8月14日~8月22日【夏合宿縦走】北アルプス 立山連峰 槍ヶ岳 表銀座

8月13日~明日から15人の仲間と後半縦走が始まる (撮影:岡本碩士)

2017年度 夏山合宿報告書(後半縦走合宿)

日本大学山岳部

目的 リーダーシップ、メンバーシップの向上
縦走計画の完遂、生活技術、体力の向上
山域 北アルプス 立山連峰、槍ヶ岳、表銀座(雷鳥沢~薬師~槍~中房温泉)
日程 平成29年8月14日(月)~平成29年8月22日(火) 実働8日、停滞1日
メンバー 4年 L岡本碩士
3年 國谷良介、髙橋佑太
2年 川村洸斗、近藤 歩、新保裕也、田邉カレン、福島端流
1年 氏神拓真、野上博史、原島千尋、前澤優太、前田雄飛、村上洋道、渡辺悠介
計15名

8月14日雷鳥沢BC2を出発し五色ヶ原へ進む。進行方向に遥か先に薬師岳を望む

行動報告

8月14日(月)曇り時々晴れ 15℃

雷鳥沢キャンプ場BC2 04:55~05:42室堂~07:11浄土山~09:17獅子岳~10:36ザラ峠~11:29五色ヶ原キャンプ場CS1

朝、気持ちの良い晴天である。ドンと構えた立山連峰が綺麗に見える。撤収が不安であったが問題なく完了する。室堂までは立山連峰を眺めながら歩く。稜線に出た時の景色が楽しみである。浄土山の登りでガスに覆われ始める。登山者は疎らで、順調に歩けている。展望台との分岐を過ぎると大きな岩の岩稜帯となる。メットを着用し落石に注意しながら進む。山頂手前で再び晴れ始める。浄土山山頂からは薬師岳、黒部五郎、槍ヶ岳が望め、これから歩く縦走路が綺麗に見える。これまで悪天が続いていたので一層気持ちが高まる。隣に構える雄山も朝日を受けて美しく輝いている。山頂外れの軍人霊碑には石垣の中にお供え物があり、異様な雰囲気を醸し出していた。

龍王岳東尾根は登攀ルートにもなっており、川村は闘志を燃やしていた。龍王岳は山頂を巻き、ガレ場の坂を下る。コルで五色ヶ原から来たパーティ数組とすれ違う。鬼岳東面から先は積雪のため通行注意と室堂で注意書きがしてあり不安であったが、雪も所々溶けており、さらに丁寧に道が掘られていた。ここは問題なく通過する。その先の岩稜が少々危険なので慎重に進む。鬼岳過ぎは少し木道を歩き、若干登るとすぐに獅子岳だ。

1年生は定着に比べて荷物も重いため少々疲れ気味だ。鬼岳付近から終始ガスっていたが、獅子岳山頂付近でまた晴れ始める。山頂からは黒部湖や五色ヶ原小屋を眺めることができ、景色が綺麗である。遠くに見える五色ヶ原小屋は絵葉書のような趣がある。獅子岳の下りは急なガレ場で、ゆっくり下る。やはり1年生は下りの歩行が苦手なようだ。山頂過ぎからは再び濃いガスに包まれる。ザラ峠からは少し登ると木道になり、30分ほどでキャンプ場に到着する。設営をさっさと済ませると皆昼寝をした。久々に重い荷物を持ち疲れたようだ。

8月14日 獅子ヶ岳頂上にて

8月15日(火)曇り時々雨 12℃

五色ヶ原キャンプ場CS1 04:57~05:58鳶山~07:54越中沢岳~10:30スゴノ頭~11:30スゴ乗越~12:26スゴ乗越小屋CS2

朝は出発まで小雨が降っていたが出発する頃には止む。視界も良くなり五色ヶ原の豊かな緑が美しい。途中再びガスに覆われる。緩い上り坂を登るとあっという間に鳶岳に到着する。小さな標識があるだけのひっそりとした山頂だ。時折ガスが晴れ越中沢岳までの縦走路が綺麗に見える。越中沢岳までの道は大変緑の多い道だ。雨で濡れた地面が泥になっており、非常に滑りやすい。越中沢岳の登りはかなり緩やかで広い稜線だ。視界もあまり良くないので道迷いに注意する。山頂に到着後、一瞬の晴れ間からスゴ乗越小屋が見える。まだまだ長そうな道のりだ。天気もパッとしないので皆どんよりしている。

