個人山行報告書
日本大学山岳部 主将 船田良
山域 | 谷川 湯檜曽川本谷 |
---|---|
期間 | 平成21年10月3日(土)~10月5日(月) |
メンバー | CL船田、SL高木、下鶴、山浦 |
記録
10月3日(土)1日目 天気 曇り時々晴れ
夜になると満月が顔を出し十五夜を実感する。今日は谷川岳ロープウェイの土合口駅にビバークする。中にはすでに20名ほど寝ていて、酒盛りをしている人たちもいた。インスタントラーメンを食べ、明日のために寝る。
10月4日(日)2日目 天気 曇りのち晴れのちガス
3:15土合口駅~(5:45~6:15)武能沢出合~7:30十字峡~8:40七ッ小屋沢出合~12:00大滝上部~15:20朝日岳頂上~16:30笠ヶ岳避難小屋
昨日の夜には見えていた満月が見えず、代わりに暗い雲が近くに見える。天気予報の晴れということを信じて歩き出す。周りが明るくなるにつれて暗い雲は無くなり薄曇といったところ。武能沢出合で遡行準備をしつつ、朝食をとる。
入渓して少し行くと魚止めの滝、左から残置スリングをつかみ直登する。日程が詰まっているので魚止めの先は左岸を巻くことにした。ゴーロをしばらく行くと深い釜をもったナメ滝が出てくる。ここぞとばかりに1年に泳がせる。鉄砲尾根にぶつかるところで右に曲がり10mの廊下が出る。ここも1年には泳がせた。今度は左に曲がると30mナメ滝が現れる。3段に分かれているので右側を快適に登れた。次の2条6m滝はガッツリとシャワーを浴びて階段状を登る。その後すぐに十字峡までつくが、大倉沢があまりにも細いので十字峡の体をなしていないと感じたのは自分だけではないだろう。20m抱返り滝は左を快適に登り藪に入ってから適当なところで沢に戻れた。そこからしばらくはきれいなナメが連なり飽きない。七ッ小屋沢手前の10m滝は左のCSを乗越す。七ッ小屋沢出合で沢まで陽光が下りてきたので休憩をとり、合間に偵察を行う。まっすぐ進むと40mナメ滝が現れ七ッ小屋と分かる。正解は右の小滝の方である。送電線の下をくぐると、フリーで快適に越せる滝が連続して現れる。また確かにビバークできそうな地形もいくつかあった。40m大滝は2段に分かれており、下段は左の階段を直登する。上段は左の乾いた岩を樹林帯まで登る。この沢唯一ロープを使用した箇所である(Ⅲ+級)。そこから落ち口へのトラバースは踏み跡がしっかりしているので、あまりトラバースといった感じではない。
沢の水量が少なくなり源流風になるが、所々ナメや釜が出てきてきれいだ。池ノ窪周辺の平坦な地形を抜けると傾斜が増し、いよいよ終わりが近づいてきた感じがする。左沢で水を汲み、ゴボウ沢に入ると踏み跡のあるヤブ漕ぎとなる。そのころからガスが出てきた。30分ほど楽しめるヤブ漕ぎをすると草原に出て、それからすぐに登山道へ飛び出す。1,2分で感動のフィナーレとなるはずだったが、視界200mのガスだったのでお疲れムードとなってしまった。写真を撮って早々に立ち去る。笠ヶ岳避難小屋は4人が快適に寝られる大きさで、板の上にシートが敷いてあって割りときれいだった。しかし寒かった。衣類を着込んでも震えるほどである。やはりシュラフカバーだけでは秋には通用しない。本当にビバークにならなくて良かった。夜になるとガスが切れ、憎らしいほどの満月が輝いていた。
10月5日(月)3日目 天気 曇り
5:15笠ヶ岳避難小屋~8:20土合駅
特に問題なく下降し、帰京となった。