1990年 ネパール 山岳部現役学生によるアイランドピーク峰(6,196m)登頂

春山合宿 ヒマラヤ行動報告

場所 ネパール クーンブ山域
期日 成田発2月18日(日)~成田着4月4日(木)
登山期間 ルクラ発3月1日~カトマンズ着3月25日
メンバー 菊谷、田端、野本、家口

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3/1(木)曇り ルクラ~パグディン

カトマンズ10:10~ルクラ10:50 / 発15:00~パグディン着18:00

待つこと6日。ついにルクラへ飛行機が飛んだ。メンルンツェを横目に大揺れに揺れてルクラの坂道飛行場に降りたった。ルクラでTHTに頼まれた荷物が何者かに盗まれる等の事件があったが、酸素のシリンダーを手に入れた後、ヤクに荷物を積み、トレッキング出発。明治の大川君と明学の山本君のICCの二人と一緒の登山隊のように出発し、無事パグディンに到着する。

3/2(金)曇り パグディン~ナムチェ

パグディン発8:20~レンジョ11:45 / 12:30~ナムチェ着18:00

朝、雨対策をもう一度万全にし、1時間くらいかかる朝食を終え、先に出発したヤクを追っかける。前日は雨が降っていたが、道はしっかりしている。上高地から横尾のような道だ。二度ほど吊橋を渡り、レンジョで昼食を食べる。そこからナムチェまでずっと登りで途中でエベレストの見える小屋があったが霧がかかっていた。ナムチェでは尊重さんの経営するロッジで世話になる。

3/3(土)晴れ ナムチェ滞在

今日一日で買い出しと高度順化を行う。酸素のシリンダーを購入し、装備を揃えた後に、エベレストビューホテルへ順化行動に行く。途中博物館によった後、雪の残るドロドロの道を登る。道を間違えて手前の丘を登ってしまうことなどあったが、素晴らしい展望が望めた。夜は、順化行動の影響からか、頭痛を訴えるものもいる。後から高度の影響がでるというのは本当であった。

3/4(日)晴れ ナムチェ~タンボチェ

ナムチェ発9:10~プンキ12:00 / 1:10~タンボチェ3:10

エベレストビューのあるクムデの丘を巻き、穏やかな景色を楽しみながら歩く。昼食を食べたプンキからは急な登りで息がきれる。タンボチェの寺院は焼けてしまったそうだが、加藤保男らの碑は立派に残っていた。

3/5(月)晴れ タンボチェ~ディンボチェ

タンボチェ発8:50~パンボチェ10:20 / 12:50~ディンボチェ着14:50

まだ雪の残るところが多く時々滑る。マニ石の列の左側を通ってしばらく行くとイエティの頭皮と手の皮があるというパンボチェの寺院に着く。そこで昼の休憩をとった後、右にアマダブラムを見ながら歩き始める。二股の川の橋を渡って平らな所に出ると、プモリやロブジェが見え始める。早く着いたためディンボチェの裏の丘を登って順化する。

3/6(火)晴れ→曇り ディンボチェ滞在

ディンボチェ発9:30~ポカルデ東の丘12:10~着13:10

今日は、順応日ということでポカルデの東の丘に登った。5280mの丘でさすがに疲れる。150mほど登ったところで田端が頭痛を訴えたので降ろさせる。頂上からポカルデまではとても遠く見えた。

3/7(水)晴れ ディンボチェ~チュクン

ディンボチェ発10:05~チュクン12:45

今日の行程は短く、ゆっくりできた。菊谷、家口はローツェ南壁下部100mくらいを登る。チュクンはアマダブラムがよく見える。

3/8(木)晴れ チュクン~BC

チュクン発9:40~BC着1:20

今日でBC(5016m)に入った。本当なら5100m付近に張る予定であったが、水が得られぬとのことでBCの位置を下げてしまった。また、ここでは食天を作るための石が少ないため、ゴアツェルト1つを食料テントとし、1つを器具テントとする。サーダーは我々と一緒ので寝ることとなり狭くなってしまった。ヤクは5日後に来る約束し、降りていった。今日の行動も長いものではなかったが、非常に疲れる。

3/9(金)晴れ BC~5400m~BC

BC発8:45~5400m12:30~BC着13:30

今日の予定は休養日であったが、BC整理は特にすることもないため、荷上げをすることにした。本来のBCの位置までは平坦な道である。そのパレシャヤギャブからは踏み跡づたいに登っていく。あわよくばACまでと考えていたが、5400m付近で見上げたルンゼに恐れをなして左側にあるキャンプの跡地に荷物をデポしてしまった。15分に一度の割合で休んでいる。夕方から雪がチラついていた。

