平成26年度大学生登山リーダー夏山研修会報告書

日本大学山岳部

主 催)独立行政法人日本スポーツ振興センター

後 援)文部科学省

協 力)公益社団法人日本山岳協会 富山県警察本部山岳警備隊

場 所)北アルプス 剱岳・国立登山研修所

期 間)平成26830日(土)〜95日(金)

目 的)大学において登山活動を行うクラブ等のリーダーとリーダー候補者を対象に、基礎的技術や基本的状況判断力を習得するための研修を行い、チームを率いて安全で確実な登山を実践できるリーダーを養成する。

参加メンバー) 山浦祥吾・・・1班

      

行 動)        

830日(土)移動日

新宿(高速バス)23:3006:10富山駅(富山電鉄)07:2008:20国立登山研修所

 山浦は一班に配属され、二年前もお世話になった上田氏、クライミングファイトの増本氏とお会いする。研修一日目の講義は「ナビゲーション技術」と「確保理論」を受ける。「自己紹介はいらんだろ」という講師、早速、人工岩場に取り付きシステムチェックを行う。行動計画は六峰フェイス、上半縦走、チンネとなった。

 

831日(日)座学 入山準備日

 「登山の医学」の講義を受ける。残り時間は実習と入山準備に費やす。

 

91日(月)入山日 曇り後雨

室堂09:1510:45雷鳥沢〜11:08剣御前小舎11:2012:30別山岩場14:2015:00前進基地

 予定通り雷鳥沢から登り別山経由で別山岩場を目指す。別山岩場でカム、ナッツ訓練を行っていると雨が降り出したので、前進基地へ向かい幕営する。 

 

92Aフェース登攀日(火)晴れ

前進基地4:0005:15長次郎谷出合05:2506:30T、U峰間ルンゼ〜07:45熊ノ岩BC08:4509:30Aフェース登攀開始〜11:30登攀終了〜12:30X、Yのコル〜13:15熊ノ岩BC14:00熊ノ岩上部岩場〜15:00熊ノ岩BC

 メンバーが遅れだし、長次郎谷の詰めが遅くなる。熊ノ岩に到着後、BC設営する。一パーティは魚津高ルート、もう一パーティは中大ルートを登る予定だが、ルートにこだわらず弱点となるラインを読んで登る事に。ザイルを延ばせばどちらも二ピッチで終了点、難しくはないが残置は4、5m間隔、RCC有り、カムやナッツがあればより安心だろう。基本的にナチュプロ。終了点から数m東に歩くと懸垂下降地点となり、二ピッチ懸垂すると五、六のコルとなる。時間がなくなったので、熊ノ岩上部の岩場でカム、ナッツを使った登攀訓練を行う。その後ツェルトでビバークする。

 

93日(水)上半縦走日 晴れのち雨

熊ノ岩BC 04:0004:30X、Yのコル〜06:30Cフェースの頭〜10:00八ツ峰の頭10:1510:30池ノ谷乗越〜11:15熊ノ岩BC12:0014:30前進基地

 前日出来なかった上半縦走のため五、六のコルへ向かう。日が昇る前からまず、五、六のコルから頭に向けて一ピッチFIXする(山浦、Uくらい)。その後、Dフェース頭まで踏み跡をたどる。ここから、北方稜線やチンネがよく見える。Dフェース頭より一ピッチ懸垂、さらにEフェース頭より一ピッチ懸垂する。ここからチンネ側に巻き道があった。八ツ峰の頭に向けてFIXを張る(山浦、Vくらい)。頭より池ノ谷乗越へ一ピッチ懸垂となる。池ノ谷ガリーから女性が一人で歩いてきた。北方稜線を歩いてきた縦走組が続々と劒岳を目指して歩いているが、私達は撤収があるので池ノ谷乗越より長次郎谷を下降する。熊の岩までの間はガレガレで落石の墓場なので注意したい。撤収後、前進基地に帰幕した。

 

94日(木)下山日 曇りのち雨

前進基地05:3007:15搬送訓練別山北尾根上09:4512:00雄山〜13:00室堂

 今日は別山尾根から別山までの搬送訓練、さらに雄山まで足を延ばし室堂に到着した。

 

95日(金)座学 研修最終日

 飯田先生の氷雪講義を受け、研修会は終了した。富山駅でお食事会を行ったが、全体的に各大学の参加者は面白いやつが多かった。

 

総括

 一流の方々と行動や会話を共にしたことで多くの技術や疑問点を習得、解消出来ていい経験になった事は間違いない。適当に何処かで伝達出来ればいいと思っている。それ以上に、二年前も似た感覚を得たが、講師の方々には希望や目標を与えて頂いた気がする。強い事も、危機管理も、チームを愛している事も 全て当たり前。その上で夢を持って、夢を与えられるリーダーが必要とされている気がした。