012年度初夏合宿報告書

                                 日本大学山岳部

 

 

山域)北アルプス 涸沢 奥穂高岳 槍ヶ岳(北鎌尾根残置装備回収)

期間)平成24610日(日)〜19日(火)

メンバー)4年 CL飯田祐一郎

     3    SL関洸哉

     2年 山浦祥吾

            1年 池田祥子、賀来素直、金原守人、須郷直也、田仲航

OB 大谷直弘(611日〜11日)

OB 船田良、高木大地(612日〜15日)

槍ヶ岳(北鎌尾根残置装備回収)・・・4年 CL飯田祐一郎

                  3  SL関洸哉

行動)

610日(日)移動日

 

新宿発高速バス発〜上高地

 

611日(月)入山日 晴れ後曇り

 

05:15上高地06:0509:05横尾BC@12:0012:10横尾周辺にてロープワーク15:40

 

横尾までの道のりは談笑しながら楽しく歩く。横尾にて天幕を終えた後、周辺でロープワークの確認を行う。勿論、完璧とは言えないものの、一年生は思っていた以上にロープワークの動作を覚えていた。お昼頃には大谷監督が横尾に到着する。

 

612日(火)晴れ後曇り

 

横尾BC@05:0508:55涸沢ヒュッテ09:3010:10雪上訓練場14:0014:10涸沢ヒュッテ14:1516:35横尾BC@

 

朝の出発時、一年生が準備に手間取る。涸沢ヒュッテまでの道のりでは、初めての雪渓歩きという事で、なかなか一年生のペースが上がらない。沢沿いには例年よりも雪が多く、本谷橋手前にはデブリが貯まっており、橋自体もまだかかっていなかった。途中、ヒュッテ手前400m辺りからヒュッテまで、毎年恒例の雪渓ダッシュをさせる。一年生は先輩に追いつこうと必死なって頑張っていた。涸沢ヒュッテまでの行動で一時間の遅れを取った為、その後の行動も一時間遅れとなった。5・6のコル方面まで行く時間が惜しいので、それよりも手前の雪渓にて訓練を開始する。ヒュッテ周辺・雪訓場では例年通りの積雪のように感じた。滑落停止、直登・直下降、8の字歩行、FIX工作の順に訓練を行う。その中でも滑落停止、直登・直下降に力を入れての訓練となった。また、FIX工作では、前日に復習した甲斐があってか一年生全員がスムーズに行えていた。天気図を取る関係上、下山は2隊に分けての行動となった。横尾BC@に到着してみると、既に船田ヘッドコーチ・高木コーチが到着していた。

 

613日(水)晴れ

 

横尾BC@05:0510:00涸沢BCA10:5011:15雪上訓練場14:5015:00涸沢BCA

 

荷物を背負っての行動となったため、涸沢ヒュッテまでの行動時間が前日よりも一時間多くかかる。訓練内容としては、ロープワークに大半の時間を使う事となった。下級生一人に対し上級生またはコーチ一人が付き、マンツーマンの形となってロープワークを行った。ロープワークは、初日に復習を行っていたので一年生は割とスムーズに行えていた。予定されていた滑落停止・8の字を省き、FIXを1ピッチ張り帰幕する。

 

614日(木)晴れ

 

涸沢BCA05:0507:45穂高岳山荘07:5510:45奥穂高岳11:1511:55穂高岳山荘12:0012:15涸沢BCA

 

一昨日、昨日と、行動の遅れが目立っていたが、穂高岳山荘までは良いペースで行動が出来た。山荘から奥穂高岳へのアタックでは1ピッチFIXを張り、下山時の懸垂用としてそのままロープを張りっぱなしにした。頂上では写真を撮り、レーションを食べながら景色を楽しむ。30分ほど休憩したのち、下山を開始する。下山時では、行きに張ったロープで懸垂を行い下降する。一年生も徐々に懸垂に馴れてきていた。山荘からの下降では、復習として途中まで直下降で下山した。一度を滑る事なく一年生は良く歩けていた。途中からはシリセードでいっきに下降する。雪の付き方としては、終始例年通りに感じた。

 

615日(金)晴れ後雨

 

