2016年度 初冬合宿報告書
日本大学山岳部
目 的)生活技術の確立
歩行・雪上技術の向上
リーダーシップ・メンバーシップの向上
山 域)北アルプス北部 白馬八方尾根
日 程)前 半
平成28年11月26日(土)〜平成28年11月30日(水)
移動1日、実働2日、停滞2日
後 半
平成28年12月2日(金)〜平成28年12月4日(日)
移動1日、実働2日
メンバー) 4年 CL水越健輔、SL加藤純
3年 高根澤亮太、岡本碩士(12/2〜12/4)
2年 國谷良介、高橋佑太(12/2〜12/4)
1年 川村洸斗、近藤歩、白土朝香、新保裕也、田邊カレン、福島端流、
守屋勇希
OB 賀来素直コーチ(11/26〜11/29)、宝迫哲史コーチ
計15名
〜前半合宿〜
11月26日(土)移動日
新宿18:15〜23:15白馬八方バスターミナル
新宿を夜行バスにて出発する。
白馬八方バスターミナルでは、小降りの雨が降っていた。
11月27日(日)入山日 雨のち曇り 3℃
白馬八方バスターミナル07:30〜09:40兎平10:00〜12:15八方池山荘12:30〜14:30八方池
BC
雨が降りやまない中、出発。スキー場に雪は積もっておらず、ゴンドラは動いていなか
った。一年生は汗だくになりながら急な坂を上る。田邊が遅れ始める。少し吐き気がする
らしいので、荷物を分け水分をとらせる。兎平手前で川村、守屋、田邉がひどい靴擦れを
訴えたため、テーピングを巻かせる。特に川村は辛そうであった。また、新保が両足をつ
ってしまい、彼の荷物を兎平で他のメンバーで分担した。
八方池山荘につく頃には、田邊の調子はよくなっていた。また、他の一年生たちも長い
登りを終えた達成感に浸り、皆笑顔である。その後は問題なく八方池に到着しテント設営
する。八方池の積雪は30センチ。吹き溜まりでは100センチほど。
11月28日(月)停滞 雪 0℃
朝から風が強い。午後からは天候が回復する予報だったので、11時に水越主将と高根澤
で雪上訓練場の偵察へ行く。稜線上はかなりの強風であった。昨年雪上訓練を行った稜
線にあがってすぐの八方沢側の斜面の積雪は40センチほど。扇雪渓まで行かなければ、
十分な雪上訓練はできないという結論に至った。偵察を終えてBCに着くと、立派な風防
壁が出来上がっていた。
午後になっても風がおさまらないため、雪上訓練を明日以降に延期する。
11月29日(火)停滞 曇りのち晴れ 温度不明(温度計破損)
一日中悪天が予想されていたため、この日は停滞にする。八時半ごろ、賀来コーチが下
山される。同じタイミングで除雪作業と風防壁の補強を開始する。積雪はほとんどなく、
除雪作業はすぐに終了した。しかし、風防壁の補強が甘く、何度も崩壊してしまった。
この日は太陽が顔を出すこともあったが、風は非常に強く、夜になってもおさまらなか
った。
11月30日(水)雪上訓練 晴れ 温度不明
八方池BC07:15〜07:40八方ケルン12:20〜14:45白馬八方バスターミナル
テントポールの凍結により、撤収が遅れる。冬山の撤収を初めて経験する1年生は、
てしまった装備に困惑していた様子だ。また、パッキングが雑になっていた。ここで、1
年生からゾンデを紛失したと報告を受ける。全員で探したものの見つからず、水越主将と
加藤副将がその場に残り、捜索を続行する。それ以外の隊員と宝迫コーチは、雪上訓練
場である八方ケルン付近を目指す。雪上訓練場の積雪は60センチほど。水越主将の指揮
のもと、1年生が歩行訓練を開始する。一時間ほど直登、直下降を行った後、ビーコン捜
索に移る。
ビーコン捜索に関しては、1年生以上の隊員も、捜索の流れを再確認することができ充
実した時間になった。最後に、FIX訓練を行った。2年の國谷が3ピッチ張る。
ビレイは1年生が交代で行った。ビレイ中はお互いに1年生同士でミスを指摘しあってい
る様子であった。訓練を終え、下山を開始する。急な坂の下降であったが、全員問題なく
バスターミナルに到着した。
12月1日(木)
白馬八方バスターミナル
高根澤のみ後半に参加のメンバーに合流するため、白馬八方バスターミナル付近で野営
をして待機する。
総 括
天候不良により、計画の全てのメニューをこなす事が出来なかった。しかし、冬合宿に
向けて最低限の訓練を行うことはできた。1,2年生には今合宿の訓練内容をしっかり復習
しておいてもらいたい。
冬山合宿まで一か月を切った。合宿の成功のためにも、確実な準備をしていこう。
(報告者:高根澤亮太)
〜後半合宿〜
12月2日(金)移動日
新宿18:15〜23:15白馬八方バスターミナル
岡本、橋の2人は予定通り新宿駅を出発。白馬八方バスターミナルにおいて高根澤と
合流。星空が綺麗に見えるほど晴れた夜空であった。前半から引き継いだ共同装備を振り
分け、就寝。
12月3日(土)入山、雪上訓練 晴れ 温度不明
白馬八方バスターミナル5:30〜8:30兎平〜9:40八方池山荘〜10:40八方ケルンBC 11:20〜雪上訓練〜15:20八方ケルンBC
ゴンドラが動いていないため、少し早めに出る。天気は良く、雲もほとんどない。兎平
までほとんど雪もなく順調に登る。八方池山荘からは30cmほどの積雪があり、所々深くな
っている。八方ケルン付近に到着後テントを設営し、小休憩後に雪上訓練へ向かう。
雪上訓練は天幕地付近の斜面で行うこととした。訓練は剱岳アタックを想定し、様々なル
ートでFIX訓練を行った。スノーバーの横埋めや土嚢袋による支点構築を行ってみたが、
積雪が少なく、どれも壊れてしまった。そのためハイマツを支点にロープを張った。
訓練は2年生に対してマンツーマンで指導することができ、充実した時間となった。
訓練後、天幕地にて信州大の方々に会った。同じ場所で天幕するようだ。夕食を食べ、
明日の予定を3人で話し合い、就寝した。
12月4日(日)雪上訓練、下山 晴れ後曇り 温度不明
八方ケルンBC 06:00〜06:30八方池〜雪上訓練10:30〜11:00八方ケルンBC 12:30〜14:00白馬八方バスターミナル
この日は八方池まで登りFIX訓練をすることにした。朝方は前日ほどではないが雲も少
なく、よく晴れていた。八方池に到着後、すぐにFIX訓練に入る。この日は斜面と稜線で
ロープを張った。吹き溜まりでは積雪が多く、前日にはできなかった土嚢袋による支点構
築ができた。
FIX訓練後、幕営地に戻りビーコン捜索を行う。雪崩講習に参加した高根澤から様々な
指導を受ける。
ビーコン捜索後、テントを撤収し下山を開始する。この頃から雲が多くなってきた。ゲレ
ンデを順調に下り、バスターミナルに到着する。
総 括
今回の訓練は3人という少人数で行ったためか、全員で意見の交換や技術指導を行うこ
とができ、充実した訓練を行うことができた。冬合宿の剱岳アタック前の最後の訓練で
あったが、2年高橋には良い経験となったはずである。
冬合宿まで残り僅かであるので、今回の訓練で学んだことを前半に参加した部員とも共有
し、技術の向上に繋げていきたい。
(報告者:岡本碩士)