12月2日 唐松岳頂上にて (撮影:國谷主将4年)
山行報告書
日本大学山岳部
目的 | 生活技術の確立、雪上技術の向上、リーダーシップ・メンバーシップの向上 |
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山域 | 北アルプス北部 八方尾根 |
日程 | 平成30年11月30日(金)~平成30年12月4日(火) 移動1日、実働4日 |
メンバー | 4年 CL國谷良介、SL高橋佑太 3年 川村洸斗、近藤歩、白土朝香、新保裕也、田邊カレン、福島端流(12/2~) 2年 氏神拓真、野上博史、原島千尋、藤本武流、前田雄飛、村上洋道、山田哲平 1年 川田真人、安田光助、山崎颯太 OB 賀来素直コーチ、横山裕OB 計20名 |
行動報告
11月30日(金)移動日
バスタ新宿~白馬八方バスターミナル
高速バス2台で新宿を出発。バスターミナル前でビバークをさせていただく。
12月1日(土)入山日 雨のち雪 4℃ 積雪50cm
白馬八方バスターミナル05:40~兎平09:00~10:45黒菱平11:20~12:10八方池山荘~14:30八方池BC
スキー場が営業しておらずゴンドラが使えないので出発を早める。小雨が降る中、まったく雪が無いスキー場を登る。藤本の体調が優れずペースが上がらない。7:30頃から雪に変わり、斜面にもうっすら雪が見え始める。
兎平を過ぎで山崎と川田が靴擦れを訴えたので処置しているうちに、横山OBと合流した。一本の度にレイヤリングやパッキングに手間取り時間を食う。黒菱平からは足首程の積雪。八方池山荘からは深くても膝程度。強風に煽られながら八方池まで進みBC適地を探す。積雪が少なく風防を作れない為、ハイマツで少しでも風を遮れそうな場所に天幕を設営した。
12月2日(日) 晴れ −7℃
八方池BC05:00~07:45丸山ケルン~09:05唐松岳頂上山荘~09:30唐松岳~11:20扇雪渓(雪上訓練)12:50~13:40八方池BC
訓練の予定だが合宿中一番の好天予報なので唐松岳アタックする。賀来コーチと横山OBは、本日入山の福島を迎えに行っていただく。夏道はトラバースしているルートも稜線沿いに進んだが、一部膝上までのラッセルと濃い樹林帯に入り込み時間が掛かってしまった。樹林帯を抜けてからは快調に進めた。風で雪が吹き飛び地面が露出している箇所と吹き溜まりとがまばらに出てくるが、クラストしたところは無くアイゼンは着けずに歩く。
山荘手前の岩峰はロープが設置されており安心して通過できた。山荘からも特に問題無く山頂に立つ。山頂は剱岳が綺麗に見える素晴らしい景色。夏に後立山連峰を歩いた1年生は雪のついた五竜岳や不帰を指差し感慨深そう。帰りは訓練場所の確認の為、扇雪渓に寄る。扇雪渓の積雪は20~50cm。吹き溜まりでやっと1m程度。1時間歩行訓練を行い帰幕する。帰幕中も訓練を兼ねてアイゼンを装着して歩いた。 BCには福島が到着していた。
12月3日(月) みぞれ 1℃
八方池BC05:00~06:45扇雪渓(雪上訓練)13:00~13:40八方池BC
小雨の中、扇雪渓に向け出発する。歩行訓練と雪崩捜索訓練を行う。捜索はなかなか要領を得ずうまくいかない。コミュニケーションも足りていない。途中、白土が体調不良、藤本が股関節痛の為訓練を外れツェルトで休ませる。
雨混じりのみぞれで服が濡れてかなり体が冷やされる。白土と藤本は横山OBに付き添ってもらい先にBCに帰幕する。残りは最後に弱層テストを説明してから訓練終了した。入山日は真っ白だった景色が斑になってきた。昨日の日射と今日の雨で雪がかなり融けてきている。
12月4日(火)下山日 雨のち曇り 3℃
八方池BC07:20~10:55八方池山荘~11:30黒菱平~12:05兎平~13:40白馬八方バスターミナル
途中下山の藤本に付き添い賀来コーチ、横山OBが予定通り下山する。テントの下が水溜りになった為、他に設営できそうな場所を探すが八方池周辺はどこも雪解けが進み立てられそうにない。雪が無くては、テントを固定できず、更に風防ブロックも構築できていない。今夜から明日にかけて、日本列島を寒冷前線が横切る。強風に耐えられないうえに、以降まともな雪訓もできそうにないので、残りのメンバーも訓練日を2日残して本日の下山を決める。BCを撤収して八方池から第2ケルン背負い搬送訓練をしてから下山を開始する。1年生は靴擦れに苦しみながら雪の無いスキー場を下り初冬合宿は終わった。
ふりかえって
初冬合宿では私が入部して以来初めて唐松岳に登頂することができたのは良かったものの、第一の目的の雪上訓練は殆どできなかった。少し積もった雪も暖冬の為に日に日に融けてこれからの積雪期合宿に不安の募る結果となってしまった。冬山合宿は迫っている。今回の初冬合宿は本来の目的を果たすことが出来なかったが、これから冬合宿までの間に下界でできることをしっかり準備していくしかない。
(報告者:國谷良介)