10月31日~11月3日【秋山合宿】南アルプス 北沢峠定着

↑新宿を出発します

2013年度秋山合宿報告書

日本大学山岳部

目的 生活技術の向上
リーダーシップ・メンバーシップの向上
山域 南アルプス 甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、北岳
期間 平成25年10月31日(木)~平成25年11月4日(月)
移動日1日、実働3日、予備日1日
メンバー 3年 CL山浦祥吾
2年 M賀来素直、宝迫哲史
1年 井上理、加藤純、櫻井鈴音、篠崎さやか、桧山泰平、水越健輔、山縣巧

行動

10月31日(木)移動日

新宿09:20〜11:30甲府12:00〜14:00広河原14:30〜15:00北沢峠15:05〜15:15北沢駒仙小屋BC1

BCに到着すると日本大学医学部山岳部がいた。テントを設営し、天気図、食事をとる。

11月1日(金)北沢駒仙小屋BC1〜甲斐駒ケ岳〜摩利支天〜北沢駒仙小屋BC1 晴 -1.0℃

北沢駒仙小屋BC1 05:05〜10:10甲斐駒ケ岳10:35〜10:55摩利支天分岐11:00〜11:30摩利支天11:40〜12:00摩利支天分岐12:10〜14:45北沢駒仙小屋BC1

トイレに行く一年生が続出し出発時間が遅れる。井上の腰ベルトのバックルがないので予備をつけさせる。ヘッドランプをつけながら、初めての井上、篠崎、加藤もよく歩けている。順調に仙水峠に到着。ここでトップを宝迫に交代する。次第に気温は上がり彼らのレイヤリングを直させる。摩利支天分岐の手前で宝迫と賀来が何やら話し合っているので聞いてみると分岐かどうか迷っているようだ。地形を確認させさらに奥へ進む。篠崎はきつそうだが頑張っている。頂上に着き、北岳と仙丈ヶ岳を見るとうっすらとだが雪が見え、予想以下でほっとする。その後駒津峰、仙水峠を経てBC1に帰幕する。帰幕後、川で冷やしていたペミカンがネズミに食べられ穴が空いていると報告をうける。山縣がかなり残念そうで可哀想になるくらいだったが、ペミカンは諦め、北沢駒仙小屋で一人おでん(400円)とカップラーメン(200円)を購入し温める。なかなか美味かった。天気図あたりから櫻井の体調が悪くなり約38℃の熱という報告をうける。明日は水越にトップを任せることにする。

11月2日(土)北沢駒仙小屋BC1~小仙丈ヶ岳〜北沢駒仙小屋BC1(バス)〜広河原BC2 晴 -0.6℃

北沢駒仙小屋BC1 5:20〜8:45小仙丈ヶ岳9:45〜12:40北沢駒仙小屋BC1 13:30〜14:00広河原BC2

朝、やはり櫻井に熱と頭痛があるということで山浦が付き添い、1時間ごとにシーバー交信し2年に仙丈ヶ岳を任せてみる。

朝の準備が遅れ、予定より20分遅れの出発となる。トップは1年の水越で、前日の夜から地形図とエアリアをよく確認していた。北沢峠を経て尾根上を順調に登っていく。2時間程歩いたあたりで、加藤の様子がおかしいことが分かる。前日の疲労か、左足股関節の痛みを訴え始める。桧山は出発前から頭痛を訴えており、2人の様子を見ながら行動する。大滝の頭を過ぎた辺りから急勾配な道が続き、森林限界を越え視界が開けてから登山道上に雪が現れる。日陰の部分は凍っており、小仙丈ヶ岳まで慎重に登る。小仙丈ヶ岳より先でアイゼンを装着する可能性を考え、小仙丈ヶ岳で1年生のアイゼンの確認をする。まだ調整ができていない1年がいることが分かりアイゼンの調整を行う。しかし加藤と桧山の体調、状態のよくない道、仙丈ヶ岳までのリミットの3点を考え、小仙丈ヶ岳より先にはいかず下山することを決める。下山はトップを宝迫に変え、滑らないように慎重に下る。BC到着後、バスの時間が迫っていたため急いで撤収を行う。(報告:宝迫)

山浦がラジオを聞いていると高気圧がなんとか3日いっぱい持ちそうである。12:30頃全員が到着、撤収する。加藤に広河原バス乗り場で別れを告げ、広河原に到着後、明日は1時間出発を早めたかったので山浦が大樺沢まで赤布をつけに偵察に行く。崩壊は相変わらずだが徒渉場所にはしっかりした橋がかけられている。帰ってくるとココアが出来ていて、天気図もそれなりにうまくなっている。櫻井は少し調子を取り戻したが、まだ微熱があるようだ。

11月3日(日)広河原BC2~二股~八本歯ノコル〜北岳〜肩の小屋〜白根御池小屋〜広河原BC2〜甲府 晴のち雨 5.0℃

広河原BC2 04:00〜06:40二股07:15〜09:45八本歯ノコル09:55〜11:15北岳11:30〜13:50白根御池小屋14:00〜15:30広河原BC2

少し微熱のある櫻井をBCに残し、定刻通り出発する。昨日までに比べて体感温度がかなり高い。出発後、賀来が大樺沢より北にある沢をつめていったので訂正する。そこから右岸にわたりさらに左岸に戻る。二股に向かう途中でやっと空が明るくなってきた。全員慣れてきたのかいいペースで歩けている。バットレスの北寄りは雪がついているが、四尾根あたりはまだであった。落石が怖いので一気に進みたかったが、だんだんと凍結した部分が出てきて全員歩きづらそうなのでアイゼンを装着させる。コルへの木製梯子では賀来と宝迫がしっかりと1年をマーク、フォローしていた。そこから順調に登るが頂上付近は雪があったので、井上、篠崎、山浦でザイルをつなぎ歩く。無事登頂、北アルプスには雪が見え景色も素晴らしいが、富士山に笠雲である。申し訳ないがそそくさと下山する。下りは宝迫にトップを任せる。順調に下り広河原BCに到着すると櫻井はけろっとしている。撤収していると雨が降ってきた。宝迫に芦安温泉をお願いしていたが草津温泉というのが甲府にあるらしい。騙されたと思って向かったが、なかなかいいお湯だった。

総括

事故から3ヶ月半、目的を見失わないような山登りを心がけようと望んだ南アルプスであったが、反省会でも主に生活技術の点が多かったのは皆が意識出来ていたからこそであろう。幕営、食事、睡眠、レイヤリングなどといった基本中の基本を2年生がよく指示を出していたのも自らを成長させてくれるものに違いない。偵察を行うことは出来なかったが、より生活力を向上させるためにも今回の合宿を良い習慣を身につける一歩になってくれればいいと願う。

報告 山浦祥吾

↑北沢駒仙小屋のベースキャンプ

↑甲斐駒ヶ岳山頂

↑北岳山頂

 

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