2014年 初冬合宿報告書

 日本大学山岳部

 

目  的) 生活技術の確立、歩行・雪上技術の向上、

リーダーシップ・メンバーシップの向上

場  所) 北アルプス後立山  白馬八方尾根

日  程 平成261128日(金)〜121

移動日1日、実働4、下山日1日

メンバー) 4年  CL山浦祥吾

3年 SL賀来素直、M宝迫哲史

2年 井上理、加藤純、篠崎さやか、水越健輔

1年      高根澤亮太、中田航平           以上9名

 

               11月30日 唐松岳頂上

後列左から:宝迫、井上、水越、中田、篠崎   前列左から:高根澤、賀来、加藤

                                 (撮影:山浦)

行  動)

11月28日(金)移動日

新宿(高速バス)18:0022:30白馬八方バスターミナル

白馬八方バスターミナルにてビバークをする。改めてテントを確認すると、V6

前室ベルトがないので、V4のものを付けて設営し就寝する。

 

11月29日(土)入山日 白馬八方〜八方尾根スキー場〜八方池山荘〜八方池BC

雨後風 +8℃

白馬八方バスターミナル0725〜八方尾根スキー場07:4009:40兎平10:10〜八方池

山荘12:5015:45八方池BC

 気温が高く、雨が降っている。雪が少ないためゴンドラアダムが動かない情報が入る。

2時間ほど早く出発する予定だったが、2年のひとりが体調不良を訴え、行動可能か否

か打ち合わせに少し時間を要す。症状が軽いため、一緒に行動をすることを山浦が

決定、スキー場の登り口へ向かう。ゴンドラは動いておらず、兎平へ向け登り始める。

時折雷が鳴る。雪の無いゲレンデと管理用の車道を通って兎平へ到着、しばし休憩する。

重荷と雨の中、1年生は辛そうだったが、良くがんばっていた。それでもペースが上が

らないため、荷物を上級生に分ける。アルペンクワッド辺りでようやく雨が止み、10cm

程度の積雪が出てくる。八方池山荘からの稜線は風が強くなり、ペースが上がらない。

八方山で積雪は20cm程度である。強めの風の中、八方池にBCに到着、設営をしっ

かりと行いテントを固定する。期間の後半は強い冬型になりそうなため、明日30日に

唐松岳にアタックをすることに決定する。

 

11月30日(日)唐松岳アタック日 八方池BC〜唐松岳〜八方池BC 晴後曇+1

八方池BC06:10〜唐松岳頂上山荘12:00〜唐松岳頂上12:50〜八方池BC16:20

 も雨も無く、良く晴れているが好天も長くは続きそうに無い。軽いラッセルを交代

しながら進む。頂上山荘手前の雪壁にFIX1ピッチ張り残置する。露出した岩場に

はボルトがいくつか打ってあった。山荘にザックをデポして頂上へ向かう。北東側には

小さいながらも雪庇があるので注意した。剣岳がはっきりと見え、記念撮影をして降り

る。下りはFIXを回収しつつ、新たにFIX1ピッチ張る。1年生はスムースに通過

できていた。時間より遅れてしまっているので先を急ぐが、1年生のペースが落ちる。

特にペースダウンしている高根澤に賀来が付き添い、帰幕する。1年の高根澤と中田の

体温を測ると、二人とも3839度の熱があった。二人を先に休ませ、荒天に備えて

防風ブロックの構築とテントの固定を強化する。

 

 

 

 12月1日(月)下山日 八方池BC〜第二ケルン(雪訓)〜八方池BC〜八方尾根ス

キー場〜白馬八方 風雨 +4

八方池BC06:0006:30第二ケルン11:1011:40八方池BC13:30〜白馬八方17:10 

 夜は大して風は吹かず、変わりに雨が降る。昨日作った防風ブロックも、溶けて崩壊

している。高根澤と中田はまだ体調が優れないので、山浦主将がテントに付き添い、残

りの2、3年生は第二ケルンまで雪訓に行く。雪はさらに少なくなっており、ビーコン

捜索訓練とFIX訓練のみを行う。雨と風が強くなってきており、雪訓の続きはBC

辺で行おうこととし、八方池BCまで戻り、土嚢による支点作成訓練をする。激しい雨

で八方池BC周辺の雪は溶け、今夜からの冬型に耐えられるベースではなくなる。また、

体調不良の1年生二人と悪天を考慮し下山を決定する。急いで撤収し、BCを出発する。

気温は徐々に下がってきており、雪になってくる。八方池山荘まで頑張ってもらい、一

気に下山する。17:30の最終バスに間に合い、体調不良の1年生二人を優先して乗り込

ませ帰京させた。

 

総 括

雪の多かった昨年と打って変わって、少ない積雪のうえに雨が降るという、雪上訓練と

しては条件の悪い合宿となった。しかし、唐松岳アタックに成功したことは、今後の

活動を考えて行く中で良い判断基準となった。1年生には冬山の楽しさを、2年生には

下級生に対する責任を感じてもらえれば幸いである。

                                                                                                                             (報告:賀来素直)

 

              八方尾根から鹿島槍を望む

 

       1130日 八方尾根から唐松岳を目指し登り始める

 

         八方尾根上部稜線       

 

 八方尾根上部、主稜線とのジャンクション直下のFIXをする宝迫(3年)

 

                唐松岳頂上直下

 

                唐松岳頂上

 

              冬山合宿の目標…剱岳です

 

        帰りの1ピッチFIX準備中

 

        八方池BC、降雨によりブロック崩壊