2002年 夏山合宿後半分散 北アルプス 黒部縦走 |
期間: 平成14年8月5日(月)〜9日(金) |
メンバー: L原澤4、 丸山2、 青柳1、鈴木1、須田1 場所: 北アルプス 剱沢BC〜五色ヶ原〜薬師岳〜黒部五郎岳〜三俣蓮華岳〜笠ヶ岳〜中尾温泉下山 地図 |
8月5日(月)ガス〜晴れ 剱沢BC5:30〜雄山8:30〜五色ヶ原13:10 BC撤収後、中津川隊と別れてガスの中をまずは雄山目指して登る。須田はまだ咳をしているし、鈴木も未だにザック麻痺が治らないので公共装備はほとんど抜く。青柳も疲労の様子を伺える。一年生の体調を心配しつつ歩き出すとさすがに本合宿を終えた後だけありかなり良いペースなので安堵する。雄山についたら段々とガスが晴れてきた。最終目的地の笠ヶ岳も見えてきた。雄山から一ノ越の間では多くの観光客とすれ違う。しかし、一ノ越から先は再び登山者だけの世界に戻る。龍王岳、鬼岳、獅子岳を通過する頃には再びガスが舞って来た。コースタイムより若干早く五色ヶ原に到着しテントを設営する。 それにしても黒部ダム、日本海を眺めながらの縦走路は剱沢で一週間以上も過ごしたものにとって新鮮であった。 8月6日(火)ガス〜晴れ 五色ヶ原5:00〜スゴ乗越キャンプサイト11:30 今日も朝からガスで何も見えない。本来なら五色ヶ原は素晴らしい所であるようだがこれではその美しさも知ることはできない。越中沢岳までは広い稜線の登りが続く。そこからスゴの頭を通過し、スゴ乗越へ。この辺は標高も低く樹林帯である。スゴの小屋はここから40分ほど登ったところにある。薬師岳を越えてしまおうかとも考えたが今日はゆっくりと疲れを取ることにしよう。 8月7日(水)晴れ スゴ乗越キャンプサイト5:00〜間山6:00〜薬師岳着8:00―発9:30〜薬師峠11:00 太平洋高気圧が久々に強まり薬師岳では素晴らしい眺望であった。今日は最初から薬師峠にテントを張ることを決めていたので、薬師岳山頂ではゆっくりすることにした。折立から来ている登山客が大変多い。久しぶりに多くの人と行き違った。 8月8日(木)晴れ 薬師峠cs4:50〜黒部五郎岳9:00〜三俣蓮華岳12:30〜双六池cs14:50 今日は最初から双六目指して出発。黒部五郎岳までは距離はあるが標高差は少ないのでどんどん先に進めていく。黒部五郎岳山頂は薬師岳とは打って変わって私達だけであった。それにしても黒部源流の山々が美しい。ゆっくりしていたいが今日の行程は長いのでそそくさとゴロウノカールを下ってゆく。五郎小舎で水を汲み、再び三俣蓮華岳へ登り始める。樹林帯からの再スタートである。気温も上がってきて辛い登りであるがペースは下げずに登り三俣蓮華岳に登ると最初はあんなに遠かった槍ヶ岳がもうすぐそこである。さすがに一年生の疲労度はピークに達しているようであったがそれでも槍の威容に目を奪われている。その後、丸山、双六岳を経由して双六池csへ。ここのcsは若者が多い。それにしても天気が怪しくなってきた。明日の天気が心配である。 今日は須田の誕生日である。みんな、レーションの残りなどをプレゼント(?)している中、丸山はケーキをプレゼント。一同、須田がそれを頬張るのを恨めしそうに見つめていた。 8月9日(金) 雨 双六池cs4:45〜笠の小屋9:10−30〜笠ヶ岳9:50〜新穂高温泉内中尾温泉15:50 朝から生憎の雨である。本来ならどんなに早く着いても笠の稜線にテントを張ろうと思っていたが天気は明日も良くないようだ。こんな天気なら稜線にテントを張っても意味はない、ということで一気に下山モード。とにかく、下山モード全開のペースで笠まで突き進む。笠の小屋で少し休んでから再び笠ヶ岳を目指し最後の登りを始める。最終の笠ヶ岳頂上に着いても展望は得られず、向かうものはただ1つ下山のみである。下山を開始するが岩が濡れていて大変滑りやすく、一年生は悉く滑っている。一年生が滑るたびにドキッとしながら、こんな所で滑って怪我をされたのでは・・と思い気合を入れ直して下る。だいぶザックも濡れ重くなり、膝や足首はやられてはいたようだが2週間以上も続いた合宿最後の下山だ。その足は止まらずとうとう中尾温泉に到着する。西穂小屋で温泉に入り汚れを落とした後、松本に向かう。 全体を通して・・ 最後まで須田は咳をし、鈴木はザック麻痺が治らなかった。後半縦走を始める前は一年生を下山させようかとまで考えた。結局、万全の状態ではなかったが後半縦走は予定通り出発。正直、本当に笠ヶ岳までいけるか心配だった。青柳も重荷になると極端にペースが落ちると言う、正に一年生の体調ばかりが気にかかる縦走だった。 しかし、剱沢での緊張感から解き放たれたのか一年生の顔から笑顔を多く見ることができ私自身も素晴らしい黒部源流の山々の眺望を楽しんだ。 実際の行動では特に目立ったペースの遅れや体調の悪化などもなく、また、生活技術面では本合宿よりも自主的に動けているようになっていると感じた。このように長い距離の縦走をやり遂げた一年生は自信を持ってよいと思う。更なる向上心を持ちながら・・。 文責・原澤修 |