個人山行報告書

                          日本大学山岳部          

    所) 丹沢 水無川水系 源次郎沢右俣

   間) 平成24520日(

メンバー) L 大谷直弘(監督),田仲 航(1年)

   ) 源次郎沢 遡行〜鍋割山まで縦走

 

曇り  気温+16度(行動開始)

 

    大倉バス停740〜戸沢845源次郎出会915〜塔の岳1400〜鍋割山1440〜二股1610〜大倉バス停1715

 

   ほぼ予定通り大倉のバス停を出発、いつもの通い慣れた林道を戸沢山荘目指して歩き始める。

   大谷にとって源次郎沢は高校3年生の時に遡行をして以来で、34年ぶりと言う懐かしい沢です。

今回は4月の山スキーで田仲君と登った際に“暖かくなったら沢登りに行こう”と大谷が誘っていましたので、その約束を果たすことと致しました。

さすがに日曜日、戸沢山荘の前では入渓者の一団がすでに準備を整えスタンバイしている、同じ源次郎ではないことを祈ったが、後で追いつき順番待ちとなった。

本谷を過ぎたところで、我がパーティーも入渓武装を整え、いざ遡行開始となる。

今回、田仲君は沢登りが(本格的には)初めてと言うこともあったので、大谷が草鞋を用意し田仲君には履いてもらい、全ての滝は直登を目標に遡行する。

   源次郎沢への目印に導かれながら、迷うことなくF14m)へ、早速ザイルをアンザイレンして大谷がトップで登る。F2〜F4までの小滝の連続(5m以下)が続き、ウォーミングアップよろしく軽快に乗っ越して行く。

510m大滝)は先行パーティーが取り付いており順番待ちだが、セカンドが登れない状態が続き、20分程様子を見ていたが、当パーティーは諦めて左岸の高巻きを決意。落ち口への高巻きもシッカリとザイルを張って田仲君に高巻きの方法を伝授。

前半のハイライトを逃したが、気を取り直して二俣を目指し行動開始、ここから岩小屋の滝、更にはF9までは、さして難しい所もなく登り続ける。

さすが体育学科の田仲君は身のこなしも良く、沢歩きも慣れてきたといった感じ、草鞋も適度に毛羽立ち始めフリクションも良い感じだとのこと。

後半のハイライトF108mのCS)まで辿り着くと、前述の一団パーティーが左・右壁両方から取り付き中であり、ここでも暫し順番待ちとなる。ここはF5の様に高巻いてしまったら勿体ないので、暫し観戦とし、先行パーティーが登り終えるのを待つ。

田仲君が“監督さん右ルート空きましたよ!”と先に空いた右ルートをしきりに勧めるが、大谷としましては見た感じ大変難しそうなので、左ルートと心に決めていました。

田仲君の申し出をひたすら黙殺する。田仲君!大谷がトップで落ちたら、大変でしょ。……・次回から察して下さいね。

さて、左ルートが空いて“行くぞっ田仲君、確保!と言って取り付いたのだが、出だしから思ったより傾斜がきつい。

 

中間部分のかぶり気味のCSの下を右に回り込んで落ち口に抜けるのだが、回り込みの際にもバランスと大胆なスタンスが要求され、久々のドキドキ感を体感する。

そして、セカンドの田仲君の番となり・・・・・

 

田仲   “監督、テンション!” 

大谷  “はーい” 

田仲  “監督少しザイル・ダウン” 

大谷  “はーい”

 

・・・・・こんな感じでセカンドの田仲君は身のこなしも鮮やかに、ビレイを回収してアッと言う間に

登って来てしまいました。

この時点で1245分を廻っており大分時間を費やしてしまった。

しかし、今回、田仲君と行動を共にすると言うことで、小さな滝でも全てザイルを出し安全第一で

登り続けました。

最後の源頭の3mの涸れ滝は田仲君にトップを行って貰う。

迷うこともなく踏み跡を辿り、大倉尾根を経て塔の岳へ達するが、頂上で他の沢登りパーティー

から“ワラジーだ、ワラジーだ”と注目を浴びる、昨今は沢登りに草鞋は使用しなくなったようです。

小休止のあと、計画通り鍋割山を経て二股から長い林道を辿り大倉バス停へ戻ってくる。

田仲君また一緒に登ってください、お疲れ様でした。

(報告 大谷)

≪一年生 田仲君の感想≫

    今回の山行で沢登りに初挑戦しました。

    丹沢・塔ノ岳に登るのは今回が三回目でした。しかし、沢を遡行して塔ノ岳に登ることは勿論初めてです。

    大倉のバス停で大谷監督と落ち合い、監督に用意していただいた装備を見てびっくりしました。

    そこには草鞋が・・・。装備の多くがどんどん改良化されている今日に、まさか草鞋を履いて登るとは想像もしていなかったからです。

    装備を確認した後、大倉を出発。しばらく歩いて源次郎沢の取り付き部に到着すると、そこから先はいくぶん涼しく感じられました。

    実際に草鞋を履いて沢を登り始めて、フリクションの利きの良さにさらに驚きました。

    そこから先は大谷監督の丁寧な指導の下、所々でザイルを張り、1か月ほど前に部会で行ったザイルワークの講義録を思い出しながら、多少の緊張感を感じながら登って行きました。

    そして、山頂に到着。快晴とはいきませんでしたが、南に相模湾。その先には江の島を確認できました。

    初めての沢登りを、大谷監督の丁寧な指導を受けながら経験できたことで、楽しさを味わえ、基礎的な技術を習得することができました。

    また、監督の山岳部時代の思い出話やヒマラヤでのエピソードを話していただきました。

    このことは山岳部の先輩からのアドバイスと捉え、今後の山岳部の活動に大いに活用していきたいと思います。

    これから先は夏にかけて、より沢登りが楽しめる季節となってきます。猛暑が予想される今夏を山で楽しむためにも、大谷監督、ぜひぜひ沢登りにお誘い願います。

(報告 田仲航)

↑入渓前田仲君の勇姿

↑二俣手前の新緑が美しい

↑ F2の登り

↑ F6看板前

↑ 源頭付近

↑ 塔の岳頂上

↑ 鍋割山頂上