平成28年5月2日 飯豊山頂上にて
2016年度 GW合宿報告書
日本大学山岳部
目的 | リーダーシップ、メンバーシップの向上 ルーファイディング能力の向上 |
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山域 | 飯豊連峰 |
日程 | 平成28年4月29日(金)~5月3日(火) 移動1日、実働3日、停滞1日 |
メンバー | 4年 CL水越健輔、SL加藤純 3年 岡本碩士、高根澤亮太 2年 荒井暢之、國谷良介、高橋佑太、中泉雄人 計8名 |
行動
4月29日(金)移動日 千石駅~会津若松駅~山都駅(タクシー)~御沢野営場CS①
千石駅12:28~会津若松駅17:56~山都駅20:19~御沢野営場CS①21:10
千石駅から電車に5時間半揺られて会津若松駅へ。途中高根澤の実家の最寄り駅にて、高根澤のお祖父様、お祖母様から差し入れを頂く。ごちそうさまでした。会津若松駅に到着する頃には雨となる。会津若松駅で加藤と合流し、山都駅へ。山都駅からタクシーで御沢野営場へ向かい、天幕を設営する。
4月30日(土)入山日 御沢野営場CS①~三国岳~切合小屋CS② 晴れのち雪 5℃
御沢野営場CS①05:00~三国岳11:10~切合小屋CS②13:20
昨晩降っていた雨は止み、晴れている。新緑の林道を少し進むと、緩やかな登りがしばらく続いていく。標高1000mあたりから積雪10cm程度となる。森林限界を超えると広尾根になり、気持ちの良い稜線歩きが楽しめた。剣ヶ峰の岩場、鎖場は雪が多少残っているが、ほとんど夏道を進めたので、問題なく通過する。三国岳頂上直下の岩場で1ピッチロープを出す。それほど危なくないため、2年だけで張ってもらったが、特に問題なく張ることが出来ていたので良かった。三国岳過ぎから雪が降り始め、ガスってきた。種蒔山付近が特に広尾根であるので、コンパスと地図を照らし合わせ慎重に進む。稜線上は巨大な雪庇が形成されているため、注意が必要。順調に切合小屋に到着し天幕を張る。天場付近の積雪は80cm程度。
5月1日(日)切合小屋CS② 停滞 風雨のち曇り 3℃
4時起床。昨晩舞っていた雪は雨になっている。雨、風が強いため停滞を決める。4時半頃に近くで雷が鳴り出したため、小屋へ避難する。17時頃から雨は止んだが、辺りは依然ガスっている。終日周りの景色は真っ白であった。
5月2日(月)切合小屋CS②~飯豊山~烏帽子岳~梅花皮小屋CS③ 濃霧のちくもり 3.4℃
切合小屋CS②05:00~飯豊山07:30~烏帽子岳11:40~梅花皮小屋CS③12:30
計画通り5時に出発。濃霧により視界は50mほどで風が強い。ところどころ赤旗を差しながら進んでいく。草履塚付近から登山道に土が出始める。御秘所の岩稜は完全に岩が出ていたが、落ちてしまうと5m以上は滑落するので慎重に通過する。順調に飯豊山のピークを踏み、写真撮影。飯豊山から御西小屋まで特に広尾根となる。問題なく梅花皮小屋に到着。小屋の水場では水が流れていた。
5月3日(火)下山日 梅花皮小屋CS③~北股岳~朳差岳~東俣彫刻公園(タクシー)~越後下関駅 晴れ 4℃
梅花皮小屋CS③04:20~北股岳05:00~朳差岳09:40~東俣彫刻公園18:00~越後下関駅19:00
明日からの荒天を見越して、今日中に下山することも視野に入れて出発を計画より30分早める。撤収はさすがに2年以上だけだと早く、指示した10分前には出発できた。一昨日までの悪天から一転して、良い天気となり美しい日の出が臨めた。北股岳以降、完全に夏道となる。想定していたより早めに朳差小屋に到着したため、今日中に下山とする。小屋の水場で水を補給しようと思ったが、水場は埋まっていた。朳差岳に着く頃には、気温も高くなりすっかり夏の陽気で暑い。前朳差岳から先の権内尾根は所々東側に切れている。千本峰からは想像以上に急な下りが多く、疲れが出始める者も多くいた。東俣第2橋から林道終点までの間には、足場の小さいトラバースもあり油断出来ない。林道終点から綺麗な沢や新緑を楽しみながら歩き、東俣彫刻公園に到着。14時間近い行動に皆疲れたが無事下山出来て良かった。
総括
今合宿から新体制での合宿であったが、成功させて皆無事に下山できたことにまずホッとしている。新1年生を迎える前の最後の合宿であったが、歩行技術、生活技術等大きな課題を残すことなく終われた。しかし、ロープを多く使用したり、緊張を強いられる稜線歩きが求められたりするような山行ではなかったため、ロープワーク、危険箇所の通過能力などの向上には繋がらなかった。想定していたことではあるため、今後はロープを積極的に使った山行へとステップアップさせていきたい。今合宿は今まで見慣れない山域での合宿であり、東北の山深い自然を楽しめた。自分のやりたい山を、リーダーとして合宿で初めて成功させることができ、リーダーならではの達成感を味わうことが出来た。
(報告者:水越健輔)