↑ 唐松天幕場から唐松岳
2012年度GW合宿報告書
日本大学山岳部
山域 | 北アルプス北部 八方尾根~唐松岳~五竜岳~遠見尾根下山 |
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期間 | 平成24年4月30日(月)~5月4日(金) |
メンバー | 4年 CL飯田祐一郎 3年 SL関洸哉、横山裕 2年 山浦祥吾 |
行動
4月30日(月)移動日 晴れ
新宿発高速バス発~白馬町バスターミナル
予定されていた新宿18:00発のバスが予約出来なかった為、16:30発のバスに乗車し、目的地へと向かう。白馬町バスターミナル付近は、まだシーズンということもあって隣接する居酒屋からは灯りが漏れ、初冬とは違う顔を覗かせた。
5月1日(火)白馬町バスターミナル~唐松岳頂上山荘CS1 ガス
白馬町バスターミナル07:00~07:20ゴンドラアダム08:15~08:50八方池山荘09:00~09:50八方池10:05~11:21丸山ケルン11:40~12:35唐松岳頂上山荘13:50~14:12唐松岳14:22~14:35唐松岳頂上山荘CS1
前日に続き、白馬八方の人の多さに驚かされる。八方池山荘から唐松岳まではしっかりとしたトレースがついていた。横山にはL・関にはSLの感覚を積んでもらう為、オーダーを予定と変更し横山―山浦―関―飯田の配置につかせ行動させる。丸山ケルン手前から横山が貧血を訴えたので、再度オーダーを変更させ関―山浦―横山―飯田の順にて行動を続行する。山浦は、やはり体力不足を感じさせる場面が多々あったものの、それは単に体力といった大雑把な括りのものではなく(持久力)、山登りの体力。つまり、登坂力・ボッカ力が足りないように思われる(下界での体力は優れている為)。なので、山での感覚を取り戻してもらうためにも、長い日数山に入る必要性を強く感じた。横山の貧血にいついては、今後の対策を本人、メンバー間で考える必要がある(主力メンバーとなった今、不定期・突発的に貧血となってもらっては困る為)。関に関しては特に問題なく、凍傷の影響を感じさせる事なくよく歩けていた。夕飯を食べ終わる頃には横山の貧血は治まった。
5月2日(水)唐松岳頂上山荘CS1~五竜山荘CS2 曇り後豪雨
唐松岳頂上山荘CS105:15~08:20五竜山荘CS2
出発時にどんよりしていた天候は、最低鞍部を過ぎた辺りから本格的に崩れてきた。五竜山荘に着く頃には強風と強い雨となった。心配していた雪庇は、予想の範囲内であり特に問題なく行動出来た。白岳手前の大きな曲がり道にて、トップの関がルーファイに手間取る。周りを観察するだけでコンパス・地図を出す癖がなかなか身に付かない。関だけでなく、横山にも見られる。上級生である二人には癖として身につけてもらいたい。強い雨風は降ったり止んだりとなかなか収まらず、翌朝まで続いた。
5月3日(木)五竜岳往復 ガス時々晴れ
五竜山荘CS211:15~13:15五竜岳13:25~14:20五竜山荘CS2
前日の強い雨風がなかなか収まらないので、しばらくの間様子を見る。10時頃から雨・風共に落ち着いてきたので、五竜へのアタックを開始する。心配していた頂上直下の雪壁は特に問題なく終えた。順調に五竜岳へのアタックを成功させ、五竜山荘に帰幕する。夜には弱い雨が降ったり止んだりと続いた。
5月4日(金)五竜山荘CS2~アルプスだいら ガス時々晴れ
五竜山荘CS209:20~13:00アルプスだいら
明け方の強い風と雨により、出発を遅らす。時間が経つにつれ弱まってきたので下山を開始する。下山時には白岳からの下降路を見逃し、そのまま尾根を50メートル程下ってしまった。ルートの間違いを飯田に指摘され、引き返して下降路より遠見尾根に下山を開始する。メンバー内のルーファイ力の未熟さが浮くぼりとなった。遠見尾根上は、白岳からの下降路を100メートル程進むと、雪面に深い亀裂が入っている場面が多々あったりと、非常に神経を使った。その後は順調に下降を続け、アルプスだいらに下山する。
総括
今回の合宿は、遭難事故から一回目の合宿であった。そのため、いつも以上の緊張と共に山登りを行ったように感じた。結果として、予定通りの行程を踏めたものの小さなミスから大きなミスまでと新たな改善点・反省点がいくつか見つかった。今後、よりよい経験値を貯めていくためにも、この改善点・反省点をそのままにする事なく、しっかりと消化していきたいと思う。また、目的であった山浦の強化・現況確認。そして上級生の体力確認はしっかりと行えたと思う。山浦の体力については、前述したように山登りでの体力が未だ不十分である。そして上級生は、体力というよりも上級生としての自覚・自主性を鍛えていかなければならないと感じた。