40涸沢ヒュッテ着~14:20BC
予報では曇りのち雨となっていたが、いつまでもつかわからなかった。少しペースを上げつつ、雪訓ダッシュの場所まで行く。しかし、今日はガスが濃かったためダッシュは止め、キックステップの確認を行う。勝又のキックは様になっていないものの、雪面に慣れようと皆についていく。
ロープワークは肩がらみとスタンディングを先に行う。肩がらみの形はできているものの、雪面への蹴り込みが甘く、皆崩されてしまう。1年はまだ考えが甘い。肩がらみが終わった辺りから雨が降り出すが、気温は高かったためスタンディングをすることにする。スタンディングのかけ替えはやはり苦戦している。スタンディングも終わるとだんだん気温が下がってきたため、一旦ヒュッテに戻ることにする。スタティックは1年に見せるだけに留め、装備を片付けさせFIXをユマールで1ピッチ通過させてからヒュッテまで下る。雨足が弱くならないようなので下降を決定する。
今日は下降しても雲が晴れず、1年は空元気だ。テントに入ったら元気が出てきたようで、食いつぶしをもりもり食べていた。
6月23日(火)実働4日目 天気 曇りのち晴れ
6:00BC~9:00上高地バスターミナル
雨が降ってないため下山パワーが出ているようだ。撤収もそれほど遅いと感じられなかった。明神からは上高地まで競わせる。高橋だけ靴擦れしているため船田が付き添った。沢渡で温泉につかり、今回は早めの帰京となった。
総括
1年も同期生が多くなると、1年の中だけで活気が出るようになる。そのメリットは闘争心が現れることだ。勝又や下鶴は牧歌的な性格だが、彼らでも周りから遅れをとらないようにせっせと行動しているところが見受けられた。デメリットは1年同士でお互いを真似るところがあることだ。飯田が登山にこなれているため、飯田を真似る者もいる。
合宿内容としては、貧弱なものとなってしまったが、1年にとっては返って野心を掻き立てたのは喜ばしいことだ。夏山合宿ではそのモチベーションを保ち続け、雪訓をこなす。そうすれば剣や後立を意欲的に登頂できるのではないだろうか。