↑ 鳳凰三山;薬師岳
2012年夏山個人山行報告書
日本大学山岳部
山域 | 南アルプス北部 |
---|---|
期間 | 平成24年9月3日(月)~10日(月) |
メンバー | 3年 関洸哉、横山裕 2年 山浦祥吾 1年 賀来素直、須郷直也 |
行動
9月3日(月)移動日
新宿西口発高速バス22:00~00:10甲府駅
9月4日(火)入山日 曇り後雨
甲府駅(タクシー)04:20~05:10夜叉神峠登山口06:10~07:30夜叉神峠~10:10大崖頭山~13:05南御室小屋CS①
新宿から2時間程で甲府駅に到着する。平日だと夜叉神峠に向かう早朝発のバスがない。タクシーの運転手さんと話をし、5人(ザック含む)ならタクシー2台よりもジャンボタクシーの方がお得という事で、それをお願いした。バス乗降所で睡眠をとり出発する。夜叉神峠登山口に着いた頃には明るくなっていた。
大崖頭山まではひたすら登りで、荷物の重さと睡眠不足でペースが上がらない。途中から雨が降り出したため雨具を着用する。黙々と歩き続け、南御室小屋に到着する。皆疲れが溜まっていたため、到着後すぐに寝てしまった。
9月5日(水) 晴れ
CS①04:00~05:40薬師岳06:10~08:00赤抜沢ノ頭08:45~10:20白鳳峠~11:45広河原峠~早川尾根小屋CS②
出発して1時間くらいで森林限界を超え、白砂のザレ道を進む。富士山も間近に見えて気持ち良い。薬師岳では北岳バットレスを40年登っているというおじさんに、北岳を眺めながらバットレスの概念を教えてもらった。薬師岳からはアップダウンの繰り返しで結構つらい。赤抜沢ノ頭で長めの休憩をとった。
メンバーで話し合い、明日甲斐駒ケ岳に行くのは歩行速度や行程、疲労度を考えて、やめることにする。
9月6日(木) 曇り
CS②05:00~07:30アサヨ峰07:50~10:00仙水峠~10:50北沢峠(北沢駒仙小屋)CS③
朝焼けで北岳が赤く染まっている。北側から見る北岳は素晴らしいものであった。ハイマツ混じりの岩稜帯が続いており慎重に通過する。稜線上は風が強く当たると寒い。栗沢山から仙水峠へは、かなり高度が下がるため、仙水峠から見る甲斐駒ケ岳は遠く感じる。仙水峠から北沢峠に下りて天場に到着する。天場はとても広く、小屋では詳細な天気情報を得ることができた。夜中にネズミにレーション(飴とチョコ)をかじられてしまった。
9月7日(金) 晴後曇り
CS③05:00~06:00仙水峠~07:10駒津峰~08:10摩利支天~09:05甲斐駒ケ岳09:45~10:30駒津峰~11:20仙水峠~12:20CS③
駒津峰まで賀来と須郷にトップをやらせる。荷物が軽いため皆足取りが軽い。駒津峰を越えたところでメットを着用し、慎重に進む。時間に余裕があったため、摩利支天に立ち寄ってから甲斐駒ケ岳に登頂した。下降は直登ルートを使い下りる。頂上へ突き上げるルートで、登るならこのルートの方が気持ちよく楽しいだろうと感じた。
ネズミ対策として、石を積み重ねテントの前室に入らせないようにしたが効果はなくまた現れた。そのため食糧をテントの中に入れ就寝する。
9月8日(土) 曇り
CS③04:00~06:30藪沢・小仙丈ヶ岳分岐~07:40小仙丈ヶ岳~08:50仙丈ヶ岳09:20~12:05高望池CS④
朝は霧で覆われていたが小仙丈ヶ岳では晴れ間がのぞいた。仙丈ヶ岳から大仙丈ヶ岳までの岩稜帯を進み、それを超えるとだらだらとした長い樹林帯が続く。高望池まで近いようでなかなか着かず、精神的にも疲労が溜まる。伊那荒倉岳は目立たぬピークであるが、三角点の横に標識がポツンと置いてある。これを下って高望池に到着する。高望池は涸れており、ごみが散在していた。テントは2.3張り張れるスペースはある。水は長野県側に50m下ると出ており、往復5分くらいで行ける。
9月9日(日) 晴れ後曇り
CS④03:55~05:40野呂川越~08:50三峰岳09:30~10:15間ノ岳11:00~12:15北岳山荘CS⑤
野呂川越まで倒木が多く歩きづらい。三峰岳手前から岩稜帯になり、天気も良くて気持ちがよい。少し危険な箇所がいくつかあり、気を抜かずに通過する。三峰岳からの眺めは素晴らしく、頂上でゆっくりする。北岳山荘に着いた頃に、空は雲で覆われてしまった。
9月10日(月) 晴れ後曇り
CS⑤04:30~05:40北岳06:05~06:45小太郎尾根分岐~07:50白根御池小屋BC09:10~10:30広河原11:40~13:15BC
朝は風が強く寒かったが、天気は良い。遂に縦走の最後のピークである北岳に到着した。次の日にバットレス登攀が待っているせいか、メンバー全員安堵した様子はないように感じた。頂上で写真を撮り、バットレスを覗き見てから下降を開始する。白根御池小屋にはあっという間に到着した。賀来は今日下山するため、山浦が付き添い下山する。須郷はBCに待機させ、関と横山はバットレスの偵察をした。
総括
この個人山行では、夏合宿で出た多くの反省を踏まえて挑んだ。その点で1年生は2人だけの参加になってしまったのは残念だが、賀来、須郷にとってはとても成長できた山行であったと思う。体力、生活技術は初夏、夏合宿と比べとても良くなった。
前回私がリーダーとして行った縦走では、怪我人を出してしまいメンバー全員での完遂は出来なかった。今回、何事もなく全員で北岳に立てたことは自信にもなり、うれしく思う。これもメンバーのサポートのおかげである。メンバーシップ、コミュニケーションの重要性を改めて感じた。
これから冬に向けての秋合宿、初冬合宿には主将も加わる。私自身の役割をしっかりと考え、サポートできるようにしたい。
(報告 関)