山行報告書

日本大学山岳部

目  的)マルチピッチでの登攀技術の習得、登攀技術の向上

山  域)伊豆 城山

日  程)平成301125(日)

メンバー)山岳部顧問 L嶌田 聡(日本大学工学部教授)

3年         近藤

1         喜多嶋拓海             3

 

 

行動報告

1125日(日)快晴 12

平塚駅集合07:25〜駐車場09:0009:10取り付き〜11:35南西カンテ基部〜(マルチピッ

チ)〜13:30終了点(二間ハング下部付近)14:50取り付き〜(トップロープ)〜17:20取り

付き〜17:30駐車場

 

 平塚駅で集合して嶌田先生の車で城山へ向かう。少し肌寒いが雲ひとつない晴天なので

絶好の外岩日和と言える。駐車場から10分ほどで取り付きにつける。既に何パーティかい

て少し混雑していた。

 

ほとんどのルートに先客がいたので、空いていたホームボーイ5.8を登る。嶌田先生

がリードで登り、近藤がビレイをする。セカンドで喜多嶋が登り、ザイルダウンして近藤

が登った。喜多嶋は危なげなく登っていたが、近藤は時間をかけ何とか登れた。斜上バン

ドに合流し少し登ったところを終了点とする。

 

そこでは40分ほど、嶌田先生からのご指導を受けながら、この先の登り方などについて

話し合った。すぐ先にトラバースで数メートル切れ落ちているところがあるとの情報なの

でコンテで登ることにした。いざ現場をみると残置のザイルがかかっていたので、帰りは

このザイルが使えることを確認した。その先は灌木帯で難なく歩いて登った。南西カンテ

基部に付き、全て嶌田先生がリードで登る。

 

1ピッチ目(5.7

 岩場がもろくはがれやすい岩質であったため慎重に登る。ホームボーイほど難しくはな

かった。上部まで行くと右に曲がり、黎明ルート上を終了点とする。3個のハンガーボルト

に捨て縄がかかっている支点があった。

 

2ピッチ目(5.9

 黎明ルートを登る。終了点には2つのハンガーボルトがあり、赤い残置スリングが片方

にかかっているので目印になる。

 

3ピッチ目5.10a

 ここが核心部となる。終了点直下は直線上に小ハングがあるので正規ルートはここを巻

くらしい。近藤は巻いたが、嶌田先生と喜多嶋は小ハングを超えた。終了点は灌木に残置

スリングがかかっていた。終了点の右側には二間バンド大ハングが見えた。

 

 ここで懸垂下降を開始する。黎明ルートを斜上バンドまで下りる。最初は3ピッチ目終

了点から2ピッチ目開始点まで懸垂下降する。次に黎明ルート上を下降し斜上バンドまで

下りる。斜上バンドからは先ほど切れていたところをFIX通過しながら下降する。

 

ショートルートにつくと、トップロープ用として2か所の支点からそれぞれ2本のザイ

ルを垂らした。取り付きまで再度、懸垂下降でおり昼食休憩をとった。グラシアス(5.9

+)、アミーゴス(5.9)、アナザステップ(5.9)、とんとん拍子(5.8)、ブルースカイの下

部(5.9)を登った。

 

ホームボーイ(5.8)を登る喜多嶋

 

間もなく斜上バンドに合流する。

 

最後に近藤がホームボーイ(5.8)を登る。

 

2ピッチ目の黎明ルートを近藤がビレイする〜ビレイポイントにて

 

黎明ルート上を懸垂下降した直後。

 

二間バンド大ハングの西側を終了点とし、ここから下降開始。

 

アミーゴスを登る1年喜多嶋。

 

アナザステップを登る1年喜多嶋。

 

山岳部3年(生産工・土木工3年)近藤

 

クライミングを終えて

今回の計画は、私にとって非常に有意義なものであった。5月に参加した登山研で講師

の方から「近藤はフリークライミングをもっとやるように」と言われたものをやっと1

具現化することができた。また、嶌田先生にはお忙しい中お時間を作ってご指導を頂き大

変感謝申し上げたい。

 

就活や授業などでここ最近思うように山へ行けなかったが、後輩のためにももっと自分

がクライミングで強くなり、計画を作ってあげなければと感じた。現に1年の喜多嶋は、

フォローではあるが初めてここまで難しい外岩を登ったと言っていた。

 

喜多嶋自身もより難しい外岩に行きたいであろう。他の多くの1年も、実力と意識の

割には圧倒的に経験が少ないのが事実である。学業との両立を図りながら、もっと自分が

山で強くなり、計画を作らなければならないと強く感じた。今回、大いに意味のある個人

山行であった。

(報告者:近藤歩)