2019年度 冬山合宿報告書

日本大学山岳部

目  的)槍ヶ岳の登頂

     リーダーシップ・メンバーシップの向上

山  域)北アルプス 槍ヶ岳 中崎尾根

日  程令和元1226日()~令和1230日(

移動1日、実働4

ンバー4年 CL福島端流、白土朝香、田邊カレン

3年 氏神拓真、野上博史、原島千尋、村上洋道

2年 川下景正、喜多嶋拓海、山崎颯太

1年 柴田亮、中野聡士

OB  國谷良介コーチ           12名+OB1

 

1229日 快晴の下、槍ヶ岳頂上に立つ

 

1226日(木)移動日 曇りのち雨 2

新宿駅(高速バス)11:5515:00松本駅17:0018:50新穂高温泉

 バスタ新宿から松本駅まで高速バスで移動する。松本で早めの夕食をとり、新穂高温泉

まではマイクロバスで移動する。到着後、登山指導センター前にテントを張って就寝す

る。ここで、V8テントのフライシートを間違って持ってきてしまったことが判明する。

テントチェックの際に一緒に間違えて入れてしまったようだ。明日穂高平にデポすること

にする。夜中から雨が降り続いており、初日からテントが濡れてしまう。

 

1227日(金)入山日 風雪 0℃ 積雪70cm

新穂高温泉05:0007:00穂高平~08:30白出沢出合~12:00滝谷出合~14:50槍平CS

早朝になっても雨はやまない。新穂高温泉から入山し、2時間程で穂高平に到着する。

気が付くと雨は雪に変わっていた。穂高平小屋でフライシートをデポする。白出沢出合ま

での林道は順調なペースで進むが、登山道に入ってからは、枝をよけたり穴にはまったり

と隊のペースが落ちる。標高が上がるにつれて風雪も強まってきた。チビ谷と滝谷出合で

は、雪崩に注意を払いながら迅速に通過する。疲労からか、滝谷出合からの登りで1年生

が遅れ始める。登りの途中、後ろから来た1名の登山者と合流する。お話ししたところ、

明日同じ中崎尾根に登るという。

 

計画予定よりもだいぶ遅れて槍平CSに到着し、整地をして風防を作成する。積雪は腰

下ほどである。中崎尾根側からの雪崩を避けるため、小屋の北側にテントを立てる。先程

合流した登山者を含めて3名程が避難小屋に泊まっていた。入山日から長時間行動になっ

てしまい、隊員にも疲労の様子が窺がえる。

 

 

1228(土)快晴 -12℃ 積雪90cm

槍平CS 06:3610:45奥丸山分岐~11:15 P2388手前AC 11:45(偵察隊)13:15ルート

工作地点取り付き~15:00 P2388手前AC

 早朝撤収を行うが、テントポールとテント本体が凍ってしまい1年生のパッキングにも

大幅な時間がかかってしまう。また、ビーコンチェックの際、2年山崎のビーコンが発信

モードにならないという故障が見つかる。大谷監督とリーダー会で話し合った結果、山崎

と國谷コーチのビーコンを交換してそのまま行動することにする。そうこうしているうち

に出発が1時間半も遅れてしまう。

 

 中崎尾根の取り付きには、赤布が何箇所かあったためルートを迷わずに済んだ。この日

は、昨日と打って変わって快晴で、遠くに目標の槍ヶ岳山頂が見える。中崎尾根の登りで

は、またしても12年生が雪にはまったり、ザックを背負うのに時間がかかったりとペ

ースが上がらない。膝下から腰までのラッセルが続く。奥丸山分岐手前のトラバースでは

雪崩に気を付けながら迅速に通過する。中崎尾根の稜線に上がって少し進んだところで、

一昨年と同じP2388手前の平らな雪面にアタックキャンプを設営する。ここで2年喜多嶋

が腰痛を訴えたため、湿布を貼って安静にさせる。

 

