↑夜叉神峠小屋の前で一本
2013年度冬合宿報告書
日本大学山岳部
目的 | 縦走計画の遂行 |
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山域 | 南アルプス 鳳凰三山、仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳 |
期間 | 平成25年12月27日(金)~平成26年1月9日(木) 移動日1日、実働6日、予備日7日 |
メンバー | 3年 CL山浦祥吾 2年 M賀来素直、宝迫哲史 1年 井上理、桧山泰平、水越健輔、山縣巧 |
行動
12月27日(金)移動日
新宿18:00〜20:10甲府
篠崎に見送られ新宿を出発。大谷監督、篠崎、加藤からお土産を頂く。甲府はかなり冷えている。
12月28日(土)甲府駅〜夜叉神峠CS1 晴 -6.0℃
甲府駅5:30〜06:30夜叉神峠CS1
朝起きると2年部員の宝迫に熱が出る。38℃近くある。南御室小屋まで行く予定だったが、夜叉神までタクシーで移動しテントを張ることにする。夕食を食べるころ宝迫の熱は37℃まで下がっている。
12月29日(日)夜叉神峠CS1~杖立峠CS2 晴 -5.0℃
夜叉神峠CS1 06:20〜08:00夜叉神峠小屋08:15〜11:30杖立峠CS2
西側の稜線も穏やかで晴れている。宝迫の熱が少し下がる。ゆっくりと歩き出すがなかなかペースが上がらない。宝迫の様子を見て杖立峠でテントを張ることにする。夜まで熱が下がらないので明日下山させることにする。終始積雪は10cm程度。
12月30日(月)杖立峠CS2~夜叉神登山口~杖立峠CS2 晴 -10.0℃
杖立峠CS2 09:00〜10:30夜叉神登山口11:00〜12:50杖立峠CS2
山浦、水越の二人で具合の悪い宝迫を夜叉人峠まで下ろす。他のメンバーは天幕に待機とする。夜叉人峠に到着し、ちょうど芦安に向かう他の登山者にお願いして宝迫を同乗させて頂くことができた。宝迫を見送り急ぎ皆が待つキャンプサイトに登り返す。問題なくCS2に到着する。
12月31日(火)杖立峠CS2~南御室小屋~薬師岳〜観音岳〜鳳凰小屋上部CS3 晴 -8.0℃
杖立峠CS2 06:10〜11:00薬師岳11:10〜11:50観音岳12:00〜13:20鳳凰小屋上部CS3
桧山が少し遅れているが、全体的にいいペースで歩き続けている。稜線上は北西からの風が強く雪は少なめ、9月の状態とあまり変わらない。富士山は綺麗に見えるが、北岳、仙丈ヶ岳はなかなか見る事が出来ない。地蔵岳の手前に着く頃、風は落ち着きはじめ甲斐駒ケ岳、北岳は迫力ある姿を見せていた。天幕可能なのは白鳳峠ないし広河原峠だと見ていたが、少し疲れが見え始めている。賀来と山縣に赤抜沢ノ頭近辺に天幕可能地がないか偵察に行ってもらうも可能地はないようだ。残り時間や、やせ尾根の通過を考慮して早川尾根には入らず、鳳凰小屋上部の稜線で設営する事にする。
1月1日(水)鳳凰小屋上部CS3~鳳凰冬季小屋CS4 吹雪 -5.0℃
鳳凰小屋上部CS3 08:30〜09:30鳳凰冬季小屋CS4
新年早々、午前1時頃、風の音で目を覚ます。他の部員は寝ているようだったが、15分くらいだろうか、音がうるさく眠れずシュラフに隠れていると、風にテントが揺らされ岩でとっていた風上側のアンカーが外れる音がする。と同時に外張りがバタバタと煽られ本体とポールに負荷がかかっているのがわかる。ポールがしなるのを5分くらい感じたがその後一瞬でポールが折れ曲り、テントの形が完全に崩される。賀来を起こし、反対側の被害状況を確認すると、本体も引き裂かれているようだ。外に出ると気温は高く雪は少ないが、猛烈な風が吹いている。折れたポールが外張りに突き刺さり、現状からの撤収は難しいので、外張り、本体、ポールを全て外しテントの高さを下げ、部員をシュラフに入れたまま外張りで包み、明るくなるまで耐えることにする。明るくなっても風はやむ様子を見せないが、慎重に撤収を始めそのまま鳳凰冬季小屋に逃げ込む。小屋の方に暖炉を貸して頂き暖まりながら、被害状況を確認するが、ダンロップV8のポール、本体の破損が一ヶ所、1年生の一部の個人装備(ヘルメットやオーバーグローブ)が撤収時に強風で紛失した。天候等の状況をみて翌日エスケープルートを使用し下山する事にする。
1月2日(水)鳳凰冬季小屋CS4〜燕頭山〜御座石鉱泉〜甲府 吹雪 不明
鳳凰冬季小屋CS4 08:00〜12:10御座石鉱泉
エスケープルートを使用し下山する事にする。特に危険な箇所はないが凍結している 場所もあるので慎重に通過し御座石鉱泉に到着。
鉱泉の方にお風呂を借り車で穴山駅まで送って頂く。その後甲府に到着した。
総括
生活技術の重要性や縦走の難しさを実感し、情けない結果となってしまったが、下級生は慣れないながらも一生懸命取り組む姿勢が見られた。反省は多々あり結果原因は突き詰めれば結局、年間を通しての日々のトレーニングや部会での取り組み、コミュニケーションに起因するように思う。それらを先導出来ず、リーダーとして深く反省するとともに各個人や隊としての今年度すべての反省をしっかりと見直す、また次に生かせるような取り組みを発見、繋げていくことが求められる。まずは一歩一歩の努力である。
報告:山浦祥吾