山行報告書
日本大学山岳部
目 的)マルチピッチでの登攀技術の習得、登攀技術の向上
山 域)伊豆 城山
日 程)平成30年11月25日(日)
メンバー)山岳部顧問 L嶌田
聡(日本大学工学部教授)
3年 近藤 歩
1年 喜多嶋拓海 計3名
行動報告)
11月25日(日)快晴 12℃
平塚駅集合07:25〜駐車場09:00〜09:10取り付き〜11:35南西カンテ基部〜(マルチピッ
チ)〜13:30終了点(二間ハング下部付近)〜14:50取り付き〜(トップロープ)〜17:20取り
付き〜17:30駐車場
平塚駅で集合して嶌田先生の車で城山へ向かう。少し肌寒いが雲ひとつない晴天なので
絶好の外岩日和と言える。駐車場から10分ほどで取り付きにつける。既に何パーティかい
て少し混雑していた。
ほとんどのルートに先客がいたので、空いていたホームボーイ(5.8)を登る。嶌田先生
がリードで登り、近藤がビレイをする。セカンドで喜多嶋が登り、ザイルダウンして近藤
が登った。喜多嶋は危なげなく登っていたが、近藤は時間をかけ何とか登れた。斜上バン
ドに合流し少し登ったところを終了点とする。
そこでは40分ほど、嶌田先生からのご指導を受けながら、この先の登り方などについて
話し合った。すぐ先にトラバースで数メートル切れ落ちているところがあるとの情報なの
でコンテで登ることにした。いざ現場をみると残置のザイルがかかっていたので、帰りは
このザイルが使えることを確認した。その先は灌木帯で難なく歩いて登った。南西カンテ
基部に付き、全て嶌田先生がリードで登る。
1ピッチ目(5.7)
岩場がもろくはがれやすい岩質であったため慎重に登る。ホームボーイほど難しくはな
かった。上部まで行くと右に曲がり、黎明ルート上を終了点とする。3個のハンガーボルト
に捨て縄がかかっている支点があった。
2ピッチ目(5.9)
黎明ルートを登る。終了点には2つのハンガーボルトがあり、赤い残置スリングが片方
にかかっているので目印になる。
3ピッチ目(5.10a)
ここが核心部となる。終了点直下は直線上に小ハングがあるので正規ルートはここを巻
くらしい。近藤は巻いたが、嶌田先生と喜多嶋は小ハングを超えた。終了点は灌木に残置
スリングがかかっていた。終了点の右側には二間バンド大ハングが見えた。
ここで懸垂下降を開始する。黎明ルートを斜上バンドまで下りる。最初は3ピッチ目終
了点から2ピッチ目開始点まで懸垂下降する。次に黎明ルート上を下降し斜上バンドまで
下りる。斜上バンドからは先ほど切れていたところをFIX通過しながら下降する。
ショートルートにつくと、トップロープ用として2か所の支点からそれぞれ2本のザイ
ルを垂らした。取り付きまで再度、懸垂下降でおり昼食休憩をとった。グラシアス(5.9
+)、アミーゴス(5.9)、アナザステップ(5.9)、とんとん拍子(5.8)、ブルースカイの下
部(5.9)を登った。
ホームボーイ(5.8)を登る喜多嶋
間もなく斜上バンドに合流する。
最後に近藤がホームボーイ(5.8)を登る。
2ピッチ目の黎明ルートを近藤がビレイする〜ビレイポイントにて
黎明ルート上を懸垂下降した直後。
二間バンド大ハングの西側を終了点とし、ここから下降開始。
アミーゴスを登る1年喜多嶋。
アナザステップを登る1年喜多嶋。
山岳部3年(生産工・土木工3年)近藤 歩
クライミングを終えて
今回の計画は、私にとって非常に有意義なものであった。5月に参加した登山研で講師
の方から「近藤はフリークライミングをもっとやるように」と言われたものをやっと1つ
具現化することができた。また、嶌田先生にはお忙しい中お時間を作ってご指導を頂き大
変感謝申し上げたい。
就活や授業などでここ最近思うように山へ行けなかったが、後輩のためにももっと自分
がクライミングで強くなり、計画を作ってあげなければと感じた。現に1年の喜多嶋は、
フォローではあるが初めてここまで難しい外岩を登ったと言っていた。
喜多嶋自身もより難しい外岩に行きたいであろう。他の多くの1年も、実力と意識の
割には圧倒的に経験が少ないのが事実である。学業との両立を図りながら、もっと自分が
山で強くなり、計画を作らなければならないと強く感じた。今回、大いに意味のある個人
山行であった。
(報告者:近藤歩)