1997年 冬山合宿 剣岳 早月尾根

期間: 平成9年12月24日(水)〜12月27日(土)メンバー

メンバー: 村田4、千葉4、木村4、西尾4、本多3、松本3、深沢2、佐藤2、小林1

 

12月24日(水)晴れ

馬場島(07:30)〜松尾平(09:00)〜1700m地点(14:00)早月小屋(16:00)

朝、上市に着き、タクシーで入山する。雪は全くなし。青少年センターから歩く予定であったが、馬場島まで入ってしまう。富山県警の派出所で計画書を提出、ヤマタンを借りる。尾根上も雪は少なく、5月のような状態。前日の専修大学隊のトレースも残っていて輪環も不要なほど。重荷で、2年、1年バテ気味。関西大学と東海大学も入っている。

12月25日(木)快晴

早月小屋(05:00)〜2450m(06:00)〜烏帽子岩(09:00)〜獅子頭手前(10:30)〜AC(15:15)

昨日から小林の調子が悪く、熱が37.7度ある。2450m地点にACを上げるのをやめ、FIXを兼ねて、早月小屋からアタックできるかどうか千葉、本多、佐藤、深沢で偵察に行かせることにする。早月小屋から上も特に問題はなく、なんなく行動することができた。しかし、専修大、東海大、関西学院大がFIXをしており、かなり待つ時間が多かった。烏帽子岩で1pFIXを張る。雪もしまっておりスノーバーは良く効いている。待ち時間が長いせいで、獅子頭手前で10:00のリミットは過ぎてしまったが、AC村田と交信をとり、状態も良いのでカニのハサミ12:20リミットでFIXすることにする。獅子頭は、計画では稜線を忠実に直登する予定であったが、左から巻いた方が鎖から支点もとれ安全なので左からザイル2pでFIXし巻くことにする。問題なく通過し、カニのハサミへ。岩のガリーの中は、アイスであり、アイゼンをフロントポイントを効かせて登る。ザイル2pと半端な分を細引きでFIXすると別山尾根の分岐に出た。頂上で記念撮影を撮り、慎重に下ることにする。帰りもまた、他パーティーの通過待ちで時間をくうが、烏帽子岩先で1p、2550m付近で1pFIXし、ACに戻る。(合計7p)

12月26日(金)晴れ

早月小屋AC(04:30)〜烏帽子岩(06:15)〜獅子頭(08:40)〜剣岳頂上(09:45)〜早月小屋AC(13:40)

このままでは、ろくな経験もせずに、冬山合宿が終わってしまうと考え、昨日アタックしたメンバーも一緒にアタックすることにする。小林は調子は良いとは言えないが、このまま停滞しても良くならないと考え、アタックさせることにした。今度は深沢の調子が悪く熱が37.5度あるのでテントキーパーにする。小林は、人数が余っており、木村がコンテをし、さらに、前後の上級生がフォローする体勢で行く。すこしでも早く出た方が良いので04:30出発とし、リヒトをつけながら行動する。昨日と同様状態は良く、調子よく進む。残置FIXの場合、メンバーどうしが離れてしまうことがあるので、2人1組で行動することにする。小林と木村は、小林の環付きにエイトをし、FIXの場所でもあまり戸惑わずに行動する。頂上は絶景であり、日本海まで見渡すことができた。帰りは、千葉、西尾、小林、木村で先行し、後のメンバーで、FIXを回収して下ることにした。

12月27日(土)

早月小屋AC(07:00)〜1700m付近(09:40)〜馬場島(10:50)〜青少年センター過ぎのゲート(12:10)

夜半から、朝にかけて雪が降ってきたが、除雪する程ではない。そそくさと撤収し、下山を開始する。行きよりも更に雪は減っており、今年は本当に暖冬であると感じた。馬場島で下山かと思ったが、ゲートが閉まっており、タクシーをゲートまで呼び、1時間程歩き、上市に下山した。

全体をとおして

今年の冬山合宿は昨年同様、一週間に満たない期間で終わってしまった。計画は過去の資料を参考に、最悪の状態を考えてたてるものだが、昨年、今年と短期間で終わってしまったことを考えると何らかの対策を考える必要がある。また、頂上に立つという目的は達したが、生活技術や長期間山に入るという二次的な目標は達成できなかった。またこんな短期間ながら体調不良者が出るなど、細かいミスがあった。これからの2月合宿、春山合宿は万全の状態で山に向かうことが必要である。

今回、小林をコンテで繋いで行ったわけだが、繋がれている1年生の精神的な余裕を考えると、結構有効だということがわかった。単なるスタカットのつなぎと考えていたが、これからもっと研究の価値があると思う。

CL.4年 村田