大天井岳頂上にて(後列左から 加藤純、井上理、宝迫哲史、賀来素直
前列左から 篠崎さやか、山縣巧、水越健輔、檜山泰平) 撮影:山浦祥吾
2014年度GW合宿報告書
日本大学山岳部
目的 | 生活技術の確認、縦走を経験する |
---|---|
山域 | 北アルプス 表銀座(燕岳~蝶ヶ岳) |
期間 | 平成26年4月29日(火)~平成26年5月4日(日) 移動日1日、実働7日、予備日4日 |
メンバー | 4年 CL山浦祥吾 3年 SL賀来素直、宝迫哲史 2年 M山縣巧、井上理、加藤純、篠崎さやか、桧山泰平、水越健輔 |
行動
4月29日(火)移動日 新宿〜松本〜穂高駅 雨
新宿BT 18:20〜21:30新宿22:18〜22:45穂高駅
監督にお土産を頂き出発、到着すると穂高は冷たい雨が降っていた。
4月30日(水)入山日 穂高~中房温泉〜合戦小屋CS1 雨
穂高駅05:00~06:00中房温泉06:10~11:00合戦小屋CS1
夜明けまで雨が降り続けている。タクシーに乗り込み中房温泉に向かう。道路に雪はない。合戦尾根を小一時間登るとトレースがしっかりと残る雪が出てきた。雨が体を濡らし、すれ違う下山者によると稜線は風が強いとのこと。なかなかペースも上がらないので合戦小屋で幕営とする。
5月1日(木)合戦小屋CS1~燕山荘~燕岳~燕山荘~大天井~大天荘CS2 曇り
合戦小屋CS105:00〜06:20燕山荘06:30~07:00燕岳07:30~08:00燕山荘08:30~16:00大天井岳16:05〜16:15大天荘CS2
篠崎は調子を取り戻しサクサクと燕山荘に到着する。燕山荘手前でやはり冬は一本ザイルを張ったほうがよさそうだ。燕岳に向かう準備をしていると古野OBの奥様にお会いする。一緒に燕岳まで向かい、燕山荘でコーヒーを頂く。天候は不安定なので急ぐことに。蛙岩まで危険個所はない。蛙岩の通過は東側に10m程宝迫がザイルを出し、速やかに通過した。直進は私たちのザックの大きさでは困難、または時間のロスが多いだろう。西側は岩場を下降する形になる。大下りを下りきった周辺は風が強くなければ天幕出来そうだ。大天井岳直下まで問題なく歩き続ける。直下からは今回は雪が柔らかく歩きやすかったが急登である。冬は特に登り出し2ピッチ、ザイルを出すことになるだろう。今回は山浦‐篠崎‐桧山でザイルを繋ぎ登る。桧山が幾度となくスリップしていた。小一時間で頂上に到着する。視界は良くないので、すぐに大天荘に向かう。天場に着くとトイレがなくなっていた。明日は天気がいいのでもう一度、大天井岳に向かうことにする。
5月2日(金)大天荘CS2~常念小屋CS3 晴
大天荘CS207:00〜07:20大天井岳07:30〜07:50大天荘08:00〜11:00常念小屋CS3
空は晴れ渡りせっかくなので雄大な景色を堪能しに大天井岳へ向かう。帰幕、撤収し歩き始め、常念小屋までは何もない。寝不足の隊員がいるようなので常念小屋で設営することにする。明日の為に常念岳まで偵察に山浦、賀来、宝迫、水越、山縣、井上、篠崎で行くことに。ハイマツ帯を登りあげてからすぐ、吹雪いていれば気になる箇所が5mほどあった。天場からは槍ヶ岳がよく見える。5、6日は寒気が入るため3、4日で決めたいな、と思った。
5月3日(土)常念小屋CS4〜蝶ヶ岳ヒュッテCS5 晴のち曇り
常念小屋CS305:00〜06:00常念岳10:00〜15:45蝶ヶ岳ヒュッテCS4
元気いっぱいの体操を始めようとすると3年が2年の挨拶やその他確認動作への反応の薄さを指摘していた。新年度を迎え新入生を受け、新たにスタートを切らなければならない。今朝に限ったことではないが、この段階に至っても尚、初歩的な行動・指示・安全確認への受け答えが一つ一つ出来ていない。これ等全体を踏まえてのリーダー判断だが、当初の計画予定であった霞沢岳までは行かず、全員に蝶ヶ岳から下山してもらうことにする。常念岳までは問題なく到着したが、ただで帰る訳にも行かないので頂上直下斜面で2パーティに分かれて4時間ほどFIX工作訓練を行う。常念岳からの下りはザイルを出す程ではないが、慎重に下りなければ痛い目にあってしまうだろう。その後蝶槍を経て、人で溢れている蝶ヶ岳ヒュッテに到着する。強風が吹き槍穂の稜線は雲に覆われていた。明日下りることを改めて伝えると泣いている者がいた。
5月4日(日)蝶ヶ岳ヒュッテCS5〜長壁尾根〜徳沢〜明神〜上高地 晴
蝶ヶ岳ヒュッテCS405:30〜10:00徳沢園10:10〜12:00上高地
食当の不手際で出発が遅れる。尾根を下り徳沢、明神を経て上高地に到着、紅葉の季節と同じくらいの人がいた。
総括
同じ反省を繰り返す生活技術から私も含めザイルを出す判断基準、出さない箇所での通過方法など、また、敗退するに至った要因から、まだまだチームとして未熟であるということだろう。これを初夏合宿に繋げられるような一ヶ月にしたい。
(報告:山浦祥吾)