山行報告書
日本大学山岳部
目的)春山合宿不参加者の山行経験積み増し
山域)南アルプス 鳳凰三山
日 程)平成31年4月2日(火)〜5日(金) 移動1日、実働3日
メンバー)4年 L福島端流、白土朝香
3年 原島千尋
2年 川下景正
OB 賀来素直コーチ、國谷良介コーチ、横山 裕 計7名
4月4日 薬師岳(2,780m)頂上にて
左から原島(3年)、川下(2年)、福島(4年)、白土(4年) 撮影:國谷良介
行動報告)
4月2日(火)移動日
バスタ新宿17:35〜19:40甲府駅
甲府駅に到着次第、夕食を食べてから就寝する。相変わらず深夜の甲府駅は騒音が多く、
うまく寝付くことができなかった。
4月3日(水)入山日 晴れ時々曇り 2℃ 積雪75p
甲府駅05:00〜06:00夜叉神峠登山口〜07:35夜叉神峠〜09:35杖立峠〜12:00苺平〜12:50
南御室小屋CS
甲府駅から夜叉神峠登山口まではタクシーの移動となる。登山口に到着次第、車で来て
いた横山OBと合流する。2年の川下は2月の天幕懇親会以来の山行であり、少し緊張して
いるように見えた。
登山口から夜叉神峠小屋手前までは雪がない夏道であったが、小屋付近から徐々に凍結
した道が出始めたのでアイゼンを装着する。この日すれ違った登山者は5、6人程であり、
トレースもしっかりとしていた。
苺平辺りから川下が少し遅れ始めるも、昼過ぎに南御室小屋CSに到着した。白土は、高
度障害の症状や隊のペースに遅れることはなく、順調な様子である。小屋に管理人はおら
ず、私たちの他にはテントが1つだけ張られていた。川下は今日が初めての水作りであり、
原島に指導を受けながら何とかこなしていた。ただ、行動中のレイヤリングやアイゼン歩
行に関しては、いまだにうまくできていない様子であった。明日の行動に備えて就寝する。
4月4日(木)晴れ −12℃ 積雪75p
CS 05:00〜06:30砂払〜07:00薬師岳〜08:00観音岳〜09:20赤抜沢ノ頭〜10:00地蔵岳〜
12:00観音岳〜13:00薬師岳〜14:00砂払〜15:30南御室小屋CS
今朝は昨日に比べて気温が低く、寒く感じるが、天気は快晴であり絶景の南アルプスと
富士山を拝むことができる。稜線から見た白根三山周辺にはまだ多くの雪が残っていた。
出発時からアイゼンを装着し、トレースも昨日と同様に終始あったので難なく登っていく。
この日のルートの積雪量は多いところでも膝下程だった。
森林限界以降の砂払から観音岳の間では、風が少し強いところがあり、慎重に進んで
いく。観音岳以降は、徐々に風は弱まってきて、雪の無い箇所が幾つか出てきた。地蔵岳
のオベリスクには、ルート状況から上部まで登るのは危険であると判断したため、手前で
写真を撮って引き返した。
帰りの観音岳手前で、川下と白土が高度障害の症状を訴える。川下は少し頭痛がするの
と、白土は吐き気がするとのことだった。白土の症状は、回復しそうになかったので、荷
物の量を減らし、ペースを落とす。CS到着後の白土は、吐き気に加えて寒気と眠気があっ
たので、薬と水分を取らせてシュラフに入れさせる。SpO₂値は、一番低い値は77であっ
たが、ある程度吐くと楽になったようで、就寝時には83にまで戻っていた。明日の朝の白
土の体調次第で行動予定を決定することにした。
4月5日(金)下山日 晴れ −7℃
CS05:07〜06:00苺平〜07:00杖立峠〜08:25夜叉神峠〜09:15夜叉神峠登山口
起床時に白土の体調を確認する。SpO₂値は90台に戻っており、吐き気もだいぶ治まっ
たようなので予定通りの時刻で出発することにする。川下の頭痛もほぼ治り元気そうであ
る。苺平を過ぎた辺りからは、完全に体調は回復したそうで、笑顔が見られる。その後も
登山口まではずっと下りで、無事に全員が夜叉神峠登山口に下山した。
ふりかえって
今回の山行は終始晴天に恵まれた山行だった。川下、白土にとっては久しぶりの山行で
あり、体力面や歩行技術に課題はあったが、長時間の行動や水作りなど良い経験にもなっ
たはずだ。それと同時に、私自身も隊員の体調管理の難しさと甘さを実感した山行であっ
た。この経験を次に活かしていくためにも、こういった個人山行の場をこれからも作って
いきたい。
そして、横山さん、賀来コーチ、國谷コーチには丁寧なご指導をいただき、大変お世話
になりました。誠にありがとうございました。
(報告者:福島端流)
4月3日 夜叉神峠から南御室小屋目指して登りはじめる
4月3日 夜叉神峠から南御室小屋CS到着
4月5日 鳳凰三山を目指して薬師岳へ〜砂払手前(左:原島千尋、右:白土朝香)
左:白土朝香 右:福島端流
原島千尋
富士山を望む
薬師岳手前から北岳と間の岳を望む
薬師岳(2,780m)頂上にて
観音岳(2,840m)頂上にて
地蔵岳を目指す
地蔵岳(2,764m)オベリスク基部
4月5日 夜叉神峠下山〜行動終了後の整理体操