2022年度 初冬合宿報告書

日本大学山岳部

目  的)冬季生活技術を学ぶ大型テント特有の生活技術の習得

                   雪上・ロープワーク技術の向上リーダーシップ・メンバーシップの向上

山  域)北アルプス北部 唐松岳・八方尾根(八方池BC

期  間)令和4127日(水)~令和41212日(月)

     移動1日、実働4日、停滞1

 

メンバー)4年 CL米山未羽、SL柴田 

             3年 石田爽斗

     2年 籾井大空、三橋譲二

1年 玉野蒼士、田畑 

OB 賀来素直ヘッドコーチ(10~12)、國谷良介コーチ(7~12)

村上洋道コーチ(7~12)

学生9名、OB3名 計10

 

1211 扇雪渓にて雪上訓練(後列左から4年米山、2年籾井、1年田畑、2年三橋、

4年柴田 前列左から1年玉野、3年石田

 

行動報告)

127日()移動日 新宿~白馬八方バスターミナル 雪時々雨  -1℃

部室(電車)〜バスタ新宿(高速バス)~白馬八方バスターミナル

 大荷物かつ大人数でのバス乗車を避けるため、先発隊は千石駅より電車で、後発隊はバスタ

新宿から高速バスで白馬八方バスターミナルまで移動する白馬八方バスターミナル到着後は雪が

降っていたため、軒下スペーステントを立てさせて頂き就寝する

 

128日()入山日 白馬八方バスターミナル~白馬八方尾根スキー場~黒菱平CS  雪 -3℃

白馬八方バスターミナル06:00〜八方尾根スキー場06:4010:30兎平〜13:00黒菱平CS

 朝の出発時、トップの三橋がスキー場までのルートを誤り、20分ほどタイムロスをしてしまった。

八方尾根スキー場はまだ営業しておらずゴンドラが動いていなかったため、徒歩で登り始めた。

登り始めの積雪は20cmほどであったがすぐに深くなり、膝ラッセルほどの深さになった。

ゴンドラ乗り場手前で三橋と玉野が靴擦れを訴えたため、一本をとり処置をした。2人とも幸い

なことに軽傷であった。その他の部員は初のラッセルに苦しみながらも頑張って歩いていた。

 

黒菱平に着いた時点の時刻とこれまでの歩行ペースを鑑みた結果、明るいうちに八方池BC

に到着することが難しいと判断しこの日は黒菱平にCSを設けることにした。

風を避けるため、稜線から一段下がった茂みの脇に設営をした。

 

129()  黒菱平CS〜八方ケルン〜八方池BC   晴れ +1℃

黒菱平CS07:00〜八方池山荘09:30〜八方ケルン13:00〜八方池BC13:15

 

V6,V4テントポールの先が袋とじ状のスリーブの中で凍りついており、テント撤収に時間を

取られて黒菱平出発が30分遅れてしまった。また、昨日に引き続きトップがルートファイン

ディングを誤り 15分ほどのタイムロスをしてしまった。

 

黒菱平以上は膝〜腰ラッセルであった。この日は快晴で暖かく、後立山連峰が綺麗に見えた。

部員たちの表情も昨日に比べて晴れやかだ。12人は少し疲れている様子だが、頑張っていた。

八方池の完全には凍っておらず、雪氷の下には多少の水があった。

八方池付近の平坦な地点を整地してBCを設置した。

 

 

1210日()雪上訓練 八方池BC〜扇雪渓〜八方池BC   晴れ -2℃

八方池BC06:3009:00扇雪渓12:15〜八方池BC13:20

石田が目出し帽を紛失し、捜索にかなり時間を取られてしまった。30分遅れで八方池を

出発した後はアタック装備で軽くなったザックを背負って良いペースで歩けた。

 

扇雪渓に到着後すぐに集合写真を撮影した後、訓練を開始した。まずはアイゼンを着けての

歩行訓練を行った。今回は積雪量が多かったために半ばラッセル訓練の様相を呈していた。 

30分間歩いた後はワカンに履き替えてもらった。

この時凍ったアイゼンやワカンのバンドの着脱に手間取ってしまう部員が多く見られた。

 

その後のビーコン捜索訓練では、最初はバラケずに走ったり、遺留品を見落としてしまった

りしていた部員たちも、回数を重ねるうちに要領を掴んで徐々にスムーズに動けるようになって

いた。その後は時間通りに訓練を終えてBCに向かった。

BCに帰幕すると、この日入山の賀来ヘッドコーチと合流することが出来た。

 