3/10(土)晴れ BC~AC~BC

BC発7:40~取りつきパレシャヤギャブ8:20~5400mデポ地9:40~AC13:50 / 14:30~BC着15:50

昨日よりだいぶ体が楽になっている。特に2年3人は順化うまくいってるようである。前日のデポ地で酸素のシリンダー等をザックにつめこみ、ルンゼの内側を登っていく。ちょうど屏風の1ルンゼをつめているような感じである。上部までつめてから右側に大きく見えるリッジをトラバースぎみに登って行く。そのリッジの先にもう一本のこぎり状の狭いリッジがあり、直上するとIV級程度の難しさとなる。我々は一度そこでいきづまり、右側の広いルンゼに降りていった。この辺からは5分に一度休むかのようなかんじである。

ACは5800mほどのところで、氷河の取り付きのほんの手前である。あまり良い場所とはいえない。ツエルトにくるんで装備と食料をデポして引き返す。下る時に水のない場所にテントを張ったイギリス人が多人数で来ていた。

3/11(日)晴れのち曇り BC~AC

BC発8:30~AC12:45

前日よりも、より楽になってきている。朝もゆっくり出発したため行動にも余裕がある。しかし、ACについてみると大変であった。昨日デポしたツエルトがビリビリになって破れており、食料装備が散らばっている。からすの仕業で、食料の半分以上が食べられてしまった。余った食料を集めてなんとか一日分の食料はあるが、SPの食料がなくなってしまった。

ACは狭い棚のところで、板状の岩をしきつめテントを張れるように整地する。次ぎにテントを張るときになって、内張りが小さいのに気がつく。この大きなミスに呆然とする。なんとか誤魔化して内張りをはった後、家口と菊谷でクレバス帯を偵察する。小さなクレバスはあるがなんとかFixをはらなくとも大丈夫のようだった。途中でICCの二人に会い、ルートの様子を教えてもらう。

その夜は寒く眠れぬ夜を過ごす。しかし夕焼けに浮かぶマカルーは素晴らしかった。

3/12(月)雪 アイランドピーク登頂

AC発7:50~雪壁下部9:00~ / 10:00~頂上12:30 / 12:50~AC着14:40 / 15:50~BC着18:45

朝起きてみると雪が5cmほど積もっており、最悪のコンディションである。しかし、この場所にもう1日とどまるには、調子が悪くなりそうであるし、食料もない。5時半には起きていたが、しばらく晴れるのを待って出発する。田端以外はあまり調子がよくない。最初のリッジ状の岩壁でのトラバースでの危険を考え、ACからアイゼンをつけザイルを結びあう。ザイルオーダーは野本・菊谷パーティと、田端、家口パーティである。リッジ状の岩壁はスタカットでぬけ、そのままタイトロープで氷河の通過を行なう。最初に40cm程のクレバスがでてくるがピッケルを対岸につくことで跨ぐ事ができる。次に斜面をトラバースし、もう一度クレバスを跨いで、ブリッジ状になったところを確保しながら通過する。そこから広い雪原にでたところで1本休む。その頃から晴れ間は時々見えるが、雲の動きがとても早くなる。雪壁の取り付きには深いクレバスが横たわり、唯一通過可能なボコボコと盛り上がった氷を登る。5mほどの氷を登った後に、ルンゼ内を田端トップで登っていく。稜線までは全部で4ピッチほどで、下部2ピッチは菊谷・野本でFixする。上部1ピッチは急な斜面で、田端・家口が登り切った後、風が強くなり雪煙が上がり視界が悪くなる。待っている間ずいぶん寒い思いをしていた。稜線からは柔らかい雪質のナイフリッジで、ピッケルを突き刺しながら慎重に進む。

頂上は広い稜線でローツェ南壁などまったく見えない。あそこが頂上だなどと何度かだまされた後突然広いところに出て頂上についた。頂上でひとしきり感動しまくった後、部旗をとりだして写真を取る。20分ほどで頂上から下りはじめるが、南西から吹く強風のため緊張を解けない。ルンゼを下るときにはスノーバーをだし、最後に菊谷が下る。後向きにダブルアックスのような形になるためひどく緊張する。Fixロープの位置までくると安心であるが、回収に手間取ってしょうがない。そのため、田端家口は先行させ、ACの撤収をさせることとする。菊谷・野本でFixの回収を行うが、アイスピトン等の回収が時間を食い、寒さのため体力も消耗する。ACの跡に着いたときには菊谷が呼吸困難であったので酸素を使用することとする。酸素を吸ってからはとたんに回復し、下山に問題はなかった。荷物も重く、疲れているため、ゆっくり自分たちのペースで下りる。暗くなってしまったが、全員BCに着いたときはほっとしたとともに深い満足感があった。

その夜はサーダーの作ってくれた飯を食べ、ぐっすり眠る。

3/13(火)晴れ BC~チュクン~ディンボチェ

BC発12:30~チュクン14:00~ / 15:00~ディンボチェ着17:50

今日はゆっくり休養と思っていたが、14:00にくるはずのヤクが11:30には参上。急いでBCをたたみ、出発する。チュクンでサーダーとヤクを待った後、ディンボチェへ向かう。

