山行報告書
日本大学山岳部
目 的)上越の沢を遡行する、中級レベルへのステップアップ
場 所)巻機山 登川 米子沢遡行
日 程)平成29年9月29日(金)〜9月30日(土) 前夜発日帰り
メンバー)L大谷直弘(監督/OB)、岡本碩士(4年)
川村洸斗(2年)、田邊カレン(2年)
鈴木快美(OG)、鈴木浩太郎(OB)
計6名
気 象)
晴れのち曇り 気温7度(行動開始時)
栂の沢出合上部(後列左から:田邊カレン2年、岡本碩士4年、鈴木快美OG、前列左から:
大谷直弘OB、川村洸斗2年、 撮影:鈴木浩太郎OB)
行動報告)
9月29日(金)移動日
千石部室21:15(車両移動)〜米子沢 桜坂駐車場着00:25
監督車両にて東京千石の部室から塩沢石内IC経由で桜坂駐車場に向う。
9月30日(土)米子沢遡行 気温 6度(行動開始時)
米子沢桜坂駐車場5:30〜ナメ沢出合7:35〜栂の沢出合7:30〜上部ナメ滝
15:30〜二股16:30〜巻機山避難小屋16:45〜巻機山避難小屋17:15〜ニセ巻機
17:30〜(井戸尾根下降)〜五合目18:35〜米子沢桜坂駐車場 下山19:10
昨年の同計画は降雨の為中止になってしまい、今年こそはとの思いで米子沢
にやって来た。昨年の計画と同じく学生メンバーは岡本、川村、田邊の各メ
ンバー。加えて鈴木快美OGと鈴木浩太郎OBの参加協力を得た。
米子沢はゴルジュ、大滝、トイ状の滝、釜の伴う滝、上部には美瀑の滝を幾
つか控え、最後の大ナメを越えると熊笹帯の源頭に達する。沢沿いに辿れば、
藪漕ぎも無く10分で巻機避難小屋に到着する。
OB山行ではなく、学生主体の山行計画なので、殆どの滝の登攀と高巻きはザ
イルを出して通過することにした。その為、下山時間が遅くなりリミットの2
時間前とギリギリに成ってしまった。通過待ちもあったりしたが、丁寧に時
間をかけて通過した為である。あたり前のことだが、安全第一を心がけた。
要所のポイントはクライミング経験豊富な鈴木浩太郎OBがトップを担当し
てくれた。クライミングに取り組んでいる20代の若手OBが学生を指導し、
引っ張って行ってくれることを大変頼もしく思う。今夏の小川谷遡行に続き
再び時間を作ってくれた。彼の学生へのサポートに大変感謝をしたい。
また、鈴木快美OGも学生のフルマラソン参加や、都度都度の山行時に学生
と行動を共 にしてくれる頼もしい先輩である。
今回、学生メンバーのお目当てはどちらかと言うと、源頭部まで数百メート
ルに延びる上部の大ナメだったのであろう。最後の滝を越えて大ナメが現れ
た時の学生の歓声が印象的だった。2年生の田邊が言う“写真の通りだ〜”大
ナメはほぼ真っ直ぐ源頭へ伸び、空へ吸い込まれて行く感じ。大ナメの通過
時は少し曇ってしまい、抜ける様な秋空と言う訳にはいかなかった。それで
も上越の沢、米子の大ナメを楽しんで貰えたようで良かった。
(報告者:大谷直弘)
米子沢出だしのゴーロ帯〜堰堤を越えて暫く我慢して歩きます。
ナメ沢出合い
栂の沢出合上部にて
左から:田邊カレン2年、川村洸斗2年、鈴木浩太郎OB
スラブ滝もデカイ
2年生コンビです。左から:田邊カレン、川村洸斗
左から:岡本碩士4年、川村洸斗2年、大谷直弘(OB)、田邊カレン2年
最後の滝を乗っ越して大ナメの入り口に入る
上部大ナメの入口、6×9mの滝の上を行く
源頭下部大ナメの通過
源頭部大ナメを上から見下ろす
源頭部は庭園のような雰囲気の中を歩いて行く感じです
源頭から踏み跡を辿り10分で巻機避難小屋にでる〜写真右奥が黒い建物が避難小屋
番外編 〜 米子沢:2年生 川村洸斗と田邊カレン、
沢登り大好き部員の場合
写真:左から 川村と田邊の2年生部員
・川村洸斗〜沢は良い! 今年度は西丹沢・小川谷、丹沢・水無川本谷、源次郎沢右俣
と経験を積んで米子沢を遡行した。秋の青空、紅葉が始まりかけた稜線、ナメの大きさ、
美しさ…上越の沢を堪能した。一方、中級スケールの沢の難しさも感じる。滝の登攀、
その多くは支点などがない。カムを使ったり自然物を利用してビレイ、ランニングの支
点を構築していく。草付きが続く箇所ではどうしても支点が取れない箇所もある。その
場合、リスクを容認するのではなく、確固たる技術と判断力が決め手になる。それには
経験値を積み重ねるしかない。また、ナメ系の滝は落ち口に出る所がいやらしい。浸食
で洗われてホールド、スタンスに乏しい箇所が多い。楽しいばかりではなく、学ぶこと
の多い沢だ。目指すアルプスの4級の沢はまだ遠く先に有る。
そぅ、オレはカワムラ・ヒロト
・田邊カレン〜沢はステキ! 丹沢の沢よりスケールが大きかった。登っても登っても、
滝を越えても越えても、高巻いても…中々源頭の大ナメに辿りつかない。そもそも滝の
一つ一つが大きい。“デカイ”と言った方が感覚に合致するかな。山が深いからその分懐
も有る。中級レベルの沢はやっぱり違うな。要所における鈴木浩太郎OBのライン取り、
通過方法、ビレイの構築等々勉強になった。最後のナメ滝は沢タビのフリクションを
ピタピタと効かせ空に向かって登る感じ。源頭は庭園の様な中を歩き、藪漕ぎも無く踏
み跡を辿り10分で稜線に出ることができた。ナメも良いが源頭もまた良いロケーショ
ンだ。沢登りを頑張ろう、そしてまた仲間と来よう。
そぅ、ワタシはタナベ・カレン