9月1日~9月18日 北アルプス 上高地~親不知

2010個人山行報告書

日本大学山岳部

山域 北アルプス 上高地~槍ヶ岳~親不知
期間 平成22年9月1日(水)~9月18日(土)
メンバー L飯田、横山、関

行動

9月2日(木)1日目 天気 晴れ

6:10河童橋~8:37横尾~13:00槍沢キャンプ場

横尾に1時間ほど早く到着したので、槍沢まで詰める事にする。槍沢ロッジで1時間ほど睡眠をとったりと、ゆっくりとした行動をとる。水場はテン場にホースがあり、そこから取る事が出来た。

9月3日(金)2日目 天気 晴れのち曇り

4:04槍沢キャンプ場~8:39槍ヶ岳山荘

順調に進み特に何もなく山荘まで到着する。三俣まで攻められない時間でもなかったが、だんだんと曇ってきたので、予定通りに槍ヶ岳山荘で張る。

9月4日(土)3日目 天気 晴れ

4:00槍ヶ岳山荘~8:13双六小屋~12:33三俣蓮華岳~13:50三俣山荘

西鎌尾根は想像していたよりも整備の整った道であった。ただ、春の笠槍を思うと最後の槍への頂上直下の登りは一瞬の油断も出来ない渋いものとなりそうだ。双六小屋ではゆっくりと1時間ほど休憩した。双六の巻き道では誘惑に負けそうになるが、頂上へのコースを選択。双六岳は地図に書いてある通り本当に頂上がだだっ広かった。その後も淡々と進み、三俣蓮華岳では長めの休憩をとる。

9月5日(日)4日目 天気 晴れのち曇り

4:00三俣山荘~5:40鷲羽岳~10:45野口五郎岳~12:37三ツ岳~13:42烏帽子小屋

鷲羽の登りは見た目よりも楽で、一定のペースでスイスイと進む。水晶小屋の下りは予想より尾根の両側が切り立っている場面が多く、メットを着用させる。野口五郎の頂上直下の登りではペースは落ちるものの一定のペースで着々と登っていく。横山はトップのコツを掴んだようだ。三ツ岳の下りは広い砂れきの尾根で、晴れていたら気持ちのよさそうな場所であった。烏帽子小屋では電波の入りがよく、レストのタイミングや気象情報交換のやりとりを行う。就寝前に飯田のヘッドランプの調子が悪くなる。

9月6日(月)5日目 天気 晴れのち曇り

5:29烏帽子小屋~6:29烏帽子岳~9:54不動岳~15:04船窪乗り越し~16:10船窪キャンプ場

昨夜のヘッデンの故障は一時的なものだと思っていたが、朝起きてスイッチを入れてみるが反応がない。完璧に壊れてしまったようだ。出発時間を遅らす事にする。テン場を出発しようとしたところ二人組みの男性に話しかけられる。どうやら一人は山岳部のОBだそうだ。NHKカメラマンの田村先輩だった。烏帽子頂上直下の登りは思っていたよりも急な岩場で、鎖はあるものの、足場が悪かった。船窪までの道のりは今思っても今山行で一番渋かった。南沢岳では疲労がピークになり、1時間ほど睡眠をとった。その後も船窪乗り越しまではきつい登下降が続く。船窪の水場はテン場から5.6分下った場所にあり、急なガレ場にあった。

9月7日(火)6日目 天気 曇り

レスト

9月8日(水)7日目 天気 雨

停滞

ラジオでは12時頃から台風が長野県に入ると言っていたので停滞を決める。停滞の報告をしようとしたが電波が入らない。山荘まで行けば入りそうであったが、山荘までの登りのハシゴの斜面が雨で弱くなっていたので危険と判断。そのままテン場にて停滞。

9月9日(木)8日目 天気 晴れ

5:20船窪キャンプ場~7:59北葛岳~11:10蓮華岳~13:07針の木小屋

台風から一変晴れた青空が見えた。蓮華の登りでは出だしのガレ場が予想より渋く、落石対策としてメットを着用させる。蓮華岳では景色がよく、1時間ほど過ごした。針の木小屋の水場はなかなかの距離があり、扇沢方面へ下りで20分ほどかかった。

9月10日(金)9日目 天気 晴れのち曇り時々雨

4:00針の木小屋~4:46針の木岳~7:58赤沢岳~9:29新越乗越山荘~種池山荘12:07~14:40赤岩尾根分岐~14:50冷池山荘

針の木岳で朝日を見ようとするがなかなか太陽が顔を出してくれない。出発しようと準備を始めるとだんだん空が明るくなってきた。結局頂上に50分ほどいた。種池山荘では、登山者に羊羹とグミをいただいた。また、日帰り登山客が大勢いてそれを見ているといっきに集中力が切れてしまった。結局1時間ほど時間を潰す。冷池山荘では12リットルの水を買ったが、全部で700円にまけていただいた。

9月11日(土)10日目 天気 晴れのち曇り

4:00冷池山荘~6:43鹿島槍ヶ岳~9:10八峰キレット~10:56口ノ沢コル~14:21五竜岳

八峰キレットは一年生二人とも危なげなく通過する。五竜の登りは私自身1年生時に登った時の辛いイメージが強かったが登ってみるとあっさり登れてしまった。自分の成長を感じた山だった。夜は台風の時以上に暴風雨となってしまった。

