山行報告書

日本大学山岳部

目  的) 山スキーを楽しむ(ムジナ沢・ワル沢の下降)

山  域) 尾瀬 至仏山東面

日  程 平成29423()25日(火)

メンバー) L   大谷直弘(OB監督)

      3  國谷良介                    合計2

         至仏山頂上(2677m)にて〜ムジナ沢下降前の國谷部員

行動報告

423日(移動日 横浜〜戸倉(車両移動)

横浜1930〜戸倉スキー場下分岐点2325(仮眠)

予定通り横浜を出発し車両にて戸倉に向う。今年は雪崩の為、鳩待峠まで車両規制が解除

されていないので戸倉から歩くことになる。24日、0300出発に備えて車内で仮眠をする。

 

424日(ムジナ沢下降 快晴 気温 3°

戸倉スキー場下分岐点0305〜(尾瀬ヶ原土出線)〜鳩待峠640〜小至仏トラバース手

0800〜至仏山頂0830〜ムジナ沢下降開始0915〜山の鼻0955〜鳩待峠1120

今回は鳩待峠まで車両で入山できなかったので、徒歩で峠までひたすら登ることにする。

11キロを歩き続けて鳩待峠に到着する。休みも取らず直にシールを装着して至仏山を

目指して登り始める。樹林帯の赤布に導かれながら小至仏に到着する。小至仏東面のトラ

バースは雪崩とクラストが注意ポイントだが、雪も安定しておりシールのままトラバース

する。続いて小ピークを幾つか越えれば頂上に達する頂上で大休止してから山の鼻を目指

してムジナ沢を下降する。山の鼻小屋からは川上川に沿って再びシールにて鳩待峠まで登

り直す。

 

24日 至仏山頂上手前を登る大谷〜シール登高で國谷部員に付いて行けなくなり、不覚にも遅れをとる。

歳を感じ、何とも言えない悲哀がこみ上げる。

 

24日 朝から雲一つない快晴である。燧ヶ岳は言うに及ばず、巻機から越後駒ヶ岳の稜線が望める。

大学1年の時(1979年)、冬山合宿でトレースした稜線である。距離で40キロ近くあったと

思うが、こうして見ると良い稜線である。当時は毎日が雪とガスの中の行動だったので、距離感

も景色も何も記憶に残っていない。白い世界とラッセルの毎日だった、38年も前の話だ。

 

何とか7分遅れで國谷部員に続き頂上に到着した。これからが大谷の本番です。國谷部員のムジナ沢下降

の撮影が始まります。ヘルメットを被りバックルを締め直して気合を入れる。小休止後、ヨッコラッシ

ョとザックを背負い、カメラを胸に固定しムジナ沢の下降点へ向かう大谷。

 

ムジナ沢を下降中の國谷部員〜シャッターを切りまくる。燧ヶ岳を眼前に尾瀬ヶ原に突っ込む様に滑り降

りる。出だしは斜度もあり加速してサイコーです! 他には誰もいないのが何と言っても素晴らしい。

写真の右下が山の鼻小屋方向。

ムジナ沢は最後までブッシュ通過が無く尾瀬ヶ原に滑り降りることが出来る。グッドな斜面である。

標高差800mを一気に滑り降りる。

 

沢筋に下りて来て傾斜も緩くなるとムジナ沢もおしまいです。あとは山の鼻に進路を取ります。

平地歩きも5分程のスケーティングで山の鼻小屋に到着する。

 

 

1225日(火)ワル沢下降 快晴 気温−2°

鳩待峠0535〜小至仏トラバース手前0710〜至仏山頂0740〜ワル沢下降開始0810

〜川上川0835〜〜鳩待峠0905〜休憩〜1035鳩待峠発〜戸倉スキー場下分岐点12

40

本日も至仏山の山頂を目指して登り始める。昨日と比べると短く感じるのは、昨夜しっか

りと熟睡できたせいであろう。小至仏山の東面トラバースも昨日同様、問題なく通過し、

至仏山の山頂に到着する。山頂から見るワル沢の斜面は、ムジナ沢ほど斜度はないが最高

の滑りを楽しませてくれた。ムジナ沢はジョウゴの筒先に下りて行く感じだが、ワル沢は

とにかく雪の斜面がデカイ。それでも滑り出すとあっと言う間に標高差800mを一気に滑り

終わる。樹林帯に入ってからも、意識的に尾根に沿って下降して行くと迷うことなく川上

川に突き当たる。今年は雪が多いので渡渉をしないで右岸に出ることが出来た。鳩待峠迄

登り返し、休息を充分にとってから駐車場迄下山する。楽しく素晴らしい山行となった。

                             

 

25日 手前が小至仏、奥のピークが至仏山。正面がワル沢の上部斜面で右に伸びるスカイラインが尾根

ルート。

25日 燧ヶ岳を右手に見ながら再び小至仏を目指す。2日目も天気が良い、気温が上がる前に滑り降りたい。

心は逸れども登るスピードが上がらない。

                              

25日 ワル沢を滑り降り、鳩待峠に戻ってくる。また11キロをひたすら鳩待峠から戸倉へ歩いて下りる。

ザックの中の兼用ブーツとスキーの重たいこと。次の目標地点は沼田ICへ向かう途中の“花咲の湯”

である。

 

〜山行をふりかえって〜

日大山岳部では山スキーに興味がある部員が多くいる。毎年入部してくる部員にも簡単なルート

から取り組んで行きステップ・アップを目指している。

今シーズンは、八子ヶ峰、根子岳(2回)、神楽峰と続き5回目の山スキー山行になる。

今回、下降したムジナ沢、ワル沢は初級ルートではあるが、GW前の短期間に静かな滑りを

豪快に楽しましてくれるルートである。この時期、新人勧誘、入部対応期間に当たっており多く

の部員を誘えなかったのが残念である。来年は何とか日程の調整をして多くの山スキー大好き

部員と行きたい。

                               (報告者:大谷直弘)