山行報告書

日本大学山岳部

目  的)一ノ倉沢南稜の登攀

     登攀技術、ロープワーク技術の向上

山  域)谷川岳 一ノ倉沢 烏帽子岩 南稜

日  程)平成271015日(木)〜16日(金)

メンバー)4年 L  賀来素直

               3年 SL水越健輔

                 2年  高根澤亮太

OB    飯田祐一郎コーチ            計4

 

一ノ倉沢南稜最終ピッチ

行動報告)

1015日(木)

土合駅17:5618:30谷川岳登山指導センター

  土合駅を出発し、登山指導センターへ向かう。登山指導センター内で寝袋に入ったが、

施設にはカマドウマと蚊が多く、煩わしい夜だった。高根澤はよく眠れていたとのことで、

イビキがうるさい。23時頃、飯田コーチが到着し合流する。

 

1016日(金)晴のち曇  気温+9度

谷川岳登山指導センター04:3005:00一ノ倉沢出合〜0815南陵テラス08:40

1230南稜終了点13:001630南稜テラス〜1945一ノ倉沢出合〜

20:10谷川岳登山指導センター

 施設内に荷物をデポし、一ノ倉沢出合へ向かう。辺りはまだ暗いが、出合では一ノ倉沢

の荒々しい全容がうっすらと見えた。沢沿いに歩き、ヒョングリの滝を高巻くため手前の

岩稜に取り付く。残置ロープが目印である。懸垂下降をし、テールリッジに取り付く。樹

林帯と最上部を除けば残置FIXがあり、大いに活用する。ガスが出始めたころ、南稜テラ

スに着きクライミングの支度を整える。平日ということもあり、南稜には他のパーティー

は誰もいない。

 

1P目はチムニーがあり、ザックが邪魔である。また、ロープが屈曲しやすい。2P目は細

かなホールドが多く丁寧に足運びをすれば易しい。草付きを通過し、3P目も易しいが、

ガスのせいで高度感が少ない。4P目からはテラスが少し狭い。リッジを行く楽しいピッ

チだが、景色が見えず残念である。最終の5P目は染み出しがあり、少し登りにくい。上

部がやや渋いがピンが豊富なため問題はないが、リミットぎりぎりで登攀終了を迎える。

 

南稜全体として、ピンは豊富だが人気ルートのわりには古いものが多く、安易に信用

しないようにしたい。つるべで登ったわけではないので、4人だと時間がかかってしま

った。途中、微かに雨が降った。懸垂下降に取り掛かり、南稜を右手に見ながら下降

する。6ルンゼは落石が集中しやすいため、計画通りすぐに南稜上を懸垂下降する。

2030mごとに懸垂下降点が設置されているが、ピンは古いもの、弱いものがあるの

で慎重に選択する。3P目の下降後にザイルの回収が出来なくなり、引いたり揺らしたり

1時間近く使う。結局賀来が登り返して岩に引っかかっていた結び目を解消する。

 

南稜テラスまで降り、テールリッジを下降する。まだ明るいが、テールリッジ上はザ

ックをおろすのが難しいため、あらかじめヘッドランプを出す。テールリッジ上部で暗

くなりはじめ、焦らないよう慎重に下降する。上部の下りでは草で足場が見えないため

時間をかける。樹林帯で完全に暗くなり、集中を保つため声掛けを頻繁に行った。南稜

テラスから出合に到着するまでの下降で3時間以上、一瞬たりとも気が抜けないため、

メンバーにとっても特に精神的に消耗した山行であった。

 

↑土合駅階段

 

↑登山指導センター 建物自体は使いやすく、過ごしやすい(20:00消灯)

 

↑出合から一ノ倉沢を望む

 

↑懸垂下降準備をする水越  

 

↑懸垂下降をする高根澤  

 

↑テールリッジ下部FIXロープ

 

↑テールリッジ通過

 

↑テールリッジ中腹 紅葉がきれいです

 

↑南稜テラス

 

↑南稜テラスを見下ろす

 

↑視界が悪いです

 

↑テールリッジ下降開始

 

↑テールリッジ下部 真っ暗です

 

(報告者:賀来素直)