ここからの下りは急なガレ場となっており、慎重に下る。やはり1年生は下りの歩行が不安だ。しかし2、3年生がうまくサポートしている。途中補助のためにトラロープを設置している箇所があり油断は禁物である。スゴノ頭手前からはうっそうとした樹林帯を登ったり下ったりするとスゴ乗越に到着する。ここから1時間ほどで小屋に着く。小屋手前にもトラロープが設置されている箇所があり、地面が濡れているときは滑らないよう注意が必要だろう。小屋に着いた後も雨が降ったり止んだりを繰り返し、残念な天気だった。皆のテンションもやや下がり気味だ。

8月15日~スゴ乗越CS:天幕設営地に早めに到着したので午後から昼寝タイム

8月16日(水)曇り時々雨 15℃

スゴ乗越小屋CS2 04:53~06:30間山~08:51北薬師岳~10:02薬師岳~10:48薬師岳山荘~11:24薬師平~11:58薬師峠キャンプ場CS3

早朝から雨が降ったり止んだりしている。間山までは広い緩やかな稜線を進む。ダラダラとした登りが続き、天気もパッとしない。皆疲れ気味だ。間山を過ぎると尾根は所々細くなる。北薬師岳山頂手前は大きな岩のガレ場だ。今までにはあまりない地形だったためか1年生は思いの外苦戦している。北薬師岳山頂手前で一瞬青空が見え、皆天気に期待が高まる。しかし山頂に着くころには元の天気に戻ってしまい。期待は空振りとなる。

北薬師岳と薬師岳の間の尾根は所々人とすれ違うのが困難なほど狭くなる。痩せ尾根となっているので慎重に通過する。薬師岳への最後の登りは皆気合で登りきる。しかし薬師岳山頂はガスに覆われており、人もほとんどいない。本来なら景色が綺麗なはずだが非常に残念である。山頂には誰が作ったのかてるてる坊主が落ちていた。今後の日程で晴れるよう手を合わせておく。薬師岳の下りからはそれほど急でもない歩きやすい下り道である。薬師平手前から薬師峠までは一時的に晴れ、皆テンションが上がる。木道を過ぎて沢に入り、川が見え始めるとすぐにキャンプ場だ。多大のパーティも見られ、それなりに混雑していた。

8月16日 薬師ヶ岳

8月17日(木)晴れ 17℃

薬師峠キャンプ場CS3 04:51~05:13太郎山小屋~07:03北ノ俣岳~08:17中俣乗越~10:09黒部五郎岳~12:06黒部五郎小舎CS4

今合宿数少ない晴れの日となった。明け方から満点の星空である。久々の好天に皆気持ちが高まる。薬師峠から太郎平小屋までは木道で整備されている。稜線に出ると初日以来の槍ヶ岳が見える。いつの間にか近くなっていた。黒部五郎岳、鷲羽岳も綺麗に見え、先のルートが一望できる。皆ようやくここまで来たという実感が湧いてきたようだ。北ノ俣岳までは緩やかで広い稜線が続く。歩きやすいので皆のペースも良い感じだ。

北ノ俣岳で2年生が部歌を歌っていると歯学部卒の先輩である福島佑二OBに声を掛けて頂いた。福島OBは1974年にヤルン・カン登山隊に参加された方である。思わぬところで大先輩にお会いすることができ、大変驚かされた。福島OBとはこの後、黒部五郎岳迄ほぼ並走することとなる。北ノ俣岳より先もなだらかな稜線が続く。日が燦燦と照り付けるため、かなり暑い。休憩ごとにしっかりとした水分補給を促す。黒部五郎岳の最後の登りは皆気合で登りきる。一部の2年生は部歌を歌うなど大変元気である。やっとの思いで山頂手前の分岐まで到着する。縦走に入ってから初日以来の晴れの山頂が踏めそうなので皆嬉しそうだ。しかし山頂到着直前で残念ながらもガスに覆われてしまう。これには皆がっかりだ。早々に下山を開始する。