1211( 停滞  八方池BC 曇り時々雪-4℃  積雪量:175cm

八方池BC

この日は悪天候が予想されたため、停滞とした。

7時からCSの周りの雪かきを行った。翌々日以降は冬型による大荒れの予報であったため、

明朝、雪上訓練を行ってから下山することを決定した。

 

1212(下山日 八方池BC〜トイレ〜八方池山荘〜八方尾根スキー場 

曇り時々雨 15℃ 積雪量 175cm

八方池BC7:1507:45公衆トイレ付近の斜面10:00〜八方池山荘10:4011:50兎平12:10

八方尾根スキー場12:20

 

この日も黒菱平撤収の際と同じくテントポールの先が凍結してテント撤収に時間がかかった。

また、出発時 玉野のワカンのバンドが緩く、締め直したために予定していた時刻に遅れてしまった。

遂に最終日まで予定通りの時間にテント場を出発することが出来なかった。

 

雪上訓練は公衆トイレ付近の南側斜面で行った。30分間の歩行訓練をした後、ビーコン捜索訓練

を行った。今回は前回の訓練時よりも深い位置にビーコンを埋めてプロービングや埋没者掘り出し

ツェルトを使用しての保護の練習も行うことが出来た。

皆、捜索・掘り出しの一連の流れを覚えてきたようで、最初に比べると短い時間で埋められた発信

ビーコンを発見出来るようになっていた。

 

   一通り訓練を行った後は時間通りに切り上げて下山を開始した。入山中に

スキー場がオープンしたため、スキー場は徒歩で下山することが禁止されていた。そのため

兎平からはゴンドラに乗り、全員無事に下山・帰京をした。

 

ふりかえって

 

今回の合宿では、初めて大人数での大型テント生活をすることが出来た。

それによって特に生活技術の面において数多くの問題点が浮き彫りとなった。

 

その他にも、朝の出発遅れや一本の出発時間遅れ等、時間に関する課題も多く出た。

下級生の皆には、決められた時間を守れないことにより起こりうるリスクを考えて、

今後全ての行動において時間を守ることを徹底してもらいたい。

 

コーチの皆様にはお忙しい中合宿にご参加いただきました。

また、計画・準備の段階からも大変お世話になりました。ありがとうございました。

                                  (報告者:米山未羽)

 

12/7 八方バスターミナルにて仮眠をさせていただいた。

 

 

12/8 これより入山

 

 

12/8 初日から膝ラッセルをした。

 

 

12/9 毎日出発前に準備体操を行う。

 

 

12/9 八方池ケルンが見えてきた〜もうすぐ八方池

 

 

 

12/9八方池BCに到着、設営前整地を行

 

 

12/10 雪上訓練場所の扇雪渓に向かって歩き出す一行。

 

 

12/10扇雪渓にて〜空は快晴であった。

 

雪訓場にて訓練前の弱層テスト

 

 

12/10 ビーコン捜索訓練の様子〜横一列に広がり、目標に向かって走る。

 

 

12/10 埋没者(ビーコン)掘り出しの様子〜周りと連携をとって効率的に掘り出せるように練習中。

 

 

12/10 帰幕後は翌日の悪天に備えて防風ブロック作りをした。

 

BC

 

 

BC

 

 

BC

 

 

12/11(停滞日)なんと全員分のおでんの差し入れをいただいた。ありがとうございました。

 

 

12/11 夜の除雪、風防ブロック点検〜今回はダンロップV6一張とV4一張を使用した。

 

 

12/12下山日の朝の撤収風景

 

 

12/12撤収を終える頃、背後にはモルゲンロートが見えていた。

 

 

12/12下山開始〜雲海がきれい

 

 

12/12 下山日の八方山南側斜面の雪上訓練場所

 

 

12/12最後の雪上訓練〜まずは歩行から。

 

 

ビーコン捜索訓練

ビーコンを確認しながら目標に向かって走る。

 

 

プロービング

 

 

掘り出し~ショベリング

 

 

掘り出した要救助者(ダミー)をツェルトで保護

 

 

反省会・講評: ①を何度も繰り返す。

 

 

12/12兎平〜入山中にスキー場がオープンしたので、ここからゴンドラで下山した。