12月26日~1月2日 【冬山合宿】白馬乗鞍岳・小蓮華山

2023/1/1 乗鞍岳・白馬三山をバックに

山行報告書

 

目的 雪上技術・ロープワーク技術の向上、冬季生活技術の向上
リーダーシップ・フォロワーシップの向上
山域 北アルプス 白馬乗鞍岳・小蓮華山 (天狗原BC)
期間 令和5年12月26日(火)~令和5年1月2日(火)   移動1日、実働7日
メンバー 3年 CL三橋壌二
2年 田畑 天
1年 黒木佳太
OB   賀来素直HC(12/27~1/2)、國谷良介コーチ(12/30~1/2)計5名

 行動報告

12月26日(火) 移動日 晴れ

千石駅14:07~バスタ新宿(バス移動)14:45~白馬八方バスターミナル20:00

 11:30に部室へ集合し、部室の清掃を行ってから出発する。バスタ新宿から高速バスを利用し、白馬八方バスターミナルへ向かう。バスタ新宿では、専修大学山岳部の方も来ており、これから爺ヶ岳に登りに行くとのことであった。20:00に白馬八方バスターミナルに到着。夕食を済ませて、バスターミナル横で仮眠する。

12月27日(水) 入山日 曇り -5℃

白馬八方バスターミナル07:10~07:50栂池高原スキー場ゴンドラ乗り場08:15~08:35栂の森駅09:00~11:35成城大学小屋~12:00栂池自然園駅~12:50成城大学小屋CS

 07:10発の始発のシャトルバスに乗り、07:40に栂池高原スキー場ゴンドラ乗り場へ到着。しかし、ゆっくりと準備していたことで始発便に乗り遅れてしまい、08:15にゴンドラ駅を出発し、08:35に栂の森駅に到着。栂の森駅到着後もアイゼン着脱等の準備に時間がかかり、09:00にやっと出発する。出発後は林道に沿って進んでいき、スキーヤーの邪魔にならないように林道の端を歩く。10:30に早大小屋を通過したあたりで黒木がかかとの靴擦れを訴えたため、ジェルパッドを貼って対処をする。計画の遅れを取り戻そうと、焦ってペースを上げてしまったことが原因だ。11:00に再出発し、12:00に栂池自然園駅に到着。

しかし、私自身の事前の調査不足から天狗原までの取付き点を間違えており、取付き点である成城大学小屋まで引き返す。12:50に成城大学小屋に到着するが、時間を考慮すると天狗原まで進むのは厳しいと判断し、成城大学小屋地点に天幕を設営することに。テント設営後、天狗原までへのトレースを作成した。

12月28日(木) 晴れ -7℃  積雪100cm

成城大学小屋CS 06:25~08:30天狗原~10:10天狗原BC

  05:00朝食であったが、テント撤収、パッキング、ワカン装着で遅れが出てしまい、06:25出発。出発後は昨日に作成したトレースをたどっていき、途中からはバックカントリー登山者のトレースを辿らせていただく。雪が締まっており、重荷であってもあまり沈むことなく進んでいく。天狗原手前の急登では、雪崩に注意しながら登っていく。急登中腹部を過ぎると徐々に雪が深くなってきたため、賀来ヘッドコーチ、三橋、田畑でラッセルを行いながら進んでいく。

天狗原到着後は、BC予定地までトレースのない中をラッセルしながら進んでいく。所々でツリーホールにはまってしまうが、何とか進んでいく。賀来ヘッドコーチのアドバイスより、動物の足跡をたどっていくと、あまり沈まずに進むことができた。BC予定地到着までの間に、BC設営地として良さそうな箇所はあったが、条件がそろえば雪崩が到達する可能性、これから6日間泊まることを考慮して、より安全なBC予定地まで進むことに。10:10にBC予定地へ到着し、テント設営を開始する。その後、トレースに赤旗を設置し、訓練場所の選定、偵察を行った。訓練場上部には、孤立した木を起点にしてクラックが入っていた。

明日の朝にかけて降雪があるとのことで、明日はBC付近の斜面で訓練を行うことにした。

12月29日(金) 晴れ -10℃ 訓練日

天狗原BC 06:05~06:15 BC周辺斜面13:30~13:40天狗原BC

 06:00発目標としたがやはり遅れてしまう。アタック装備であるがテントから出るのが遅かったうえに、ワカン着脱も遅い。自分自身の実力不足から隊全体が弱くなっている。06:05に出発、幸いにも訓練場まで近いため訓練時間はたっぷりとることができる。