カールの下り、序盤は急だが徐々に緩やかになっていくため歩きやすい。カールはガスに覆われていないので道も明瞭である。樹林帯に入ってくると足元は滑りやすく枝が低くなってくるので気を抜かないよう注意する。ジメジメとした空気の中を黙々と進む。樹林帯で伝達不足により隊の間隔がよく開くようになる。日数も長くなってきたので疲れがたまっているようだ。天幕地到着後、17時頃から遠くで雷が鳴り始める。明日は天気も不安なのでレストとする。

8月17日~太郎兵衛平を行く

8月17日~北ノ俣岳頂上にて~歯学部OBの福嶋先輩(写真右端)と偶然にもお会いする

8月17日~黒部五郎を目指して登りに入る

8月18日(金)雨時々曇り 16℃  停滞

早朝から強い雨が降ったり止んだりしている。本日は停滞である。皆ここまでの疲れを寝て回復する。午後から再び遠くで雷が鳴り始める。夜まで天気は不安定なままだった。

8月19日(土)雨後曇り14℃

黒部五郎小舎CS4 04:58~07:20三俣山荘07:50~08:37三俣蓮華岳~09:47双六岳~10:45双六小屋CS5

朝、辺りはガスに覆われているが雨は降っていない。前日の夜に組んだ水は濁っていたので出発前に汲み替える。夜は比較的天気も落ち着いていたので朝の水は濁っていない。出発30分ほどで雨が降り始める。本降りの雨だ。三俣山荘への巻き道を使用して三俣山荘へ向かう。巻き道では雨によって登山道が一部川と化していた。また広い平らな地形であったため道迷いが多いのか頻繁に標識を見かけた。道中若干の残雪はあったがほぼ平らであったので問題なく通過する。小屋に到着後、風も少し強く、天気も悪いため鷲羽岳に行くかどうかをリーダー会で話し合う。膝や足に不安のあるメンバーがいる為、計画の時間まで待って天候が回復しなければ無理をせず鷲羽岳は諦めることにする。結果、しばらく待っても天候は回復しなかったため、鷲羽岳に寄らずに先を目指す。

三俣蓮華岳まで順調に登る。相変わらず天気は悪く景色は何も見えない。双六岳はガスが濃かったので中道を使い稜線を避ける予定だったが、途中から天気が回復し始めたため、山頂を経由することにする。あと少し回復するのが早ければ鷲羽岳に行けたかもしれないと思うと非常に悔しい。双六山頂では少しの間だけ青空を拝むことができ、皆一息つく。下る尾根を間違えやすいとのことであったが、夏道であればかなり目立つ印がいくつもあるので、迷うことはないだろう。双六岳の下りはだだっ広い尾根がしばらく続いている。綺麗な稜線である。広い稜線を過ぎるとガレ場を下り、あっという間に双六小屋に到着する。道中鷲羽岳の山頂が見えていたのが印象的だ。ここまでくるとあとは危険な稜線が待ち構えている。気の抜けかけているメンバーに再度緊張感を持たせ、明日に備える。

8月20日(日)晴れ後曇り 9℃

双六小屋CS5 03:56~04:38樅沢岳~05:08硫黄乗越~05:58左俣乗越~07:28千丈乗越~08:24槍ヶ岳山荘CS6 10:00~10:24槍ヶ岳~11:17槍ヶ岳山荘CS6

朝は満天の星空が見える。槍ヶ岳山荘の天幕地の混雑を想定し、出発を1時間早める。稜線はやや風が強いが、樅沢岳を過ぎるころには弱くなっていた。樅沢岳の急な下りは暗いので足元に注意させる。硫黄乗越の手前で日が昇り始める。硫黄乗越はかなり広いコルだ。ここまでくると小さかった槍が目の前に構えており感慨深い。ここから左俣乗越まではなだらかな道が続く。

