2月7日 ホワイトアウトナビゲーション実習日 中山展望台にて赤岳をバックに集合写真を撮影する
2019年度 アイスクライミング講習会報告書
日本大学山岳部
目的 | 雪山安全登山の知識向上、アイスクライミング技術の習得 |
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主催 | 公益社団法人 日本山岳会学生部 |
山域 | 八ヶ岳 |
日程 | 令和2年2月5日(水)~令和2年2月7日(金) 移動日1日、実働日2日 |
メンバー | 3年 氏神拓真 1年 米山未羽 他大山岳部講習生 講師1名 L.松原 尚之氏 (日本山岳ガイド協会認定 登攀ガイド) |
行動報告
2月5日(水)移動日 晴れ 気温1℃
新宿駅(高速バス)20:15~23:18茅野駅(ステーションビバーグ)
定刻通りに茅野駅へ到着する。一番遅い時間のバスで到着したので、既に駅構内には他の参加者がステーションビバーグをしていると思ったのだが、自分たち以外には誰もいなかった。駅構内は暗く、静かであったため、非常によく眠れた。
2月6日(木)アイスクライミング講習 晴れ 気温−15℃
茅野駅6:00~(タクシー移動)6:30八ヶ岳山荘8:00~8:30河原奧~(アイスクライミング講習)13:30~14:00八ヶ岳山荘
予約していたタクシーに乗り込み、八ヶ岳山荘に到着する。点呼を取り、各々自己紹介を済ませた後、早速河原奧へ向かう。河原奥までの道のりに一カ所渡渉地点があったが、問題なく通過する。
河原奧に到着後は、松原ガイドにアイスクライミングに関しての留意点等の説明を受け、ロープを張りに行く。ロープは松原ガイドがリードで上まで行き、ロープを垂らした。今回は参加者が17人と例年に比べて多かったため、あまり回数をこなすことはできなかったが、米山は初めてのアイスクライミングを非常に楽しんでいた。アイスクライミングを楽しんだ後は、スクリューの差し方やアバラコフの作り方を教わった。
氏神がロープを回収した後、山荘近くに戻り、今度はツェルトの張り方を教わった。一般的なツェルトの張り方のほか、滑車とプルージックを使った今まで見たことのないやり方での張り方も教わることができた。また、実際にツェルトを張ることができたので、より理解を深められた。山荘に戻ってからは、5年前の2月、阿弥陀岳の事故の原因や対策の話し合いや、翌日に行われるホワイトアウトナビゲーションの下準備を行った。
2月7日(金)ホワイトアウト・ナビゲーション実習 快晴 −12℃
八ヶ岳山荘6:00~8:30赤岳鉱泉8:45~9:20中山展望台9:30~1250美濃戸中山13:30~17:10八ヶ岳山荘
山荘内で朝食を食べた後、赤岳鉱泉経由で中山展望台へと向かう。中山展望台で集合写真を撮ってから、二班に分かれ、早速ホワイトアウトナビゲーションをしながらゴール地点へと向かう。
一番目のポイントに向かう途中、ホワイトアウトナビゲーションのやり方を勘違いしていたため、ポイントより大分右側に出てしまうが、高度計を用いて修正できた。二番目のポイントへの道中から藪が深くなっていき、道なき道を進み始める。藪漕ぎに加えて美濃戸中山手前からは膝上程度のラッセルが始まる。美濃戸中山を登る途中に米山が股関節の痛みを訴え始める。日頃からたまに痛むところであるらしいが、不安定な場所を歩き続けていることで再び痛みが生じてしまったらしい。荷物を分けて、三番目のポイントへと向かう。
三番目のポイントには目に付く印がなかったが、高度計を用いながら問題なく到着する。続いて四番目のポイントへ向かうが、このあたりから倒木や巨石が増えてき始め、ますます歩きにくくなってくる。引き返したり、巻き気味に歩いたりしているうちに再びロストしてしまった。そうこうしている間にホワイトアウトナビゲーションの終了時間になってしまったので、尾根に上がり、別班と合流し、帰路につく。帰りは南沢登山道より美濃戸口へと向かった。美濃戸山荘にて講師の松原ガイドにお礼を言ってから解散した。
振り返って
今回は2年ぶりのアイスクライミング講習の参加となった。講習では普段の山行では知ることが出来ないような知識を教えてもらうことができたほかに、米山はもちろん、自分にとっても初めてとなるアイスクライミングができたことは、非常に有意義な時間であった。特にホワイトアウトナビゲーションにおいては、普段自分たちが行っているログ取りがいかに正確性を欠けるかを思い知らされた。また、講習を通して他大学とも交流をすることができた。
自分は普段あまり他大学との関わりが無かったので、他大学の山岳部員がどのような考えの基、どのような登り方をしているのかを知ることはなかった。しかし、今回他大学と一緒に登ることで自分にはないやり方や考え方を知ることができ、山の上での選択肢を増やせた気がする。また、他大学の学生の実力を知ることができたことは、トレーニングに対するモチベーションの向上にもなった気がする。今回講習に参加した我々以外の当部の部員にも、是非他大学の学生と関わって刺激を受けてほしい。
最後に、今回我々にわかりやすく指導をして頂いた講師でプロガイドである松原氏には感謝申し上げます。本当にありがとうございました。今回学んだ知識は当部全体に共有し日大山岳部の更なるレベルアップに努めて参ります。
(報告者:氏神拓真)