初冬合宿にて黒木が歩行に難儀していたことを考慮して、歩行訓練から開始する。しかし、斜度がなさすぎるため、あまり練習にならなかった。2時間ほど歩行訓練を行い、ビーコン捜索訓練へと移行する。全員、ファインサーチに手間取りながらも何度も練習を重ねる。特に、木の近くにビーコンを埋めた場合が難しく、集中的に練習する。途中で、賀来ヘッドコーチにファインサーチの実演をしていただき、同じ動作をできるように真似を繰り返し行う。その後は、アバランチレスキュー訓練へと移行する。

最初に三橋がリーダー役でアバランチレスキューを行うが、初冬合宿と同様の反省を繰り返してしまう。焦ってしまったこと、アバランチレスキューの一連の動きが体に身についていないことで、掘り出すまでに8分もかかってしまった。実践であれば助け出すことはできないだろう。その後も田畑をリーダー役にしたりして、何度も練習を行う。最後に、アンカー構築の技術であるスノーバーの横埋めと縦埋めを行い、13:30に撤収した。BC帰幕後は風防ブロック強化やトイレの整備などを行った。

12月30日(土) 晴れ -6℃ 90cm 訓練日

05:55天狗原BC~06:30天狗原訓練場13:30~13:50天狗原BC

 05:00朝食、05:55に出発した。アタック装備であることも相まって、本日は何とか間に合うことができた。しかし、訓練場まで向かうが、日が出ていないことで赤旗が見つけづらくなっていたこと、トレースが消えてしまっていたことで、訓練場へのルートファインディングに手間取りもたついてしまう。

賀来ヘッドコーチに助言をいただきつつ、06:30に何とか訓練場へ到着する。本日もまずは歩行訓練から行い、新雪のためワカン装着の上で歩行を行う。直登、直下降、トラバース歩行、斜歩行の順に何度も繰り返し練習する。黒木は、直下降、斜下降が苦手のようであり、それらを集中的に練習する。雪面が慣らされてきたため、次にアイゼンに履き替えて歩行訓練を行う。

アイゼン歩行では、オーバーパンツやスパッツを破かないように注意しながら何度も練習する。10:30頃までアイゼン歩行を行った後、全員でスノーバーの縦埋め、横埋め訓練を行った。そこで作成した支点を利用して、肩がらみ、腰がらみの訓練を行った。肩がらみでは、掛け替えのタイミングが遅かったり、ロープを手繰る際に制動手を離したりといった問題が見受けられた。

12:00頃、本日入山の國谷コーチと合流し、FIX工作、通過訓練へと移行する。2ピッチ張るが、やはり時間がかかってしまい遅い。FIX開始前の準備や工作自体も遅いことが原因だ。最後に、土嚢袋での支点構築を練習し、本日の訓練を終了とした。明日は二つ玉低気圧の影響で悪天のため停滞とし、起床後に風防ブロック強化を行うことにした。。

12月31日(日) 雪 -7℃ 積雪105cm 停滞日

06:00朝食、06:45から雪かきを始めた。風防ブロックが傾いている箇所を対象に、一度、積み上げたブロックを解体していく。そのうえで、雪面を慣らしながらブロックを置いていき、より安定した壁になるように調整した。08:00頃にブロック強化は終了、テントに入る。

09:00頃に訓練できそうだと判断し、BC横でスノーバーの横埋め、縦埋め、土嚢袋での支点構築訓練を行うことにした。新雪、傾斜がないことが影響し、スノーバーの強度確認の段階で何度か壊れてしまう。全員、何度も繰り返して埋め続ける。繰り返し練習するうちに支点の強度が安定し始めるようになってきた。

11:30頃には風雪が強まってきたため、テント内に逃げ込む。その後は、大晦日ということで國谷コーチが蕎麦、麵つゆを差し入れてくださり、皆で美味しい年越しそばを食べて体を温めた。

徐々に降雪が多くなってきたため、就寝前に全員で雪かきを行った。今日の夜から明日の午前にかけて風雪が強まるとのことだったため、明日も停滞としたうえで、様子を見て訓練を行うことにした。。

