個人山行報告書

                          日本大学山岳部          

    所) 富士山 (須走口ルート)

   間) 平成241115日(

メンバー) L 大谷直弘(監督)、関 洸哉(3年)、横山 裕(3年)

   )  晴れ  気温−3度(行動開始時)、本8合−15度(最高点少し下)

   的   ヒマラヤ春山合宿に向けてのトレーニング

 

    須走口駐車場0145着 仮眠 須走口駐車場615〜新六合目(2,450m)710〜本8合目1215〜須走口駐車場 帰着1400

 

   大谷は毎度のことながら、前日の仕事からそのまま夜行運転、仮眠後すぐの行動開始は辛いので今回、出発までの仮眠時間を多くとることとした。

   低気圧が抜け、日本列島はこの日冬型の気圧配置が決まった。

   7合目からのは本格的にラッセルが始まり、横山、関にて交互にラッセルの先頭に立ってトレースをつけてもらう、先行者は誰もいない。

   毎朝、富士山を出勤時に車窓から見ることが出来、雪の多いのは確認できていたが予想通り雪は多かった。

   8合手前から燕沢上部を横断し吉田口ルートに合流するが、雪の量も多く氷のバーンは所どころ硬く登高に緊張を強いられる。

燕沢もあと少し積雪が上がってくれば、氷の斜面と化し、落ちれば遮るものもなく6合まで真っ逆さまに落ちると言った感じ。

   大谷がバテ気味で中々ピッチが上がらず、学生に遅れを取る。情けない、不覚である。

   12時を回ったところで南側の斜面からドス黒い雲が巻き上がってくる、現役時代に下級生が吹っ飛ばされたあの突風が来るのかと少し動揺した。

   1時までに頂上に到達できる見込みがないので、今回は本8合上にて引き返すこととする。

 

   大谷に取って久々のアイゼンワークには良い機会だったが、8合から上はアイゼンの歯をシッカリと研いでからではないと登れないことを再確認した。

   全てのアイゼンの歯に、事前にヤスリを入れておかなかったのは、やはり大失敗であった。

   吉田大沢は雪がシッカリついており、一見、氷雪訓練には最高のゲレンデだが、落ちたら最後6合の雪面と地表のコンタクトラインまで滑落して行くと言った感じである。

   学生時代は疑問もなくこの斜面で氷雪訓練をし、アイゼンの歯が3分の1しか入らない氷雪の状態でお額の横を通り抜け、頂上まで登っていた。

   氷の硬さ、風の強さ、天候の変化は富士山独特で、経験豊富なクライマーを伴って登る山であると改めて認識させられた。

次回、12月の上旬頃に再度計画をしたい。   

 

                                 (報告者:大谷直弘)

 

↑ 左:横山部員 右:大谷監督

↑ ひたすら登ります。

↑ 関、横山

↑ 冬富士の厳しさを知る大谷監督は、仕事の合間をぬってアイゼンも研いで来られていました。

  写真は、大谷職人技で研がれたアイゼンの前爪(左:After、右:Before