ルート工作のリミットが過ぎていたので工作はできないが、工作地点の取り付きまで福

島、野上、氏神、國谷コーチの4名で偵察しに行くことにする。ACから途中赤旗を立て

ていきながら2時間程で取り付き地点に到着する。上部までどのようにロープを張るのか

観察しながら話し合う。帰りは行きのトレースのおかげもあり1時間ほどでACに到着す

る。

当初の計画では、千丈乗越までルート工作をした状態でしかアタックしないと決めてい

た。ただ、31日から冬型の気圧配置による悪天候が長く続くという予報があり、明日の

29日が今合宿で最も登頂に適した天気であると考えた。悩み抜いた結果、当初の計画を変

更してルート工作を行いながら明日アタックすることにした。それに伴って千丈乗越と槍

ヶ岳山荘通過時のリミットを設定する。この日も私たちの他に3パーティーほど中崎尾根

で天幕していた。明日のアタックに備えて夕食後、すぐに就寝する。

 

 

1229(日)アタック日 晴れのち曇り -6℃ 積雪120cm

P2388手前AC 04:00(工作隊),04:30(本隊)05:00(工作隊),06:00(本隊)ルート

工作地点取り付き~08:15千丈乗越~09:15(工作隊),09:40(本隊)槍ヶ岳山荘~12:00

槍ヶ岳~14:00槍ヶ岳山荘~15:00千丈乗越(回収隊)~16:20(ロープ回収終了)~

16:40(本隊),17:15(回収隊)P2388手前AC

 早朝、星空が見えるほど快晴のアタック日和だ。朝になっても喜多嶋の腰痛は治らない

ため、國谷コーチと共にステイしてもらうことにした。とても残念である。工作隊の福

島、氏神が本隊よりも30分早く出発する。登っている途中、後ろから多くのヘッドライ

トが見える。私たち以外にも多くの登山者が槍ヶ岳登頂を目指しているようだ。昨日のト

レースがしっかりと残っていたため、1時間程で赤旗を立てていた取り付き地点に到着す

る。ここでワカンをデポし、アイゼンに付け替える。日はまだ明けず暗いが、早速1ピッ

チ目のFIXロープを福島が張る。1ピッチ目を張り終えるところでちょうど本隊が取り付

き地点に到着する。

 

後ろからも他の登山者が来ており、同じルートをなりふり構わず登ってくるため、我々

FIX通過に時間がかかってしまった。1ピッチ目の通過中に、氏神が2ピッチ目のナイ

フリッジにFIXロープを張る。その後、1ピッチ目のロープを回収し、全員が無事に千丈

乗越まで通過する。行動計画よりも1時間ほど早く通過することができた。千丈乗越から

先は、西鎌尾根のルート状況と大槍の工作のため、福島と村上で先行しながら進む。雪質

的に西鎌尾根はロープを出さなくても通過可能と判断する。

 

槍ヶ岳山荘に到着するとすでに20名程の登山者たちが大槍に登ろうとしていた。何と

もタイミングが悪い。福島と村上の2人で先にロープをセットしに出発する。案の定、上

り下りする他の登山者を待つことになり、通過とロープの設置にかなりの時間がかかって

しまう。梯子と鎖が出ていない箇所にスリングやロープを合計5箇所に設置する。慎重に

通過しながら、山荘から2時間半かかるも念願の山頂に登頂する。360度の絶景に皆笑顔

が溢れる。写真撮影を行い下降開始する。またしても1パーティーの通過を待ったことで

時間がかかってしまった。下降も福島と村上でロープを回収していく。山荘に戻ってきた

時にはすっかり行動時間に遅れが生じてしまっていた。

 

山荘から西鎌尾根の下りでは、アイゼン歩行に気を付けながら進んでいく。雪質と斜面

の状態から、飛騨沢側の雪渓斜面からそのまま中崎尾根に下降できると判断する。残置し

ていたナイフリッジのロープは福島、野上、山崎の3名で回収し、他のメンバーは千丈乗

越からではなく、飛騨沢側の雪渓斜面から下降させることにした。全員での懸垂下降は大

幅な時間がかかることが予想されたこともこの決断に至った理由である。ロープ回収後、

懸垂下降で取り付き地点に下り、デポしていたワカンも回収する。日が暮れる直前の17

時頃にACに到着する。テントで待っていた國谷コーチと喜多嶋からとても美味しいお汁

粉を御馳走していただいた。とても長い1日であったが、達成感に満ち溢れていた。皆寝

不足気味であったため、明日の出発を1時間遅らせることにした。

 

