5月1日 谷川岳縦走

5月2日 白毛門山頂に到着:左から川下(2年)、村上(3年)、白土(4年) 撮影:國谷良介

山行報告書

日本大学山岳部

目的 GW合宿不参加者の生活技術・歩行技術の向上
メンバーシップ・リーダーシップの向上
山域 谷川岳(白毛門~朝日岳~蓬峠~谷川岳)
日程 令和元年5月1日(水)~令和元年5月4日(土)
移動1日、実働3日
メンバー 4年 白土朝香
3年 L村上洋道
2年 川下景正
OB 國谷良介コーチ
計4名

行動報告

5月1日(水)移動日

部室(巣鴨駅)14:14〜18:00土合駅

暗いトンネル内のホームから、果てしない長さの階段に驚いた。改札外の広いスペースで寝ることにする。我々の他に学生のパーティーが後から到着した。

5月2日(木)入山日 雨のち晴れ 10℃ 積雪150㎝

土合駅05:00~10:10白毛門~11:40笠ヶ岳~11:50笠ヶ岳過ぎのコルCS1

起きるとすでに外は明るかった。雲に覆われており、どんよりとした天気のなか出発する。最初の樹林帯は小雨が降ったりやんだりで気分が上がらない。樹林帯の上部に行くと雪が出てくるが、かなり緩んでいたためアイゼンを装着せずに進む。頂上直下は傾斜が出てきたため、キックステップを意識して慎重に通過する。頂上に着くと雲は切れており明日以降のルートが見えていた。

白毛門過ぎは会話を楽しみながら進む。笠ヶ岳頂上手前で数日前の合宿隊と思われるトレースを見つける。笠ヶ岳頂上で記念撮影をすませて避難小屋に向かうがその先のコルの方が風をしのげると判断してコルにテントを張る。午後はテント内でのんびりと過ごした。また、雲も切れて太陽が顔を出していた。夕飯のトマト鍋は絶品であった。

5月3日(金)晴れ 0℃ 積雪30㎝

CS1 05:02~06:25朝日岳~08:30清水峠~10:10七ツ小屋山~11:20蓬峠CS2

テント撤収の際に雪が固く、竹ペグの回収に時間が掛かってしまい出発が遅れる。予想よりも雪が固かったため緩むまでアイゼンを付けて行動する。多少雲はあったが、いい天気である。出発後すぐに急な登りが出たが川下は目立って遅れることはなく、いいペースで朝日岳まで進む事が出来た。朝日ヶ原過ぎのジャンクションピークに着くと馬蹄形だけでなく、上越国境稜線がきれいに見えていた。清水峠までは緩やかな稜線を下っていく。特に危険箇所は無かったが、ホワイトアウトなど視界が遮られていた場合は、谷側に続く尾根に誤って入らないように注意すべきだと國谷コーチにご指摘をいただいた。

七ツ小屋山までは登りが続くが涸沢の上りに似ていたため川下の練習としてすべて直登する。度々國谷コーチから指導が入るが頑張って付いてきていた。山頂を過ぎてからはほとんど夏道が出ており、会話を楽しんでいるとあっという間に蓬峠に到着する。蓬峠はこれまで進んできたルートが一望できとても良い場所である。午後は昨日同様のんびりと過ごす。

5月4日(土)下山日 晴れ 3℃

CS2 04:53~05:50武能岳~08:50茂倉岳~09:30一ノ倉岳~11:20オキノ耳~12:00トマノ耳~13:00穴熊沢避難小屋~16:00土合口駅

今日は今山行一番の快晴であり朝焼けが美しい。清々しい気持ちの中出発する。日が昇ると一気に気温が上がり、汗が噴き出してくる。茂倉岳は急ではなく緩やかな上りが延々と続き、途中休憩を挟みながら黙々と進む。山頂が見えているだけに実際の時間よりも長く歩いたように感じた。川下は疲れながらも頑張って付いてきていた。

茂倉岳山頂に着くとなかなか見えなかった谷川岳が見えこの山行の終わりを感じる。一ノ倉岳過ぎの下りは少し急であり、ぬかるんでいたり岩が出ていたりと歩く速度が上がらない。足を滑らさないようにクライムダウンを交えながら通過する。クライムダウンでは川下が苦戦しており、國谷コーチと白土さんに指示を受けながら下っていた。オキノ耳の上りでは岩場に鎖が設置されている箇所があった。鎖は新しく見え強度も問題なさそうであったので、川下にはしっかり鎖をつかんで来るように指示をする。オキノ耳からは人で賑わっており、トマノ耳へは登山者とすれ違いながら40分程で到着し、今山行の最終ピークで記念撮影を済ませた。

穴熊沢避難小屋までの下りは急過ぎない傾斜であり川下にはいい直下降の練習になったはずだ。天神尾根を下り田尻尾根に入るが夏道が全然出ておらず、雪の斜面をクライムダウンしたりと下降にかなりの時間がかかった。結果的に長い行動時間となり川下はかなり疲れているように見えたが、國谷コーチに指導を受けながら頑張っていた。

ふりかえって

初日こそ雨に降られたが、それ以降は天気に恵まれ、上越の素晴らしい景色の中とても気持ちの良い山行となった。積雪期登山の経験の少ない川下にとっても初夏合宿前の良い歩行訓練になったはずである。まだ慣れていない部分はあったがこれからも積極的に個人山行に参加して経験を積んでいき頑張ってもらいたい。

私自身も初めてリーダーとして個人山行に参加したがとても良い経験が出来た。しかし、出発遅れやレイヤリングの調整、田尻尾根の雪の状況の事前調査など反省はあった。今回の反省をふまえてこれからも積極的に計画を作っていきたい。

また、今回の山行では白土先輩、川下の高度障害について考慮し、行動中こまめにSpO2値を測っていた。結果として2人とも最後まで90台後半を保っており体調不良も起こさなかったため、今回の高度では問題なく行動出来ることが分かった。最後になりましたがお忙しい中今回の山行に参加してくださった國谷コーチには多くのご指導をいただき、大変お世話になりました。誠に有り難うございました。

(報告者:村上洋道)

笠ヶ岳山頂

笠ヶ岳過ぎのコルCS1

朝日岳山頂

朝日岳過ぎのジャンクションピークから清水峠に向かう

七つ小屋山

蓮峠CS2

武能岳山頂から見た茂倉岳と一ノ倉岳

武能岳の下り。正面は茂倉岳と一ノ倉岳

茂倉岳上りの一本中

手前が馬蹄形縦走路、奥が上越国境稜線

一ノ倉岳山頂手前

トマの耳

天神尾根を下降中、後ろを向くと谷川岳

テント内にて 左から 三年村上 二年川下 國谷OB 四年白土

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