3/14(水)晴れ ディンボチェ~ロブチェ

ディンボチェ発9:30~ツクラ11:20~ / 11:45~ロブチェ着14:00

ペリチェの上の広い大地を通ってロブチェへ向かう。左手にはタボチェとチョラチェが大きく見える。途中でヤクが死にそうになってしまい、大変であった。

3/15(木)晴れ ロブチェ~ゴラクシェップ

ロブチェ発11:40~ゴラクシェップ着13:30

今日カラパタール登頂の予定であったが、疲れていたので明日登頂することにした。そのため、食料などの残りを村の人に売ることになった。あまり高く売れずにがっかりする。

3/16(金)晴れ カラパタール登頂~ロブチェ~パンボチェ

ゴラクシェップ発5:55~カラパタールPEAK7:20 / 40~ロブジェ11:30 / 11:45~パンボチェ着15:45

久しぶりの早起き行動で、頭がパッとしない。しかも、朝食前ということで、腹が減ってしょうがない。非常に冷える中をしばらく歩いていくと、突然まわりが明るくなり、エベレストとヌプツェの間から朝日がさしてきた。カラパタールとはいえ5450m。さすがに多くの人が訪れるだけはあって、エベレストこそ逆光であったが、プモリは最高だった。

3/17(土)晴れ パンボチェ~ナラ

パンボチェ発8:30~ドーレ13:15 / 13:35~ナラ着15:20

今日の朝出発してきたパンボチェのバッティはよかった。新しい小屋であって眠りも浅かったようだが、今日のこのナラでは我々はヤクの寝床で寝ることになった。今日の行程は長いということなので、8:00には出発できるように7:00飯ということで頼んでおいた。

今日からはヤクと別れ、サーダーのみとゴーキョ行きである。ポルツェまでは陽のあたる、川の右岸を巻いていく。ポルツェでは休まず、トーレまで行く。途中はレーションですませる。トーレからは長い下りである。

3/18(日)晴れ ナラ~ゴーキョ

ナラ9:05~ゴーキョ11:50

今日で日本をたってから一カ月となる。朝はゆっくりと出発した。左に氷河期を見ながらのんびり自分たちのペースで歩く。沢筋を抜けると二つの湖はあらわれ、絶景のコースである。ゴーキョは案外広い町である。

3/19(月)晴れ ゴーキョピーク登頂~ゴーキョ~ドーレ

ゴーキョ発6:30~ゴーキョピーク着8:00 / 8:40~ゴーキョ着9:30 / 10:15~ドーレ着

5480mゴーキョ登らずしてゴーキョ語れずである。最高の景色でびっくりする。チョーオユー、ギャチュンカン、ゴジュンバカン、チョモランマ、そのノースコル、ゴジュンバ氷河と有名どころが目白押しである。菊谷とサーダーが咳がひどく消耗している。下りは早かったが、ゴーキョでついついのんびりしてしまった。ゴーキョからドーレへの道は、雪が解けてドロドロである。菊谷は登りではひどくつらい状態である。

3/20(火)晴れ ドーレ~ナムチェ

ドーレ発8:00~エベレストビュー11:05 / 13:00~ナムチェ14:00

懐かしのアンプルバ村長の宿に到着。もうすでに雪が解けている。ドーレからの道は対岸から見たように急な登りがでてきて菊谷は遅れ気味である。峠で休んで、クムジュンにむかう。クムジュンからはエベレストビューに向かいそこで昼飯休憩をとる。

ナムチェに着くとICCの二人にあう。

3/21(水)晴れ ナムチェ休養

今日は一日休養として、装備を売ったり、両替をしたりで過ごす。久しぶりのシャワーを浴びたり、うまいものを食べたりして疲れをいやすことができた。

3/22(木)曇りのち雨 ナムチェ~ルクラ

ナムチェ発7:35~パグディン12:08 / 13:10~ルクラ15:00

ナムチェをたち、ついにルクラに着く。着いた瞬間から急に雨が降ってくる。夕方には、あすの欠航が決まる。

3/23(金)雨強 ルクラ滞在

今日はチェスやらトランプやらをやって長い一日を過ごす。

3/24(土)曇り ルクラ滞在

朝起きてみると窓の外は雪景色である。昨晩は雷まで鳴っていた。不貞腐れて

3/25(日)晴れ ルクラ~カトマンズ

朝7時に飯を食って、急いで出発の準備をする。9:30頃には飛行機も現われ、全員の拍手とともに長いルクラ生活に終止符を打った。と同時にトレッキングの終了に深い満足を得た。帰りはサーダーの故郷の真上を通る。

一月足らずの間に、6169mのアイランドピークと、5450mのカラパタールと、5480mのゴーキョピークに登ってきたわけだが、この経験が次ぎなる山へとつながっていくと良いと思う。

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