12月11日~ 扇雪渓にて雪上訓練(後列左から4年米山、2年籾井、1年田畑、2年三橋、4年柴田、 前列左から1年玉野、3年石田)
山行報告書
目的 | 冬季生活技術を学ぶ、大型テント特有の生活技術の習得 雪上・ロープワーク技術の向上、リーダーシップ・メンバーシップの向上 |
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山域 | 北アルプス北部 唐松岳・八方尾根(八方池BC) |
期間 | 令和4年12月7日(水)~令和4年12月12日(月) 移動1日、実働4日、停滞1日 |
メンバー | 4年 CL米山未羽、SL柴田 亮 3年 石田爽斗 2年 籾井大空、三橋譲二 1年 玉野蒼士、田畑 天 OB 賀来素直ヘッドコーチ(10~12日)、國谷良介コーチ(7~12日)、 村上洋道コーチ(7~12日) 学生9名、OB3名 計10名 |
行動報告
12月7日(水)移動日 新宿~白馬八方バスターミナル 雪時々雨 -1℃
部室(電車)〜バスタ新宿(高速バス)~白馬八方バスターミナル
大荷物かつ大人数でのバス乗車を避けるため、先発隊は千石駅より電車で、後発隊はバスタ新宿から高速バスで白馬八方バスターミナルまで移動する。白馬八方バスターミナル到着後は雪が降っていたため、軒下のスペースにテントを立てさせて頂き就寝する。
12月8日(木)入山日 白馬八方バスターミナル~白馬八方尾根スキー場~黒菱平CS 雪 -3℃
白馬八方バスターミナル06:00〜八方尾根スキー場06:40〜10:30兎平〜13:00黒菱平CS
朝の出発時、トップの三橋がスキー場までのルートを誤り、20分ほどタイムロスをしてしまった。八方尾根スキー場はまだ営業しておらずゴンドラが動いていなかったため、徒歩で登り始めた。登り始めの積雪は20cmほどであったがすぐに深くなり、膝ラッセルほどの深さになった。ゴンドラ乗り場手前で三橋と玉野が靴擦れを訴えたため、一本をとり処置をした。2人とも幸いなことに軽傷であった。その他の部員は初のラッセルに苦しみながらも頑張って歩いていた。
黒菱平に着いた時点の時刻とこれまでの歩行ペースを鑑みた結果、明るいうちに八方池BCに到着することが難しいと判断し、この日は黒菱平にCSを設けることにした。風を避けるため、稜線から一段下がった茂みの脇に設営をした。
12月9日(金) 黒菱平CS〜八方ケルン〜八方池BC 晴れ +1℃
黒菱平CS07:00〜八方池山荘09:30〜八方ケルン13:00〜八方池BC13:15
V6,V4テントポールの先が袋とじ状のスリーブの中で凍りついており、テント撤収に時間を取られて黒菱平出発が30分遅れてしまった。また、昨日に引き続きトップがルートファインディングを誤り 15分ほどのタイムロスをしてしまった。
黒菱平以上は膝〜腰ラッセルであった。この日は快晴で暖かく、後立山連峰が綺麗に見えた。部員たちの表情も昨日に比べて晴れやかだ。1年2人は少し疲れている様子だが、頑張っていた。八方池の完全には凍っておらず、雪氷の下には多少の水があった。八方池付近の平坦な地点を整地してBCを設置した。
12月10日(土)雪上訓練 八方池BC〜扇雪渓〜八方池BC 晴れ -2℃
八方池BC06:30〜09:00扇雪渓12:15〜八方池BC13:20
石田が目出し帽を紛失し、捜索にかなり時間を取られてしまった。30分遅れで八方池を出発した後はアタック装備で軽くなったザックを背負って良いペースで歩けた。
扇雪渓に到着後すぐに集合写真を撮影した後、訓練を開始した。まずはアイゼンを着けての歩行訓練を行った。今回は積雪量が多かったために半ばラッセル訓練の様相を呈していた。 30分間歩いた後はワカンに履き替えてもらった。この時凍ったアイゼンやワカンのバンドの着脱に手間取ってしまう部員が多く見られた。
その後のビーコン捜索訓練では、最初はバラケずに走ったり、遺留品を見落としてしまったりしていた部員たちも、回数を重ねるうちに要領を掴んで徐々にスムーズに動けるようになっていた。その後は時間通りに訓練を終えてBCに向かった。BCに帰幕すると、この日入山の賀来ヘッドコーチと合流することが出来た。
12月11日(月) 停滞 八方池BC 曇り時々雪-4℃ 積雪量:175cm
八方池BC
この日は悪天候が予想されたため、停滞とした。朝7時からCSの周りの雪かきを行った。翌々日以降は冬型による大荒れの予報であったため、明朝、雪上訓練を行ってから下山することを決定した。
12月12日(火) 下山日 八方池BC〜トイレ〜八方池山荘〜八方尾根スキー場
曇り時々雨 15℃ 積雪量 175cm
八方池BC7:15〜07:45公衆トイレ付近の斜面10:00〜八方池山荘10:40〜11:50兎平12:10〜
八方尾根スキー場12:20
この日も黒菱平撤収の際と同じくテントポールの先が凍結してテント撤収に時間がかかった。また、出発時 玉野のワカンのバンドが緩く、締め直したために予定していた時刻に遅れてしまった。遂に最終日まで予定通りの時間にテント場を出発することが出来なかった。
雪上訓練は公衆トイレ付近の南側斜面で行った。30分間の歩行訓練をした後、ビーコン捜索訓練を行った。今回は前回の訓練時よりも深い位置にビーコンを埋めて、プロービングや埋没者掘り出し、
ツェルトを使用しての保護の練習も行うことが出来た。皆、捜索・掘り出しの一連の流れを覚えてきたようで、最初に比べると短い時間で埋められた発信ビーコンを発見出来るようになっていた。
一通り訓練を行った後は時間通りに切り上げて下山を開始した。入山中にスキー場がオープンしたため、スキー場は徒歩で下山することが禁止されていた。そのため兎平からはゴンドラに乗り、全員無事に下山・帰京をした。
ふりかえって
今回の合宿では、初めて大人数での大型テント生活をすることが出来た。それによって特に生活技術の面において数多くの問題点が浮き彫りとなった。
その他にも、朝の出発遅れや一本の出発時間遅れ等、時間に関する課題も多く出た。下級生の皆には、決められた時間を守れないことにより起こりうるリスクを考えて、今後全ての行動において時間を守ることを徹底してもらいたい。
コーチの皆様にはお忙しい中合宿にご参加いただきました。また、計画・準備の段階からも大変お世話になりました。ありがとうございました。
(報告者:米山未羽)