3月8日~3月13日【春山合宿】北アルプス 槍ガ岳(横尾尾根~槍ガ岳~中崎尾根

1998年 春山合宿 北アルプス 槍ガ岳

期間 平成10年3月8日(日)~3月13日(金)
メンバー 本多3、松本3、深沢2、佐藤2、小林1、木幡1
ルート 横尾尾根~槍ガ岳~中崎尾根

3月8日(日)晴

釜トンネル(06:30)~小梨平(08:30)~徳沢園(11:00)~横尾岩小屋CS(13:50)

今年から釜トンネル手前まで車が入るため、ハイカーやクロカンスキーヤーがかなりいる。そのため上高地までは歩きやすい。徳沢辺りになると雪がひざ下ほどになるが、明大のものと思われるトレースが残っていた。横尾の橋を渡り、岩小屋までは河原沿いを歩き、取り付き点近くにテントを張る。

3月9日(月)晴

横尾岩小屋CS(06:30)~稜線上(08:00)~P2・3のコル(09:45)~P3(11:45)~P3・4のコルCS(14:45)

岩小屋から稜線目指してラッセルしながら直登する。稜線には明大の赤布がある。P2の下りはクライムダウンでP2・3のコルに達する。P3へは出だしの木の露出した急斜面を1ピッチFIXし、更に岩の露出した箇所を1ピッチFIXする。明大のFIXがかなりあり、P3には冬天が張ってあった。P3の下りは、両側切れている岩峰に2ピッチFIXする。ここでルート工作をしていた明大とすれ違う。さらに岩峰に50m懸垂下降をし、P3・4のコルにテントを張る。

3月10日(火)晴

P3・4のコルCS(06:30)~P4(08:00)~P7横尾の歯手前(10:00)~P8(12:00)~天狗のコル(13:40)

出発時はガスがかかってえいたが徐々に晴れてくる。P4の登りは急だがザイルを張るほどではない。1ヶ所岩峰を巻くところを細引きでFIXする。P5付近で明大はテントを張るようだ。P5から横尾の歯までは森林限界を超え、なだらかな稜線でロケーションがすばらしい。雪は重くラッセルが少しきつい。P7を越えた小コルから横尾の歯に2ピッチFIXする。残置FIXは古くて使えそうにないがピトンは使える。岩峰は巻かずに忠実に上を行った。雪の付き方がいやらしい。横尾の歯からP8、さらに天狗のコルまでは小さなアップダウンがかなり続いた。天狗のコルを整地し防風壁を作りテントを張った。

3月11日(水)晴

天狗のコルCS(06:15)~槍・穂高主稜線(07:30)~肩の小屋(10:10)~槍ガ岳(11:00)~肩の小屋(12:30)

槍・穂高主稜線への登りは、心配していた雪崩よりも細い稜線に岩が細露出したミックス帯となっており、アイゼンワークに気を使う。鎖場は埋まっていた。槍・穂高主稜線上はクラストしており、雪は安定している。中岳の登りも雪崩の危険はなかった。中岳の下りはやや急で、ハシゴは出ているが鎖場は埋まっており、クライムダウンする。飛弾乗越手前の岩峰は飛弾側のクラストした斜面をトラバースし、乗越にいたる。肩の小屋は屋根を残して埋まっている。登攀具のみを持ちアタックする。鎖、ハシゴは出ているが、それらをつなぐルートが雪で急斜面となっている。ピークはやはり何度来てもいいものであった。下りはピークから1ピッチFIXし、更に部分的に25mの懸垂下降を2回した。肩の小屋にはだれもいなかった。テントは張らない。

3月12日(木)雪

停滞

2つ玉低気圧の通過で1日中風雪が強かった。

3月13日(金)晴

肩の小屋(06:15)~奥丸山分岐(09:20)~槍平(10:50)~新穂高温泉(16:10)

千丈沢乗越からの下りは雪が安定しており、岩峰を巻いて中崎尾根に出る。中崎尾根は小さなアップダウンが多く、雪も腐っている。奥丸山手前の分岐から槍平までは出だしの急斜面を間隔をあけて1人づつ通過する。槍平らから新穂高温泉までは各沢の出合以外にもデブリが多く、間隔を感覚をあけて通過する。雪は重く、トレースjはないが、新穂高温泉まで雪崩以外に危険箇所はなかった。タクシーで松本駅に出る。

全体を通して

春山合宿は1年生の総仕上げ、及び新学年としての役割の自覚と実践が問われる合宿であるが、大きな問題点は見られず、2月の反省を補おうとする姿勢が全員に見られた。(ルート工作、体調管理、声、全体把握、諸生活技術など)これは毎日の行動後の反省や、下界での講習会や規律の厳守などが良い形で出ていると考えられる。合宿を運営するに当たって、年間を通した計画を立て各合宿に意義を持たせているのだが、新1年を迎えるまでの、2月・春・5月の合宿は、現6人のチームの確立を目指している。細かい点での反省はまだまだあるし、考え方が偏ってしれないし、油断もあると思う。コンセンサス、縦の指示系統などはほぼ確立できたと思われるものや、各反省点、及び自覚、意識を高めることなども油断することなく部会、個人山行などで行っていき、リーダー陣が広い視野で冷静に部の舵取りをするようにしたい。

本多直也

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