山行報告書

                             日本大学山岳部

 

場 所) 群馬県 谷川岳(1,977m) 天神平尾根

日 程) 平成2638日(土)~39日(日)

目 的) JAC雪山登山講習会に参加(生活技術・歩行・雪上技術の習得と向上)

メンバー)L.古野 淳(日大山岳部OB)、 桧山泰平(1年) 講習会参加人員30

          

気 象)  3月8日 雪→吹雪  気温不明(行動開始時09:45)

      3月9日 晴れ→快晴 気温不明(行動開始時07:00

 

快晴 谷川岳天神平尾根上 1,400m付近にて

 

行 動)

 

3月8 日(土) Maxたにがわ401号にて大宮駅発 07:02 →上越新幹線上毛高 07:53 →バスにて上越新幹線上毛高原駅発08:00 →谷川岳天神平スキー場バス停08:45 →谷川岳ロープウェー土合口駅 09:20〜天神平駅ゲレンデ発 09:45 →天神平尾根約1400m地点着 雪洞構築開始 11:30〜雪洞完成 16:30〜食事 17:00〜就寝 19:30

 

 天神平スキー場土合駅に着くと、参加者の班分けと共同装備の分配、行動の説明が講師から行われた。講習会参加者は30人ほどである。今回の講習会でリーダーを務める日大山岳部OBの古野さんは一足先に天神平駅に上がっているとのことであった。

講師の指示に従ってロープウェーに乗り、天神平駅まで上がると、下とはうって変わって強く雪が降っていた。駅で待っていた古野OBに挨拶し、先発メンバーが揃うのを待って歩き出したが、5分と歩かないうちに先頭が止まった。これから登る急斜面で、積もった新雪のために雪崩の心配があるため、間隔をあけるように指示が出た。

天神平尾根に上がると雪に加えて風も強くなり、天候は完全な吹雪となった。いよいよ進むかと思ったが、またも10分ほどで足が止まった。今いる尾根にて雪洞を掘り、今日の宿にするとのことであった。この時、巻き上げられた雪によってホワイトアウトとなり、周囲5mほどしか見えないほどの天候となった。

私たちは尾根を西にはずれた斜面にひとまずトレースを作り、斜面に場所を決めて雪洞を掘り始めた。講師の説明によると、雪洞構築の際にはなるべく入り口はコンパクトに作り、天井は高めにするように掘ったほうがよいとのことであった。入り口を広めにしてしまうと、その入り口が原因で雪洞が崩れる事があるらしい。私たちは休憩をはさみながら掘り続け、5時間ほどかかったものの、中で56人が横になれるほどの雪洞を完成させることができた。雪洞の中は意外なほど温かく、非常に静かでテントよりもはるかに快適であった。

雪洞の中を整理しているときに、講師の方から明日の行動予定についての話があった。今日の降雪で新雪が積もり、雪崩や深いラッセルが予想されるために明日の谷川岳トマの耳へのアタックは中止になるだろうとのことであった。

私たちは雪洞内で夕食のキムチ鍋を作り、食事を終えると雪洞堀りの疲れから早々と眠りについた。

 

3月9 日(日) 起床05:30〜食事 06:00〜雪洞発 07:00 →天神平尾根発 07:00 →谷川岳天神平尾根上、谷川岳山頂が見える場所にて写真撮影 07:30 →天神平尾根にて雪上訓練開始08:00〜雪上訓練終了14:00 →天神平尾根発下山開始 14:00 →谷川岳ロープウェー天神平駅 14:10〜土合口駅14:30 →バスにて谷川岳天神平スキー場発 15:10(行動終了)

 5時に起床、まず目に飛び込んできたのは昨日からはるかに低くなった雪洞の天井だった。講師によると、雪洞は雪の自重によりつぶれてくるものなので、長く使いたい場合には天井を高く掘っておく必要があるとのことである。今日の行動について話があったが、谷川岳トマの耳へのアタックは中止し、雪上訓練をするとのことであった。全員で記念写真を撮って元の尾根に戻ってからはひたすら雪上訓練となった。雪崩弱層テスト、ビーコン捜索、滑落停止、FIX通過と懸垂下降を行った。雪崩弱層テスト、ビーコン捜索については自分で行ったのは初めてだったので、操作方法、知識の確認を踏まえ実地での訓練ができたことは大きな意味があると感じた。滑落停止については山岳部の初夏合宿で訓練して以来だったが、しっかり停止することができた。FIX通過と懸垂下降については山岳部で練習した通りであり、操作手順・知識の確認になった。

最後に講師陣にお礼を言ってからバスで上毛高原駅へと向かい、新幹線で帰宅した。

 

                              (報告者:桧山泰平)