左俣乗越から尾根は狭くなり険しくなってくるので慎重に進む。歩行は慣れてきたのか安定している。他の登山者もあまりいないためゆっくり進む。途中中崎尾根が末端から綺麗に見える。冬の目標である。鎖を4か所通過すると千丈乗越である。ここからは落石に気を付けながら登る。最後の急坂に苦しめられながらも早い時間に槍ヶ岳山荘に到着する。皆やりきったという風だ。運良くV8テントが2張分張れそうなので先に設営を済ませる。槍ヶ岳が予想よりも空いているため、暫く休憩を挟み、全員でアタックすることにする。

アタック時、大槍はそれほど混雑していなかった。落石と足場に注意しながら慎重に登る。鎖は全区間FIXを掛けさせる。2、3年生も良く1年生の面倒を見ることができている。皆登るのが上手なためあっという間に山頂に到着する。15人で山頂に立つと圧巻である。写真を撮った後は速やかに下山を開始する。下りはやはり苦戦しているようであるが、経験次第であろう。FIXのかけ替えなどの動作も遅い。全員無事にBCまで戻り、一息つく。明日は最大の難所、東鎌尾根である。この合宿も残りわずかとなり、少し寂しい気もする。

8月20日~西鎌尾根から槍ヶ岳を目指す

8月20日~槍ヶ岳頂上

8月21日(月)晴れ後曇り 7℃

槍ヶ岳山荘CS6 05:03~05:47ヒュッテ大槍~06:12カブリ岩~08:13水俣乗越~09:24ヒュッテ西岳~09:42西岳~09:59ヒュッテ西岳~10:37赤岩岳~11:41大天井ヒュッテ~12:38大天荘CS7 13:16~13:23大天井岳~13:39大天荘CS7

雲の向こう側に朝日が見える。晴れてはいるが、快晴とは言い難い。狭い天幕地の撤収に手間取り若干出発が遅れる。東鎌尾根は出発早々から緊張感が高まる。大槍ヒュッテまでは梯子が連続しており、高度感も感じられる。常に注意して歩くよう指示を出す。クライムダインの際には上級生には足場の的確な指示を出させる。慎重に進み、ヒュッテ大槍に到着する。そこからの下りの出だしで福島がルーファイミスをする。なんともない場所であったのが幸いであった。本人には注意するように言う。岩が張り出している箇所が多く、ザックを引っ掛けないよう注意を促す。序盤程高度感はないが、それがいやらしい。

崩落個所から木梯子の下りが続く。ザイルが設置してあり、補助程度に使う分には頑丈そうだ。木梯子は所々不安定な箇所もあるが、斜面と交互に足を置けば安定して下ることができる。崩落個所を過ぎると20mほどの梯子が待ち構える。福島と3年でザイルを張る。梯子はしっかり固定されており頑丈である。そこから先は痩せた険しい尾根を慎重に進むと水俣乗越に到着する。水俣乗越はかなり狭く、15人では休憩するには気を付けなければならない広さである。水俣乗越から先はうっそうとした樹林帯の急登である。ジメジメとした空気がじわじわと体力を奪う。標高差も大きく大変な登りである。ここの長い梯子はそれほど急でもなく安定しているためザイルは出さずに慎重に通過する。

ヒュッテ西岳に到着後、小休憩を挟み、山頂へアタックしに行く。西岳の山頂にはあっという間に到着する。今日これまで歩いてきた東鎌尾根が一望できる。皆疲れ切った様子だ。アタック後、再び先を目指す。西岳より先はなだらかな尾根である。ビックリ平付近から尾根をトラバースするので登りはあまりない。大天井ヒュッテから大天荘は落石に注意しながら登る。東鎌尾根での疲労がここにきて響いてくる。皆やっとの思いで大天荘に到着する。明日は今日より天気が悪そうなので、設営を済ませた後、大天井岳へアタックする。山頂を踏み写真を撮り、速やかにBCに戻る。BCでは皆疲れから眠っていた。天気は徐々に悪くなり、就寝前には遠くの積乱雲で雷が光っているのが見えた。