1230日(月)下山日 雪のち雨 -4℃ 積雪130cm

P2388手前AC 06:1006:50奥丸山分岐~07:45槍平~08:50滝谷出合~10:08白出沢出

合~11:00穂高平~11:50新穂高温泉

 朝起きると雪が降っていた。出発してすぐの奥丸山分岐で、トラバースルートに雪崩の

危険がないか先行確認する。斜面の状態とトレースで踏み固められていたので通過可能と

判断する。その後は順調なペースで中崎尾根を下降し槍平に到着する。槍平から先の滝谷

出合とチビ谷でも、雪崩に細心の注意を払いながら迅速に通過する。白出沢出合でアイゼ

ンを外し、そこから1時間半ほどで新穂高温泉に到着する。すっかり雪は雨に変わって全

身ずぶ濡れだが、冷えたからだに温泉は格別だった。

 

振り返って

 今回の冬山合宿では、目標としていた槍ヶ岳の登頂を達成することができ素直に嬉し

い。だが、2年喜多嶋が腰痛のため登頂することができなかったのは、隊としても、経験

値的にも非常に勿体なかった。また、時間遅れやパッキングの遅さなどの細かい反省点は

多くあり、一つ一つの遅れが行動計画の遅れに繋がってしまっている。その結果、ルート

工作を行うことができないままアタックということになってしまった。

 

アタック日に関しては、槍ヶ岳山荘までは計画時間よりも早く行動することができてい

た。ただ、大槍のアタックでは他の登山者が20名程もいた為、大幅な時間をかけてしま

った。12年生にとっては長時間行動や危険箇所での通過など、貴重な経験になったと感

じる。3年生もルート工作でのロープの設置や支点作成などは良い経験となったはずだ。

今回の経験や反省点を改善していき、次の2月合宿、春山合宿と繋げていきたい。

 

 初冬合宿に引き続き、國谷コーチには大変お世話になりました。國谷コーチから指摘し

ていただいた助言を今後の活動に生かしていきたいと思います。お忙しいところ、誠にあ

りがとうございました。

(報告者:福島端流)

 

1224日 冬山合宿出発前最終打ち合わせ~文京区千石の部室にて準備

て整えた

 

1227日 入山1目 新穂高温泉から行動開始とうとう合宿が始まった

 

 

雪の中、1日目のCS槍平を目指す

 

 

1年生の生物資源科学部の中野です~厳冬の槍に立ちます

 

 

1228日 入山2日目~槍平CSから中崎尾根上のAC 2,388m手前を目指す

 

 

中崎尾根に上がる~正面に西鎌尾根とのジャンクションを確認できる

 

 

ACまであとわずか

 

 

AC中崎尾根上2,388m手前に設置する

 

AC設営後、福島、野上、氏神、國谷コーチで中崎尾根上部へ偵察にs‚­

 

 

29日頂上往復前夜、天幕内の打ち合わせ

 

30日、槍ヶ岳頂上往復の日、日出前出発準備中の1年生商学部の 柴田

 

槍を目指す、中崎尾根から千丈乗越へ~FIXロープを張って登る

 

 

千丈乗越までのナイフリッジを通過中の2年山崎と3年野上

 

 

西鎌尾根を登る3生の村上

 

槍の肩まであと少し

 

槍の肩から頂上を目指す~正面笠ヶ岳後方に加賀白山が望める

 

 

槍の穂先へ最後の梯子を登る

 

 

槍ケ岳頂上

 

 

槍の頂上から西側を望む:左手に笠ヶ岳、右手奥に中の俣岳

 

頂上から慎重に下る

 

槍の肩にて:3年生(左から野上、村上、原島、氏神)

 

 

西鎌尾根を中崎尾根目指して下降する

 

 

中崎尾根ジャンクションまであと少し

 

 

無事、ACに気幕する

 

 

1230日、ACから新穂高温泉に下山する

 

 

雨の中、新穂高温泉に無事帰着