9月12日(日)11日目 天気 雨

停滞

昨日に引き続き時折強い風が吹く為停滞を決定。昼前にはテン場のテントは私たちのテントだけになる。飛ばされてしまったテントも二張りほどあった。夜は雷が止まず、山荘に一時避難した。

9月13日(月)12日目 天気 雨

9:30五竜山荘~11:15唐松山荘

雨・風が弱まったのをチャンスに行動開始するが10分もすればまた強まってきた。幸い唐松山荘手前のクサリ場では弱まり、一気に山荘を目指す。

9月14日(火)13日目 天気 ガス時々雨

停滞

朝からの小雨と濃い霧が止まなかったので停滞を決める。

9月15日(水)14日目 天気 晴れのち曇り時々雨

5:20唐松山荘~5:39唐松岳~8:40帰不キレット~10:00天狗の頭~11:18天狗山荘

唐松の頂上でメットとハーネス装着の指示を出す。準備が終わり出発しようとすると、ヤマケイjoyの担当者に話かけられ写真を撮っていただいた。もしかすると来年のヤマケイjoyに載るかもしれないそうだ。キレットはロープもfixもせずに通過。帰不キレットで長めの休憩をする。天狗の大下りはスイスイと登る。今回のメンバーの特徴としては、休憩時間を多めに取る分、登下降は早いという性質がある。

9月16日(木)15日目 天気 雨

3;30天狗山荘~白馬山荘(頂上直下)6:50~10:15雪倉避難小屋~11:50雪倉岳~14:15水平道分岐~15:50朝日小屋

今日の行動時間は長く、また前半の登りも特に危険箇所はないので、ヘッデンのない飯田をカバーしながら通常通りの時間で出発する。白馬山荘に到着する頃には全員体が冷え切っていたため1時間ほど山荘にこもる。白馬からは視界が悪くなってきたので飯田がトップで行動開始。雪倉非難小屋手前で雨風の勢いがピークに達したので迷わず非難小屋に入る。小屋ではガスをたきながら着替えやレーションを行う。小屋には1時間ほどいた。雪倉岳からは淡々と下る。水平道の木道は晴れていれば綺麗で静かないい場所である。

9月17日(金)16日目 天気 雨

8:00朝日小屋~8:50朝日岳~12:10黒岩岳~13:20サワガニ山~北俣ノ水場14:00~15:00栂海山荘

前日の乾かし物がまだ不十分であったのと、全員疲労が強かったため出発時間を遅らす。朝日岳から黒岩岳まではキツイ左からの横風と雨だった。登山道の木道は去年よりも整備されているような気がして、とても歩きやすかった。北俣ノ水場では三人で水を取りに行く。最後の登りから山荘まではとても長く感じた。

9月18日(土)17日目 天気 晴れ

7:00栂海山荘~8:20菊石山~10:40白鳥山~12:40坂田峠~15:20親不知

昨日は出発時間を遅らせすぎたため今日はタイムテーブル通りに行動しようとするものの、飯田の朝からの下痢が止まらないため出発時間を遅らす。7:00発となると親不知着が16:00頃になってしまうためスピードを上げて行動するが、急な坂の連続な為スピードに乗り切らずなかなかタイムが縮まらない。菊石から白鳥の登りにかけてようやくタイムが縮んできた。坂田峠からは2時間で親不知に到着する。

総括

今回の山行は私自身リーダーとして二回目となる山行であった。また、前回の奥秩父主脈全山縦走を失敗に終わらせている事もあり、とても緊張していた。夏合宿終了後、高木先輩と設楽先輩とで計画を縮めた方が妥当かもしれないという話し合いもあった。しかし、私の中では一年生の時に感じた親不知へ到着した時の感動を今年の一年生にも味わってもらいたいという思いが強く、当初の予定の上高地から親不知という計画のまま実行した。

今山行を振り返って見ると、私自身とても成長出来たと思う。天気図を書いたり読んだりといった技術的なものから、後半になるにつれて、山を見るだけで、現状のメンバーの体調を踏まえた、その山のだいだいのコースタイムが分かるようになってきた。これは実際に長期間山に入らないと得られない技術である。また、リーダーという立場の重要性と難しさがよくわかった山行になった。隊はリーダーの命令にそって動き行動する。当たり前だがリーダーがだらだらしていたら隊全体もだらだらとしてしまう。疲れていても、隊を引っ張っていかなければならない立場にあるリーダーはなによりも強い意志が必要であると感じた。私はこの部分が弱く、途中何度も隊全体がだらだらとした行動になりかけた。これからはこの部分に意識を置き、強い意志を持って山に登っていきたい。また、一年生の二人は、本当によくがんばったと思う。二人とも足首は靴擦れでボロボロ、横山に関しては爪がはがれても頑張っていた。そして、私が望んでいた以上のサポートを二人からは得られた。二人のサポートあっての計画遂行だったと感じる。この経験を元にどんどん山に夢中になっていってもらいたいと思う。

最後に、今回の山行は下界での監督、コーチ達、先輩のサポートあっての完遂だと思う。本当にありがとうございました。

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