下山隊・・・涸沢BCA05:0007:30横尾08:0011:00上高地

槍ヶ岳(北鎌尾根残置装備回収)・・・横尾08:3015:50槍ヶ岳山荘CS@

 

時間はかかったが予定通り槍ヶ岳山荘に到着する。前日に装備の軽量を図ったもののザックの重量が重く、飯田、関共に疲れがでていた。夜からは雨が降り出す。

 

616日(土)雨

 

槍ヶ岳山荘CS@停滞

 

前日の雨が降り止まないので停滞。

 

617日(日)曇り後晴れ

 

槍ヶ岳山荘CS@09:2009:50槍ヶ岳山荘10:0011:30北鎌平CSA

 

天候の回復を待ち、予定よりも4時間遅れで出発する。槍ヶ岳から北鎌平までの下降では、頂上直下にて1ピッチ懸垂ロープをだした。北鎌平にはまだ雪が残っており快適な天場であった。

 

 618日(月)晴れ後ガス

 

北鎌平CSA04:0006:10残置地点08:0015:00北鎌平CSA15:3016:40槍ヶ岳16:5017:30槍ヶ岳山荘CSB

 

予定よりも出発を1時間早めての行動を取る。残置地点には予定よりも1時間早い、2時間で着いた。残置回収は思った以上に時間がかかり、回収だけで2時間も時間を要した。また、残置装備の重量が想像以上であり、一回での運搬を断念する。槍ヶ岳側に100mほど進むと広いスペースがあるので、二回に分けてまずはそのスペースまで荷物を運搬する事にした。この時点で、数回に分けて荷物を運搬し仮に槍ヶ岳を越えたとしても、その先の下山の際に残置装備を担いでの行動が不可能な事は分かっていた。なので、どこまで残置装備を槍ヶ岳側に近づけることが出来るのかを考えていた。槍ヶ岳側に100m進んだ広いスペースに到着すると、再度装備をばらし、使える物を優先して回収し運搬する事とした。その他の装備はザック2個にパッキングし、その場に残置する。パッキングをし直し、安全に行動を行える限界の重量を担ぎ再度行動を開始する。北鎌平に到着し、残置した装備を北鎌平まで上げるか否かの話し合いをするが、二人とも、心身共に疲れがたまってあり、このまま再度北鎌尾根の往復を行う事は非常にリスクが高いと考えたので、その日のうちに槍ヶ岳を越えて可能な限り下山する事にした。北鎌平から槍ヶ岳への登りは、一定のペースの登り1時間ほどで到着する。頂上に着くと急に天候が悪くなっていきガスってきた。その為、無理をせずに槍ヶ岳山荘にて天幕をする。

 

619日(火)雨

 

槍ヶ岳山荘CSB06:0012:40上高地

 

台風が近づいていたので早めの出発をする。行動中は降ったり止んだりで、横尾に着く頃にだんだんと強くなってきた。上高地までの21qの道のりは雨・50sを超えるザック・平坦な登山靴では歩きにくい道が延々と続き、非常に疲れた。

 

 

↑ 横尾BC、快適な天幕地です

 ↑ 初夏合宿 横尾BCから涸沢に向けて出動開始

↑ 涸沢へ、向かう残雪も比較的多め

 ↑ 涸沢着 一年生雪上訓練用意

 ↑ 雪上訓練歩行技術:直登・直下降・方向転換訓練

↑ 1年池田祥子部員 直登歩行訓練(指導者3年関部員:左)

 ↑ 関3年部員滑落停止訓練ライン取り

 ↑ 1年池田祥子部員滑落スタート位置に到達

 ↑ 1年須郷部員 滑落停止…止まりません

↑ 1年池田祥子部員 滑落停止…たくましいです

↑ 1年田仲部員 滑落停止…止まりません


↑ 余裕の1年池田祥子:雪の斜面はもう怖くありません!

↑ FIX練習

↑ 青空のもと、奥穂へ

↑ 白出のコルから奥穂へ

↑ 地図を見ながら穂高周辺の概念を再確認

↑ 槍までの稜線をバックに、頂上直下はFIXを張り通過

↑ 奥穂高岳頂上

↑ 小豆沢を下る

↑ 前半組下山

↑ 河童橋前にて(サポートにきてくださった船田、高木両コーチと)

(写真提供:大谷監督,賀来)