1月1日(月) 雪のち晴れ -7℃ 積雪140cm

07:30天狗原BC 08:00~13:00 BC周辺斜面14:30~14:40天狗原BC

  本日も起床後に雪かきを行うことにした。06:30朝食、07:00雪かき開始。風防ブロック内北側に雪が多く積もっており、60cmほどの堀が埋まってしまっていた。急いで雪かきを行い、07:45にテントに入る。小一時間すると空は晴れてきたが、風がとても強く、ゴーグルをしていないと目を開くことができないほどだった。その後、本日は元旦ということで、賀来ヘッドコーチからお雑煮をごちそうしていただいた。非常に美味しいうえに、冷えたからだも温まった。

12:30になると風も弱まってきたため、BC周辺斜面に移動してFIX工作、通過訓練を行うことにした。晴れてはいるものの非常に寒く、送り出し・引き上げビレイ時にロープが凍ってしまっていた。そのため、ロープを出し、手繰ることに手間取ってしまう。賀来ヘッドコーチ、國谷コーチにアドバイスをいただきながら、2ピッチ分FIXを張ったところで撤収時間となってしまった。2ピッチしか張ることができなかったが、ロープが凍ってしまった際のFIXを経験できてよかった。

帰幕後、テント内で食当、天気図作成を行っていると、ラジオから緊急地震速報が流れ、テントが大きく揺れる。能登半島震源で震度7の大きな地震が発生したようである。外の様子を見てみると、乗鞍岳斜面に大きな雪崩の跡ができていた。その後も大きな揺れが続いているため、風防ブロックの高さを少し下げたりなどのテント周りの調整を行った。明日下山予定であるが、下山できない可能性を考慮して食料を切り詰め、体力を消費しないように夕食後すぐに就寝した。

1月2日(火) 下山日 晴れ -4℃

天狗原BC 08:10~10:10成城大学小屋~11:30栂の森駅

  06:00全員起床として、余震に注意しながらテント撤収を行う。08:10に天狗原BCを出発する。一昨日の降雪で赤旗が埋まっている可能性があったが、幸いにもほとんど埋まっていなかったため、赤旗に沿って進んでいく。天狗原から成城大学小屋までの急登では雪崩を警戒して、各隊員で5mほど間隔をあけて(one  at a time)通過した。

10:10に成城大学小屋へ到着、驚いたことにバックカントリー登山者が20名ほど入山してきていた。成城大学小屋からの林道では、谷を横切る際に雪崩にあう危険を警戒し、適宜、間隔をあけて通過していく。11:30に栂の森駅に無事に到着し、ゴンドラも問題なく運航していたため、ゴンドラを利用して下山した。

ふりかえって
今合宿は、合宿直前に一年星野が体調を崩してしまったことに加えて、入山後も天狗原までのルート調査不足など問題だらけの合宿であった。本当に何から何までコーチにおんぶに抱っこ状態であった。上級生が冬山に入るという意識が大きく欠落しており、このような状態で一年生を指導し、冬山に連れて行くことができるわけがない。残すところ2月合宿、春山合宿のみであるが、上級生として意識を入れ替えて、自分たちに足りない部分を一つずつ補っていきたい。

末筆にはなりますが、お忙しい中、また、年末にもかかわらず参加してくださった賀来ヘッドコーチ、國谷コーチに厚く御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

(報告者:三橋壌二)

 

12月27日 成城大学小屋CS

12月28日 天狗原へ向けて進む

雪崩に注意しながら、天狗原手前の急登を行く

堅固な城を築く

天狗原BC

奥に白馬三山が見える

12月29日 BC周辺斜面で歩行訓練を行う

賀来ヘッドコーチ指導の下ファインサーチを練習する

木の根元は難しい

12月30日 合宿一の好天の中で歩行訓練にいそしむ

12月31日 コーチ指導の下、風防ブロックを強化する

年越しそばを味わう黒木

大晦日の雪かき

1月1日 前夜の雪で風防ブロックがほとんど埋もれる

BC周辺斜面でFIX訓練を行う、ロープが凍っており難しい

元旦能登半島震源地震でできた雪崩破断面

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  10. 6月27日 西丹沢 マスキ嵐沢

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