山行報告書

日本大学山岳部

 登りの経験値を増やす。

 東丹沢 源次郎沢右俣(大倉尾根下降)

日  程 令和4916日(

メンバ 4年 米山未羽(主将)、柴田 亮(副将)

L.大谷直弘(監督/OB)、鈴木快美(OG

                     学生2名+OBOG2名 計4

 

左から 米山(4年)、大谷(監督/OB)、柴田(4年)                             撮影:鈴木快美(OG

 

行動報告

916日( 曇り20℃(入渓時)

07:00渋沢駅~0735大倉バス停~0910戸沢~920 F14m)~1015  F5大滝

15m)~11:45 F91220 源頭部(枯水)~1300 大倉尾根(花立山荘上)~

1335 塔の岳頂上13:50~(大倉尾根下降)~1530大倉バス停下山~1610渋沢駅解散

 

 この計画、1年生に沢登りを知って、経験して、楽しんで、山をもっと好きになって貰いた

くて作ったが、その1年生が不参加となり残念な結果となった。それでも、4年生2人、OB

OGはそんなことではヘコたれない沢登り大好きメンバーの4人である。お天気よし、体調良し、

他パーティーなしと、楽しい沢登りを予感させられるスタートとなった。戸川林道を進む足取り

も実に軽い。キレイになった作治小屋を過ぎ、本谷を渡り直ぐに沢登りの足ごしらえに取り掛か

かる。源次郎沢の入渓点をしっかりと確認してから行動を開始する。

 

 F14m)は左から簡単に登る。釜の深さ、水流のボリュームから本日の水量は少な目だ。

F2多段(4m+4m)も左から登るが、他記録の表記程の高さは感じられない。F3の小トイ状

は堆積と倒木で少し残念、突っ張り登りで楽しめた筈である。F4 10mトイ状のゴルジュで右壁

から取り付く。二股は左に入りそうだが、遡行図をしっかり確認して右へと進む。

 

 F6 312mは左壁から取り付く。順層ホールドだが出だしが被り気味だ。浮石、剥がれ石

に騙されないように慎重に取り付く。大谷がトップでザイルを張る。

“監督のトップ大丈夫かな~” 確保してくれる米山主将が心配そうに見上げている。

中間支点はシッカリ取る、残置スリングもあるが信用しないように自前で設置する。スタンスを

決めガバも浮いていないか確認しながら登る。落ち口にはしっかりしたビレイ点があり、奥にも

ビレイに使える立木があった。今回、左壁を登ったが高巻きの場合も右岸手前の小尾根に取り付

いて巻けば落ち口に出られそうだ。高巻きは長めのザイルで一気に張った方が良い感じだ。

 

 上部F7F8は水量が少ないこともあり、また、崩壊や堆積が進んで記録等で表示されている

程の滝の高さははない様に感じる。F9F10の涸れ滝を登る。源頭の尾根から覗ける青空を目指

し源次郎尾根寄りへ詰める。源次郎尾根から踏み跡を辿ると直ぐに大倉尾根へ飛び出る。

沢のガチャものを格納して塔の岳頂上へ登る。頂上からは丹沢山、大山、愛鷹山、伊豆半島、真

鶴半島、大島、初島、江の島、三浦半島、房総半島、ランドマークタワーまで望めた。9月の山

頂は夏の日差しと秋の風が交錯する。吹き抜ける風は何とも何とも爽やかだ。

 

 源次郎沢は8年前に学生と来て以来なので随分と記憶が飛んでいた。滝は小ぶりが多く、トイ

状の登りもあれば、小ゴルジュもある、F6は直登でも高巻きでもクリアできる。沢自体が短く、

コンパクトで遡行距離も短い。源頭のツメもヤブ漕ぎがなく快適だ。また、遡行中に振り返る下

界の眺めも良い。沢登りの内容がコンパクトに凝縮された良い沢で、経験者が初心者を引率する

には最適だと思う。今回、上部の滝で堆積や倒木、水不足で涸棚となってしまった所があり少し

残念だった。例年であれば上部も良い渓相の中の遡行を楽しめたのかなと思った。来年は是非、

新緑の頃に訪れたい。

 

米山主将、柴田副将も今回は下級生がいなかったので大谷の小言も無かった。それゆえ楽しめ

たのではないか。たまにはこの様な山行もありかなと思う。上級生2人が楽しそうに登っている

姿は、40年前の自分を見ているようでいいな~と感じた。 

                                (報告者:大谷直弘)

 

 

源次郎沢の感想~米山未羽の場合

今回の源次郎沢は参加予定であった1年生が残念ながら不参加となってしまいましたが、久し

ぶりに自分たちの好きなペースで歩くことが出来て楽しかったです。更には天気も良好で、

とても気持ちの良い沢登りができました。後続の確保に使う支点も安定しているものが多く、

今後後輩と来る時のことを考えると安心感がありました。

 

また、もともとクライミングが好きだということもありますが、後半 涸れ沢のF10をフリー

で直登したときには、絶対に落ちてはならないという緊張感が最高で沢にどハマりしました。

今後もっと沢での経験を積んで、下級生たちと一緒に安全な沢登りをできるようになったら

嬉しいです。

                                (文:米山未羽) 

          

 

 

 

 

 

 

源次郎沢入渓開始 鈴木快美OG(左)、米山主将(4年)

 

 

 

 

F5 210m

 

F6 312mは左壁から取り付く。

 

F6を越えた辺りで沢筋が細くなってきたので水を補給する。

 

 

 

 

F9 8mチムニーを登る。F8以降は完全に涸れ沢となっていた~好きな所に取り付いて登る。

 

 

 

 

 

10 10mCS 中央左の被り気味なところを登る、出だしショッパイ。

 

塔の岳頂上 左から鈴木快美OG、米山(4年)、大谷(OB) ~撮影 柴田 亮(4)