8月22日(火)雨時々曇り 10℃

大天荘CS7 04:51~05:13切通岩~06:45大下りの頭~07:33燕山荘~08:03燕岳~08:19燕山荘~08:57合戦小屋~10:56中房温泉

最終日である。朝から冷たい風が強く吹いており、体感温度はかなり低い。切通岩まで順調に下るが、ここで小雨が降り始める。終始稜線はガスに包まれていた。尾根は大下りの登りを除いて高低差はあまりない。所々泥で滑りやすくなっていた。燕山荘に到着後、荷物をデポして燕岳にアタックする。奇岩が美しい尾根である。今合宿最後のピークである燕岳で写真を撮り、天気もあまり良くないので速やかに戻る。合戦尾根は有名な急登であるが、足場はどこもしっかりしており良いペースで下る。1年生も大分下りの歩行が形になってきたようだ。最後の下りはスムーズに下ることができ、あっという間に中房温泉に到着する。皆疲れ切った様子ではあるが、同時にやりきったという達成感を感じていた。

8月22日 燕岳

総括

前半定着からカウントして18日間、さらに登攀参加者は22日間という長期にわたる合宿となったが全体を通して大きな怪我や事故なく無事に帰ってくることができ、本当に良かったと思う。今合宿の成功は実力のある2、3年生の補助、そしてこの合宿を乗り越えた1年生の精神力あってものである。参加したメンバーには非常に感謝している。この長期合宿の経験は必ず今後役に立つことだろう。

ただ今合宿では主に歩行、伝達が反省に挙げられるだろう。1年生はやはり下りに苦手意識を持っている者が多いようだ。積極的に入山日数を増やし、経験を積んで欲しいところである。伝達に関しては全学年において疲れてくると、または危険箇所ではないところで不足しがちであると感じた。常に伝えられた伝達は100%漏らすことなく伝えるという意識を改めて持つべきである。後半縦走は良い結果で終わることができた。前半後半を通して、1年生から4年生まで全員が成長できた合宿になったと感じている。

(報告者:副将 岡本碩士)

番外編③ ~ 夏山定着合宿+後半縦走合宿 : 副将 岡本碩士の場合

夏山合宿剱沢BC ~岡本碩士(理工・機械4年)

主将の高根澤がインドヒマラヤへ遠征に出かける。留守を預かって夏山の長期合宿を仕切るのが副将の岡本。“失敗し成長する岡本”が準備期間を通し長期合宿をやり終えた。例年より多い1年生、直前の体調不良者、装備の入れ替え、離京時のゴタゴタ、合宿が始まってからは台風の来襲、その後の天候不順。思った以上に上手く行かない合宿が、4年の今年なって巡って来た。プラニングとマネージメントの難しさを痛感させられる。

それでも3年から1年まで、全員の協力もあって無事何とか乗り越えられた。後半縦走を終え、中房温泉に下山し“ヤレヤレ終ったか”が本音だが、成長した1・2年生の姿も逞しく感じる。月が替われば秋山、初冬の合宿準備が始まる。振りかえって悠長に浸っている時間はない! 4年最後の仕上げに突き進む。・・・・・そぅ、オレはオカモト・セキト

(文:大谷直弘)

番外編④ ~ 夏山定着合宿+後半縦走合宿 : 平成29年度1年生の場合

日本大学山岳部平成29年度1年生
左から:渡辺、前田、野上、氏神、村上、原島、前澤の各1年生部員

8月5日に入山してから最終下山の22日までの18日間、最後まで計画をシッカリと遂行出来た。定着合宿の雪訓、剱岳往復、ノロノロ台風5号(ノルー)をやり過ごし、未消化だった雪訓も再度行う。全ての予備日を使い切って定着合宿を終えた。剱沢BCから雷鳥沢に移動し、下山することなく、再度、雷鳥沢から後半縦走に突入する。昨年に比べて悪天続きの今夏、大きなトラブルもなく無事縦走を終え、最終目的地の中房温泉に全員下山した。

定着合宿、後半縦走を計画通り終え、夏山合宿のもう一つの大きな目的を達成することが出来た。その目的はただ一つ、長期間山に入ることで、メンタル的なタフネスさを身に付けること。季節の厳しい積雪期の合宿をやり通すのも、その一歩は夏の長期合宿から始まる。小さなステップだが、やり通せた1年生にとっては大きな前進になる。これから秋山合宿、初冬合宿を経て、冬と春の積雪期合宿を迎える。積雪期に対応できるキャリアを更に積み重ね、頑張って行って貰いたい。皆、期待の1年生部員である。

(文:大谷直弘)

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